毎年ジロ・デ・イタリアのコースを設計するアンジェロ・ゾメニャン氏は、2011年大会のコースに自信を見せる。2004年にレースディレクターに着任してからというもの、何度も観る者を驚かせてきた。しかし賞賛する者あれば非難する者あり。毎年コース設定に頭を悩ますゾメニャン氏に、グレゴー・ブラウンが訊いた。

ミラノでの成功に笑顔がこぼれるレースディレクターのアンジェロ・ゾメニャン氏ミラノでの成功に笑顔がこぼれるレースディレクターのアンジェロ・ゾメニャン氏 photo:Kei.Tsuji2010年のジロ・デ・イタリア後、更にゾメニャン氏は株を上げたと言っていいだろう。アムステルダムをスタートしたジロは、泥だらけのトスカーナを駆け抜け、厳しい山岳で決戦が繰り広げられた。

2週間前に発表された2011年大会のコースも、同様に刺激的なものだった。ここからは質疑応答形式で(GB:グレゴー・ブラウン、AZ:アンジェロ・ゾメニャン)

GB:今年のジロが大成功した秘訣は?
AZ:選手たちが持てる力を全て使って闘ったこと。それに尽きる。しっかりと整ったレース環境で、総合優勝の可能性のある4〜5名の選手たちが闘った。本気で総合優勝を狙っていたから白熱した。

GB:今年のジロで得たこと、そして来年のジロに繋げたいと思ったことは?
AZ:それは未舗装路の魅力。そして重要な山岳ステージをレースの終盤に設定すること。早々に総合優勝の行方が分かるレースは面白くない。接戦の総合争いに持ち込まれ、最終週で盛り上がることが重要だ。

GB:ツール・ド・フランスから何かヒントを得たことは?
AZ:その必要は無いと思っている。もちろん興味があるから他のレースも観戦しているが、それらを参考にしてジロを組み立てようとは思っていない。ジロにはジロの血が流れている。その血を絶やしたくない。ツールとジロは全く違うものだ。

GB:ジロのコースはどのようにして設計する?
AZ:まずコースに取り入れたい要点をまとめる。毎年、ジロには違ったテーマを設定し、そのテーマに沿った場所選びから始める。立ち寄る街が決まったら、あとはそれを線で繋いで行くだけ。重要な山岳ステージは週末に合わせるのが鉄則。TTスペシャリストの独壇場を避けるために、個人タイムトライアルは山岳ステージの直後に設定する。

GB:スタートとゴールを招致するためにそれぞれの街はお金を払っている?
AZ:他のスポーツと同様に、イベントを招致するためにはお金が発生する。だがジロが生み出す金額を考えると、街が払う金額は僅かなもの。経済アナリストの分析によると、少なくとも出資額の10倍の経済効果がある。

GB:毎年コース発表の前に全てのステージを下見する?
AZ:もちろん。実際には2回ほど下見している。1年中イタリア国内を走り回っているから、年間走行距離は約15万kmに達する。いつも一人でコースを探しまわっている。2011年度のコースは、昨年の時点でほぼ下見を終えていた。

GB:今年はモンタルチーノとラクイラのステージが反響を呼びましたが、来年のサプライズは?
AZ:今の段階ではどのステージがサプライズになるのか分からない。でもエトナ火山にゴールするステージは白熱するだろう。そしてオルヴィエートにゴールするステージも、未舗装路が設定されているので何が起こるか分からない。ガルデッチャにゴールする超ど級の山岳ステージや、最終日前日のフィネストレ峠・・・エピックな要素を盛り込んだステージを多く用意したつもりだ。

GB:近年山岳個人タイムトライアルが多用されている理由は?
AZ:山岳タイムトライアルは山岳スペシャリストの真価が問われる場所。どの選手も、自分の力だけを頼りに山に挑まなければならない。そこに魅力がある。一方で、ロードレースの頂上ゴールはより戦略的だ。

GB:ディレクターとしてこれまでのジロで最も誇りに思っていることは?
AZ:沢山ある。2007年大会の空母ガリバルディ上でのチームプレゼンテーション、マッダレーナ島でのチームタイムトライアル、プラン・デ・コロネスの個人タイムトライアル、2005年のフィネストレ峠、昨年のチンクエ・テッレでの個人タイムトライアル、そして今年のモンタルチーノステージ・・・。それらを達成し、ジロを世界的なイベントに育て上げた作業チームを誇りに思う。

GB:これまで失敗したと思うことは?
AZ:もちろん失敗も沢山ある。選手たちへの尊敬の念を欠いていたと思うときが度々ある。例えば、昨年のモンテ・ペトラーノのステージは説明不足だった。ドロミテやアルプスではなかったので、どの選手もそのステージを甘く見ていたのだと思う。でも実際は獲得標高差4800mの非常に厳しいステージだった。半数の選手がステージ優勝者から24分以上も遅れてゴールすることになってしまった。

GB:子どもの頃からジロのとりこだった?
AZ:小さい時からテレビにかじり付いていたよ。街と街を繋ぎ、上っては下り、そして平地を駆け抜ける・・・。そのルートは芸術的で、アートの一種だと思った。

GB:初めて見たジロ・デ・イタリアは?
AZ:7歳の時、イタリア統一100周年を祝う1961年のジロだった。その年、ジロはサルデーニャ島とシチリア島を経由したんだ。信じられるか?今それを実現しようとすると殺されかねない。今でも移動が大変なのに、今から50年も昔、船とクルマで彼らは移動したんだ。今ではシチリア島に行くだけでも色々制約があるのに。とにかく来年は刺激的なレースになるはずだ。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
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