イタリアのガゼッタ紙が報じたところによると、4月1日、CONI(イタリア五輪委員会)の検察がアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)に2年間の出場停止処分を要請した。数週間後にTNA(イタリアアンチドーピング裁決機関)が決定を下す予定だ。

カスティーリャでステージ2勝を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)カスティーリャでステージ2勝を飾ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ) photo:Cor Vos昨年ツール・ド・フランスがイタリアのプラートネヴォーゾに立ち寄った際(7月21日)、CONIはバルベルデに対してドーピング検査を実施。CONIによると、そこで採取されたバルベルデの血液サンプルのDNAが、オペラシオン・プエルト勃発時に主犯格のフエンテス医師のオフィスから押収された血液バックのサンプルの一つと一致。以前からスペイン当局も捜査を進めていたが、証拠不十分として立件を断念していた。

CONIがバルベルデに聴聞会出席を要求したのは2月の中旬のこと。バルベルデはフレデリコ・チェッコーニ弁護士とともに聴聞会に出席し、自らの潔白を訴えた。

1ヶ月半に渡る審議の後、CONIの検察が要求したのは2年間の出場停止処分。これを受けて数週間後にTNAが決定が下す。UCI(国際自転車競技連盟)もこの決定に同調すると思われ、イタリア国内だけでなく国際的な出場停止を受ける可能性も高い。

処分が決定した場合、バルベルデ側はCAS(スポーツ仲裁委員会)に上訴することになるだろう。連覇のかかったリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ出場や、シーズン最大の目標に据えるツール・ド・フランス出場の可能性は?

仮にUCIが国際的な処分を行なわず、イタリア国外レースの出場が認められたとしても、バルベルデはツールに出場できない。ツールは第16ステージでイタリアを通過するからだ。

所属するケースデパーニュは「バルベルデは今回の要請に驚いており、事実と異なる決定に憤りを感じている。CONIは権限を乱用し、法的にも道徳的にも誤った議論を持ち上げてきた。これは選手の権利を侵害するものだ」との声明を出している。