厳しいコースになった今年のおきなわ。実力と結果の両方で好調な畑中勇介は、果たしてシマノでおきなわ初優勝なるか。最強メンバーで臨むニッポは?昨年の優勝チームBSアンカーは?TTとの2ステージで13日(土)からいよいよツール・ド・おきなわが始まる。

09年のおきなわ、伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)が阿部嵩之(シマノレーシング)を下して優勝09年のおきなわ、伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)が阿部嵩之(シマノレーシング)を下して優勝 photo:Hideaki.TAKAGI元々が厳しいコースのこの大会。今年は終盤区間がさらに山岳へ延長され、10km伸びた210kmで行われる。独走力とスピードの両方に長ける選手が今まで勝っているが、今年もそれに変わりない。肉体的精神的にタフな選手だけしか上位争いに加われない。

過去はコースの特性からベテラン勢が勝利してきた。しかし昨年は伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)がゴールで阿部嵩之(シマノレーシング)を下して優勝。世代交代を感じさせるレースになった。


ジャパンカップ2010 畑中勇介(シマノレーシング)は3位にジャパンカップ2010 畑中勇介(シマノレーシング)は3位に photo:Hideaki.TAKAGIでは今年は?ベテラン勢も強いが、まず畑中勇介(シマノレーシング)を挙げよう。もはや若手というくくりでは納まりきれない実力を持つ。Jサイクルツアー年間総合チャンピオンはもとより、今年はシーズン後半になるほどに勝負強さを発揮し、熊本国際ロード2位、ジャパンカップ3位の成績は本物だ。いっぽうチームでは飯野嘉則(シマノレーシング)がこのおきなわをもって現役を引退する。鎖骨骨折からまだ1ヶ月だが、執念の走りをしっかりと見届けたい。


ツール・ド・北海道2010個人総合で清水都貴&団体総合優勝のチームブリヂストンアンカーツール・ド・北海道2010個人総合で清水都貴&団体総合優勝のチームブリヂストンアンカー photo:Hideaki.TAKAGI清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)は市民200kmでは優勝経験はあるが、国際レースでは08年の2位が最高。優勝できる実力があるだけに、ツール・ド・北海道の勝ちパターンそのままに、狩野智也とともに攻めに出てタイトルを狙う。地元の普久原奨は以前にこのおきなわで大逃げをして注目を浴びたが、今年の走りも期待だ。


ツール・ド・熊野2010第2ステージ佐野淳哉(チームNIPPO)が優勝ツール・ド・熊野2010第2ステージ佐野淳哉(チームNIPPO)が優勝 photo:Hideaki.TAKAGI佐野淳哉(TEAM NIPPO)は最もタフで、この厳しいおきなわのコースに勝負をかける。5月のツール・ド・熊野でUCIレース初優勝を果たしたが、そのステージは厳しい山岳コース。今回も終盤の山場で抜け出して勝利を狙う。チームとしては小集団のスプリントでも宮澤崇史が、そして井上和郎、中島康晴にも勝機があり、必ずやいい走りを見せるだろう。


ジャパンカップ2010 逃げ集団を率いる福島晋一(クムサン・ジンセン・アジア)ジャパンカップ2010 逃げ集団を率いる福島晋一(クムサン・ジンセン・アジア) photo:Kei Tsuji福島晋一(クムサン・ジンセン・アジア)は昨年、このおきなわで執念の追い上げを見せて3位に入っている。今年は個人TTの全日本チャンピオンで衰えを知らない。ベテランの走りで必ずや優勝争いに加わる。なお、初日の個人TTは日本チャンピオンジャージで登場する。

別府匠(愛三工業レーシングチーム)はアジアツアーでも好調、シーズン後半になって調子を上げている。長いのぼりだけでなく短いパワー系の上りも得意。チームとしては連続2位が最高位。悲願の優勝目指して戦う。今大会には早川朋宏が研修生で参加。大学3年生以下ではトップの実力を持つ早川の走りは要チェックだ。


ジャパンカップ前日のクリテリウムを制したトーマス・パルマー(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)ジャパンカップ前日のクリテリウムを制したトーマス・パルマー(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ) photo:Kei Tsuji真鍋和幸(マトリックスパワータグ・コラテック)は今シーズン厳しいコースでの実績が多い。より厳しくなった今年のおきなわでは先頭集団で展開できる実力を持つ。阿部良之とともにベテランの走りを見せる。

中村誠(宇都宮ブリッツェン)は今シーズン、厳しいコースの南信州松川ロードで勝利。このおきなわにも期待したい。

鹿屋体育大学は吉田隼人、野中竜馬に期待したい。2人ともアグレッシブな走りが身上。1年生ながら今シーズン大活躍の山本元喜も見逃せない。なお、地元の内間康平はチームおきなわで出場する。

ドラパックポルシェはオールラウンドに力を発揮するスチュアート・ショウをエースで臨む。トーマス・パルマーは先のジャパンカップで大暴れ、昨年のおきなわ個人TTも制している。今年も当然狙うが、第2ステージでも動き回るだろう。

ほかチーム
パールイズミ・スミタ・ラバネロ
ジェイミス・スッターホーム・サイクリングチーム
アクションサイクリングチーム
ヴェロクラブラポムマルセイユ
TCFチーム(台湾車連)
チャイニーズタイペイ・ナショナルチーム
ジャイアントアジア・レーシングチーム

以上17チーム各5人

text:高木秀彰
photo:高木秀彰、辻啓、綾野真