本日のツアー・ダウンアンダー2011第1ステージのゴール地点、アンガストンでマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)は不発に終わった。彼のチームメイト、マシュー・ゴス(オーストラリア)は第1ステージで勝利し総合リーダーの座に立った。

日曜日のクリテリウムからゴスにエースの座を明け渡しているマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)日曜日のクリテリウムからゴスにエースの座を明け渡しているマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード) photo:Kei Tsuji「できる限り多くのステージで勝利することが大事なんだ」カヴェンディッシュはそう語る。「誰が勝つかは問題じゃない」。

カヴェンディッシュは62位に終わった。オーストラリア人のゴスはアンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)とロビー・マキュアン(オーストラリア、レディオシャック)に先んじて勝利している。

ゴスを引っ張ったのは、昨年のツール・ド・フランスでカヴェンディッシュを勝利へ導いたマーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)。カヴはゴスに前に立たれている状況だ。

集団内に身を潜めるマーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード)集団内に身を潜めるマーク・レンショー(オーストラリア、HTC・ハイロード) photo:Kei Tsujiレンショーは言う。「ヘイデン・ロールストンが残り1.5kmで牽引を開始し、残り600mまではベルンハルト・アイゼルが牽いた。僕の仕事は残り600mから始まったんだ。ゴシー(ゴス)にとっては長いスプリントになった。他のライバルたちが飛び出してくる残り300mで、スプリントをせざるを得ない状況だったから」。

ゴスは日曜日の夜、アデレードのオープニングクリテリウムでも勝利している。レンショーの説明によれば、今週中にはカヴェンディッシュ順番が来るとのことだが。カヴェンディッシュに「確かな」は無い。

レース開幕前日に記者会見を開いたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)レース開幕前日に記者会見を開いたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード) photo:Cor Vosカヴは言う。「時期が早すぎるということじゃない。もし君がツール・ド・フランスに最強のコンディションで臨みたいのであれば…、そういうことさ。もし君が僕と同じようにサンレモ、ツール、世界選手権というゴールを設定しているのであれば…」。

「ぼくはただ役に立てるようにと思ったけど、その時には僕はなんにも貢献することができなかった。もし彼らが勝っていなかったら、ぼくは失望していたことだろう」

集団前方でKOMの登りを進むアンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)集団前方でKOMの登りを進むアンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット) photo:Kei Tsujiカヴェンディッシュのライバルにして元チームメイトのドイツ人、グライペルは2位でゴールし、その後ゴスを祝福した。昨年、HTCチームに大会総合優勝を捧げた彼だが、カヴェンディッシュよりゴスの方が強いと考えている。

「僕が思うに、カヴの調子は良くなさそうだ。彼は最初の登りで脱落していたし、HTC・ハイロード勢がゴスのために働いていたのは明白だよ」とグライペル。「他のどのスプリンターにも注意することはなかった。前方でうまく走れたし、我々のチームはみなそこにいたからね」。

グライペルは見誤っている。最初の登りで遅れたのはイタリア人スプリンターのフランチェスコ・キッキ(クイックステップ)だけだ。それでも彼は今日の勝者ゴスへの恐怖が募る一方だ。

「かつてカヴェンディッシュは打ち負かすことのできない男だと言ったことがあるけれど」グライペルは言う。「それはどうやらマシュー・ゴスということになりそうだよ」。

「もしカヴが前にいたなら、彼はそこ(表彰台)にいたはずさ。」レンショーは付け加える。「彼には全くいっぱいいっぱいだっただろうね。今は1月だ。通算区間16勝を誇る彼を伴って我々がツール・ド・フランスに出場する頃には、みんなツアー・ダウンアンダーを忘れるであろうことが容易に思い浮かぶよ」。


text:Gregor Brown in Angaston, Australia
translation:Yufta Omata
photo:Kei Tsuji