リカルド・リッコ(イタリア、ヴァカンソレイユ)が5日、トレーニング中に体調を崩して入院。その入院先で自家輸血に失敗したことを医師に話したという。

リカルド・リッコ(イタリア、ヴァカンソレイユ)リカルド・リッコ(イタリア、ヴァカンソレイユ) (c)CorVosリカルド・リッコは5日、トレーニングを終えて帰宅した際に体調不良を訴え、家族が近郊のパヴッロの病院へと連れて行った。入院したリッコは38度の熱があったが、その夜には腹部の痛みと40度に近い熱を出して悪化したため、医師の判断によりモデナの病院へと転院。腎機能不全と診断されたが、血液ドーピングの疑いがかかっている。

リッコは自己輸血がこの事態を引き起こしたことを認めているようだ。もしドーピングが確定すれば、おそらく5年以上の出場停止処分になるだろう。

ガゼッタ・デッロ・スポルト紙によれば、リッコは「自家輸血した」と医師に語ったと伝えている。リッコが住むモデナ市の検察官は、リッコが入院した日曜からすぐに捜査を始めている。

リッコにとってこれは3年間で2度目のドーピング事件となる。2008年ツール・ド・フランスに引き続き2度目のドーピング発覚となる。そのツールでリッコは2つのステージ優勝を挙げたあと、EPO CERA陽性となった。リッコは20ヶ月の出場停止処分を受けたが、昨年UCIプロコンチネンタルチームのチェラミカ・フラミニアでレースに復帰。5レースで勝利を上げ、ツアー・オブ・オーストリアで総合優勝を飾った。

リッコは契約が残っていたチェラミカ・フラミニアに対し契約解除の違約金75,000ユーロを支払ってチームを離れ、8月にヴァカンソレイユと契約。UCIポイントを持ったリッコの加入のおかげでヴァカンソレイユはUCIワールドツアーに昇格し、ツール・ド・フランス2011への出場権も獲得している。

リッコは先週フランスのレース GPマルセイユでシーズンインし、明日からのツアー・オブ・メディテラネアンに出場する予定だった。

リッコは今ふたたびCONI(イタリア・オリンピック委員会)による、5年以上から生涯に渡る出場停止処分を受ける可能性に直面している。イタリア・反ドーピング法廷は昨日、イタリアのプロサイクリストであるロレンツォ・ベルヌッチに対して、CONIと同意の上で5年間の出場停止処分を下したばかり。ベルヌッチは自宅に禁止薬物を隠し持っていたかどで逮捕された。3年間で2度目の処分だ。

昨夜の医療局からの発表によれば、第一に重要なリッコの容態は快方に向かっているという。その後については引き続き秘密が保たれている。


text:Gregor Brown
translation:Makoto.AYANO