第2ステージで優勝したベン・スウィフト(イギリス)が、ツアー・ダウンアンダー最終日に再び勝利。チームスカイは2年連続で最終ステージワンツー勝利を果たした。ボーナスタイムによる白熱の総合争いは、HTC・ハイロードとラボバンクを抑え込んだガーミン・サーヴェロに軍配。キャメロン・マイヤー(オーストラリア)が総合優勝に輝いた。

スタート前のベン・スウィフトとジェレイント・トーマス(ともにイギリス、チームスカイ)スタート前のベン・スウィフトとジェレイント・トーマス(ともにイギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsujiツアー・ダウンアンダー最終日は、恒例のアデレード市街地サーキットで行なわれるクリテリウムレース。街の中心部に敷設された4.5kmの周回コースを20周する。

途中8周目と12周目にスプリントポイント、10周目と15周目にKOM(山岳ポイント)が設定されており、レース展開にスパイスを与える。僅差での総合争いが繰り広げられているため、スプリントポイントでのボーナスタイムが勝敗の鍵を握った。

1周目からアタックを仕掛けたスチュアート・オグレディ(オーストラリア、レオパード・トレック)ら1周目からアタックを仕掛けたスチュアート・オグレディ(オーストラリア、レオパード・トレック)ら photo:Kei Tsujiこの日のスタートの時点で、ゴスはマイヤーから8秒遅れの総合2位。マシューズが12秒遅れで続く。仮にスプリントポイントを全て先頭で通過し、ステージ優勝を飾れば最大16秒獲得。つまりゴスとマシューズには総合逆転のチャンスが残されている。ガーミン・サーヴェロ、HTC・ハイロード、ラボバンクの3チームが激しいバトルを繰り広げた。

スタート直後、真っ先に動いたのはガーミン・サーヴェロ。第4ステージでマイヤーの勝利に貢献したマチュー・ウィルソン(オーストラリア)がアタックを仕掛け、これにスチュアート・オグレディ(オーストラリア、レオパード・トレック)やイニャキ・イサーシ(スペイン、エウスカルテル)、ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、UniSAオーストラリア)が合流した。

落ち着いた表情で周回をこなすキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)落ち着いた表情で周回をこなすキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ) photo:Kei Tsuji逃げグループに選手を送り込むことで、ライバルチームを消耗させ、なおかつライバルスプリンターのボーナスタイム獲得を阻止するのがガーミン・サーヴェロの戦略。しかしメイン集団は直ぐさまHTC・ハイロードがコントロールを開始。逃げグループのリードを15秒に抑え込んだ。

1つ目のスプリントポイントが設定された8周目が近づくと、HTC・ハイロードが牽引するメイン集団は逃げを吸収。間髪入れずにトラヴィス・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)がカウンターアタックを仕掛けたが、リードを奪えずに吸収される。メイン集団は一つのままスプリントポイントに差し掛かった。

HTC・ハイロードがコントロールするメイン集団HTC・ハイロードがコントロールするメイン集団 photo:Kei Tsuji

20秒のリードを得て逃げるスチュアート・オグレディ(オーストラリア、レオパード・トレック)ら7名20秒のリードを得て逃げるスチュアート・オグレディ(オーストラリア、レオパード・トレック)ら7名 photo:Kei Tsujiスプリントポイントではゴール勝負さながらのスプリントが繰り広げられ、マシューズが1番手通過を果たす。マシューズはボーナスタイム3秒を獲得し、マイヤーとの総合タイム差を9秒に。2番手通過を果たしたゴスはボーナスタイム2秒を獲得し、マイヤーとの総合タイム差を6秒差に詰めた。

続いてルーク・ロバーツ(オーストラリア、UniSAオーストラリア)とホアン・オラク(スペイン、モビスター)が飛び出し、マヌエル・ピレス(ポルトガル、レオパード・トレック)らが合流。ロバーツは10周目に設定されたKOMを先頭通過し、山岳賞獲得を決めた。

最終スプリントを狙うマシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)最終スプリントを狙うマシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード) photo:Kei Tsujiロバーツらは数周回を逃げた末に吸収。2つ目のスプリントポイントに向けてメイン集団のスピードは上がり、ヨス・ファンエムデン(オランダ、ラボバンク)が先頭通過。4番手通過のゴスはボーナスタイムを獲得出来ず。ゴスとマシューズは、マイヤーから6秒遅れと9秒遅れで最後のゴールスプリントに挑むことに。

仮にゴスがステージ優勝(ボーナスタイム10秒)を飾れば総合逆転。ステージ2位(ボーナスタイム6秒)でもマイヤーに同タイムで並び、規定によりステージ上位入賞回数が多いゴスに総合首位が移る。マシューズが総合逆転するためには、マイヤーがステージ3位以内に入らず、自身がステージ優勝することが条件だ。

ラボバンクやオメガファーマ・ロットを先頭に最終周回に突入ラボバンクやオメガファーマ・ロットを先頭に最終周回に突入 photo:Kei Tsujiゴールまで7周回を残して再びオグレディがアタックを仕掛け、ニキ・セレンセン(デンマーク、サクソバンク)やアレッサンドロ・スペツィアレッティ(イタリア、ランプレ)ら6名が合流。しかしメイン集団とのタイム差が20秒を超えることはなかった。

