プロツアー第3戦ブエルタ・アル・パイスバスコ最終日翌日に開催された第55回クラシカ・プリマベラ(UCI1.1)。雨の中172kmのレースが行なわれ、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)が山岳で絞られた10数名によるスプリント勝負を制した。バルベルデの勝利は2003年と2004年に続く3度目。

クラシカ・プリマベラ2009コースプロフィールクラシカ・プリマベラ2009コースプロフィール photo:www.scamorebieta.comクラシカ・プリマベラは毎年ブエルタ・アル・パイスバスコの翌日に行なわれるワンディレース。パイスバスコから連戦する選手も多く、パイスバスコで総合優勝したアルベルト・コンタドール(スペイン)擁するアスタナは出場しなかったものの、ランプレやケースデパーニュ、サクソバンクが顔を揃えた。

レースは後半に起伏に富んだ山岳地帯を通過。ラスト70kmの間には標高300m級のカテゴリー2級&3級山岳が計6つ設定されている。

集団の山岳で形成されたダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)らを含む12名の先頭グループ集団の山岳で形成されたダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)らを含む12名の先頭グループ photo:www.scamorebieta.com強い雨に見舞われたレースは、序盤からイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)らを含む8名の逃げグループが形成されたが、ケースデパーニュがコントロールするメイン集団はタイム差を抑え込んだ。

やがて後半の山岳地帯で集団のスピードは上がり、ラスト20kmで逃げグループが吸収されるとカウンターアタックが繰り返されて12名が先行。この中には昨年の覇者ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)やフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)、エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)、そしてバルベルデが入った。

終盤の山岳でアタックするフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)終盤の山岳でアタックするフランク・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) photo:www.scamorebieta.com後続を引き離したこの強力な12名のグループからは、山岳でシュレクらがアタックを仕掛けたが決まらない。グループが崩れないままゴールに向かい、最後は雨の最終ストレートでスプリントが繰り広げられた。

後方からスプリントをスタートさせ、マルティネスらを抜きさって先頭でゴールしたのはバルベルデ。「後ろからのスプリントだったけど、案外簡単に先頭に立つことが出来た。厳しいレースで天候も悪かったけど、コースは僕の特性にあっていたと思う」と語るバルベルデは、2003年と2004年に続く大会3勝目、今シーズン3勝目を飾った。

スプリント勝負で先頭に立つアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)スプリント勝負で先頭に立つアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:www.scamorebieta.comバルベルデに対しては、ドーピング疑惑によりCONI(イタリア五輪委員会)が2年間の出場停止処分を要請している。ガゼッタ紙によるとCONIが判決を出すのは5月11日で、それまでバルベルデは問題なくレース出場が可能。つまりシーズン序盤の目標に掲げるリエージュ〜バストーニュ〜リエージュなどのアルデンヌ・クラシック出場は確実と見られている。仮に処分が決定した場合、バルベルデ側はCAS(スポーツ仲裁委員会)に上訴することになるだろう。

アルデンヌに向けて好調さを見せたバルベルデは「今はレース以外のことについて話したくない。レース外のいざこざを忘れるためには、勝ち続けることが一番だ」と語っている。

レース展開や選手コメントはスペインの情報サイトas.comより。

クラシカ・プリマベラ2009結果
1位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)4h04'58"
2位 エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル)
3位 ホセエラーダ・ロペス(スペイン、コンテントポリス)
4位 ミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル)
5位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
6位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)
7位 ダビドブランコ・ロドリゲス(スペイン、パルメイラスリゾート)
8位 ゴルカ・ベルドゥーゴ(スペイン、エウスカルテル)
9位 エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア)
10位 アンヘル・ビシオソ(スペイン、アンダルシア・カハスール)