小春日和の長良川河川敷に500人のサイクリストが集まった。その気になれば1回の申し込みで4回も走れる、お得なレースが長良川クリテだ。

スポーツⅠ 長良川を見ながら走るスポーツⅠ 長良川を見ながら走る photo:Hideaki.TAKAGI

12月5日(日)、岐阜県海津市の木曽三川公園内長良川河川敷で、チャレンジリーグ長良川クリテが行われた。
12月の第一日曜日は長良川クリテですっかり定着した大会は、過去最多の参加者で会場が埋め尽くされた。
チャレンジリーグ(Cリーグ)とは、関西の自転車関係企業などが振興のために行っている大会名だ。今年は春と夏に岐阜県加東市播磨中央公園でエンデューロ、そして春と冬にこの長良川でクリテリウムが開かれた。

個人TT 1位の小渡健吾(ストラーダレーシング)個人TT 1位の小渡健吾(ストラーダレーシング) photo:Hideaki.TAKAGI長良川クリテの特徴は、子供から大人まで楽しめること、そしてその気になれば1回の申し込みで個人タイムトライアルや、決勝戦などに進めることだ。決勝戦のネックス杯はその前のレース終了直後に行われることもあるので、心拍が上がりきったままでスタートという場面も。がんばる人ほど面白い大会だ。

当日は朝から快晴。次第に暖かくなって小春日和に。少し日焼けするほど。いつもは強い風も、この日は弱め。コース内側の芝生にシートを広げて観戦すればピクニック気分だ。

最初のプログラムは個人タイムトライアル。1周3kmを20秒ごとに走るもの。最年少は8歳の子供たち。一生懸命こいでゴール。優勝はやはりこの男、小渡健吾(ストラーダレーシング)。タイムトライアルの完全装備でダントツの1位。


マトリックスパワータグ・コラテックの選手たちがエスコート役マトリックスパワータグ・コラテックの選手たちがエスコート役 photo:Hideaki.TAKAGI一番盛り上がるのは子供たちのレース。大人以上に?真剣な子供たちを応援するお父さんお母さんそしてきょうだいたちも一生懸命応援。泣きながらゴールしたり途中で止まってしまったりとハプニングも。誰もが笑顔のアンダークラスだ。

各クラスの上位者は決勝戦であるネックス杯に進出できる。ビギナーⅡとⅠの上位者はネックス杯ラウンド1を、スポーツⅠとⅡの上位者はラウンド2を走る。そしてエリートとラウンド1と2の上位者はラウンド3を走る。

エリートクラスの優勝は内田信二(CARO SPORT)、現役の競輪選手で3連覇だ。「スプリントになればチャンスはあるかと思いました。途中にあった逃げは浅くて決まらないと思ったので、前の位置で冷静に見ました」と語る。マトリックスの安原監督からはきつめの突込みが入ったが、積極的に市民レースに参加する競輪選手は歓迎、どんどん出て欲しいものだ。


アンダー9 スタート前アンダー9 スタート前 photo:Hideaki.TAKAGI頂上決戦はネックス杯ラウンド3。選ばれた選手だけが走るだけあって、隊列がきれい。落車もなくスムーズに回る。ネックス杯のみ1周0.65kmのショートコースなのでちょうど1分で周回、すべて見通せるので盛り上がる。ここで実に半分以上先頭を引き、個人TT状態だったのは井上人志(クラブシルベスト)。うしろがどんどん千切れていくハイペースで引っ張る。

後半は川本憲一(ベロチスタタニムラ)やリード役の阿部良之(マトリックスパワータグ・コラテック)も引く。ゴールは山下貴宏(マトリックスパワータグ・コラテック)が1着だが、クラスとしては川本が優勝。スポーツⅠ、ネックス杯ラウンド2そして同ラウンド3とこの日出た3レースすべてで優勝した。

アンダー9 表彰「ウチのチームに入らないか?」と言ったとか言わなかったとかアンダー9 表彰「ウチのチームに入らないか?」と言ったとか言わなかったとか photo:Hideaki.TAKAGIその川本はこう語る。「3勝は予定通りですがやはり嬉しいです。スプリント勝負になれば大丈夫なので。3戦とも基本は集団前方キープでした。そのほうが走りやすいので。今年はトラックレースではまずまずの結果を出せました。今年10月に結婚したので、競技をメインでするのは今年が最後です。来年からはゆっくりのんびりと走りたいですね」


"個人TT状態"の井上は「エリートクラスで脚を使ったので、ラウンド3は自分が勝つためでなく、チームメイトの野島君のために走りました。彼は来年から高体連登録で、シルベストジャージで一緒に走れる最後のレースだったので。このコースは前にいたほうがいいです。ボクはチャレンジリーグでは先行しますよ」と頼もしく話す。


エリート ゴールエリート ゴール photo:Hideaki.TAKAGI結果
個人TT 3km
1位 小渡健吾(ストラーダレーシング)3分40秒660
2位 加藤明豊(BREZZA RT)+03秒
3位 野田明宏(Teamまるいちエヴァディオ)+12秒

エリート
1位 内田信二(CARO SPORT)
2位 今村公俊(Euro-Works Racing)
3位 羽根田将直(サイクルピット)

ネックス杯ラウンド1
1位 木下弘幸
2位 高塚武彦(ストラーダレーシング)
3位 小西重彰(チーム☆マイマイ)

ネックス杯Round3 ゴールネックス杯Round3 ゴール photo:Hideaki.TAKAGIネックス杯ラウンド2
1位 川本憲一(ベロチスタタニムラ)
2位 小川修(チームひとりぼっち)
3位 矢田哲也(ダイモンレーシング)

ネックス杯ラウンド3
1位 川本憲一(ベロチスタタニムラ)
2位 ヴィヴェロス・クリストバル(equipeCAMPIONISSIMO/Suplest)
3位 矢田哲也(ダイモンレーシング)

photo&text:高木秀彰
ネックス杯Round3 を盛り上げた2人ネックス杯Round3 を盛り上げた2人 photo:Hideaki.TAKAGI抽選会の賞品は自転車!抽選会の賞品は自転車! photo:Hideaki.TAKAGI

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