メイン集団はHTC・ハイロードとラボバンクが牽引し、ジワリジワリと逃げグループとのタイム差を詰める。合計3回逃げを試みたオグレディは敢闘賞に輝いている。

ヘンダーソンがベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)を発射ヘンダーソンがベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)を発射 photo:Kei Tsuji最終周回を前に逃げは全て封じ込められ、ラボバンクとオメガファーマ・ロットが主導権を握ってラスト4km。集団牽引に力を使ったHTC・ハイロードはトレインを組めず、チームスカイが先頭に。ロビー・マキュアン(オーストラリア、レディオシャック)とアンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)が激しいポジション争いを繰り広げながら、ラスト1kmを通過した。

最終コーナーを抜けると、マーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)が一気に先頭へ。しかしその後ろにゴスの姿は無く、グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、チームスカイ)がスウィフトを連れて先頭に立つ。好位置でスプリントを開始したスウィフトは、ヘンダーソンを連れてゴールに飛び込んだ。

ワンツー勝利を飾ったベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)とグレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、チームスカイ)ワンツー勝利を飾ったベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)とグレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、チームスカイ) photo:Kei Tsuji昨年の最終ステージでワンツー勝利を飾ったチームスカイが、再び最終ステージでワンツー勝利。第2ステージの勝利で名を上げたスウィフトがステージ2勝目を飾った。今大会でステージ2勝を飾った選手はスウィフトだけだ。

「キャリア最高の勝利」をもう一つ獲得したスウィフトは、あどけない笑顔を見せながらインタビューに答える。

総合優勝を果たしたキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)総合優勝を果たしたキャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ) photo:Kei Tsuji「今日はチーム戦略としてスプリントポイントを狙わず、もっと大きな獲物を狙おうと決めていたんだ。マット(ヘイマン)はまるでモーターバイクのようなスピードで、誰も寄せ付けずに集団先頭を引き続けた。交代したG(トーマス)も速くて、発射台のグレッグ(ヘンダーソン)の走りもインクレディブル。絵に描いたようなリードアウトだったよ。とにかく彼らの走りなしではこの結果は得られなかった。」

10秒のボーナスタイムを得たスウィフトは総合3位にジャンプアップ。チームスカイはステージ2勝&総合3位という好成績でシーズン初戦を終えた。

総合優勝、山岳賞、敢闘賞、スプリント賞を獲得した4名がシャンパンファイト総合優勝、山岳賞、敢闘賞、スプリント賞を獲得した4名がシャンパンファイト photo:Kei Tsuji注目が集まった総合争いは、マイヤーに軍配。ゴスはバイクを投げてゴールしたが、ヘンダーソンに届かずステージ3位。ボーナスタイム4秒を獲得したが、マイヤーには2秒届かなかった。

両親の目の前で、母国最大のステージレースの総合優勝を決めたマイヤーはチームの走りを讃える。「チームメイトに感謝している。全て彼らのおかげだ。今日は一日中アタックを仕掛けていたし、状況をコントロール出来ていた。」

「自分はスプリンターではないので、チームメイトたちのサポートは欠かせなかった。ゴシィー(マシュー・ゴス)は2つのスプリントポイントで脚を使いすぎたのだと思う。ワールドツアーレベルのレースで総合優勝を飾るなんてまだ信じられない。」ツアー・ダウンアンダー第13代チャンピオンは安堵感に満ちた笑顔を浮かべながらレースを振り返った。23歳のマイヤーは同時に新人賞トップに輝いている。

個人総合優勝、スプリント賞、新人賞、山岳賞、第6ステージ敢闘賞は全てオーストラリア人選手が獲得。マイヤー、ゴス、ロバーツ、オグレディの4名による激しいシャンパンファイトでツアー・ダウンアンダーは幕が下ろされた。


ツアー・ダウンアンダー2011第6ステージ結果
1位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)            1h53'47"
2位 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、チームスカイ)
3位 マシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)
4位 ロビー・マキュアン(オーストラリア、レディオシャック)
5位 フアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
6位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)
7位 アンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)
8位 ロメン・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)
9位 ダヴィデ・ヴィガノ(イタリア、レオパード・トレック)
10位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、UniSAオーストラリア)

個人総合成績
1位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ) 17h54'27"
2位 マシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)         +02"
3位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)             +08"
4位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)         +09"
5位 ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)            +10"
6位 フランシスコホセ・ベントソ(スペイン、モビスター)         +17"
7位 アンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)       +26"
8位 ビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル)
9位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)           +27"
10位 ルーク・ロバーツ(オーストラリア、UniSAオーストラリア)     +28"

新人賞
1位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ) 17h54'27"
2位 マシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)         +02"
3位 ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)             +08"

スプリント賞
1位 マシュー・ゴス(オーストラリア、HTC・ハイロード)         28pts
2位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ラボバンク)         20pts
3位 トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ)          20pts

山岳賞
1位 ルーク・ロバーツ(オーストラリア、UniSAオーストラリア)      60pts
2位 ベン・ヘルマンス(ベルギー、レディオシャック)           36pts
3位 ミッチェル・ドッカー(オーストラリア、UniSAオーストラリア)    32pts

チーム総合成績
1位 モビスター                         53h44'56"
2位 ヴァカンソレイユ                         +08"
3位 アージェードゥーゼル                       +25"

敢闘賞
スチュアート・オグレディ(オーストラリア、レオパード・トレック)

text&photo:Kei Tsuji in Adelaide, Australia
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