やはりジロ・デ・イタリアはコースの奇抜さ&過酷さの面でツール・ド・フランスの上をいく。ツールのコース発表の数日後に行なわれたジロのコースプレゼンテーションで、過酷な2011年大会のルートが明らかにされた。選手たちは活火山を登り、未舗装路で砂を巻き上げ、ドロミテやアルプスの難関山岳を這い上がることになる。

ジロ・デ・イタリアの総合ディレクターを務めるアンジェロ・ゾメニャン氏ジロ・デ・イタリアの総合ディレクターを務めるアンジェロ・ゾメニャン氏 photo:Kei Tsujiシーズン終盤の恒例行事、グランツールのコースプレゼンテーションが立て続けに2つ開催された。そして来年もジロはツールよりもインパクトのあるコースを披露。今年同様、ドラマティックな闘いが繰り広げられる可能性が高い。

2010年のジロはまるでハングライダーだった。落車が多発したオランダ。泥だらけのトスカーナ、総合争いを揺るがせたラクイラの大逃げ、そしてドロミテでもイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)の飛揚。

コースプレゼンテーションが行なわれたトリノのカリニャーノ劇場コースプレゼンテーションが行なわれたトリノのカリニャーノ劇場 photo:Riccardo Scanferlaアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)とアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)の一騎打ちに持ち込まれたツールも刺激的だったが、それ以上に観る者を魅了したと言っていい。

しかしジロを率いるレースディレクター、アンジェロ・ゾメニャン氏は2011年コースの構想に2年間を要した。レースを招致したいという地方都市の膨大なリクエストをまとめ、アマチュアサイクリストから寄せられる新しい山岳にまつわる情報に耳を傾け、そして自らクルマを走らせてコースをチェックする日々。魅力的なコース作りは容易なタスクではない。

ジロ・デ・イタリア2011第15ステージ・コースプロフィールジロ・デ・イタリア2011第15ステージ・コースプロフィール image:RCS Sport「昔、25年間ジャーナリストとして働いていた。その当時の探究心を今でも持ち続けている」。コースプレゼンテーションを終え、ゾメニャン氏は振り返るようにそう語る。

3週間の日程で開催されるジロ2011年大会は、5月7日にイタリア北部・ピエモンテ州トリノで開幕。5月29日にロンバルディア州ミラノでフィナーレを迎えるまでに、7つの頂上ゴールが登場する。ヨーロッパ最大の活火山として知られるエトナ火山や、2年連続登場のモンテ・ゾンコラン、未舗装のフィネストレ峠・・・山岳ステージ全体の獲得標高差は約24000mに及ぶ。

「厳しすぎるコースだって?それはミラノにゴールする完走者の数を見てみないと分からない。例えば世界で最も厳しいワンデークラシックと言われているリエージュ〜バストーニュ〜リエージュで、ゴールまで2つの登りを残して80名が集団に残っていた。つまり、レースの厳しさを決めるのはコースではない。選手たち、そして展開だ」。


ゾメニャン氏がピックアップする注目選手

2010年大会を制したイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス)2010年大会を制したイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) photo:Kei Tsujiゾメニャン氏は今週中に他のグランツール主催者、ツール・ド・フランスとブエルタ・ア・エスパーニャ、そしてUCI(国際自転車競技連合)と話し合いの場を持つ。そこでどのチームが出場するか、どの選手が出場するのかについて論議する。ゾメニャン氏は自らの意思で出場チームを選択出来るルールの早期確立を求めている。

ゾメニャン氏は2010年大会を席巻したイヴァン・バッソ(イタリア)とヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア)のリクイガスコンビを再びジロに出場させたい考えだ。

2010年ツール 霧のトゥールマレー峠でバトルを繰り広げたアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)とアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク)2010年ツール 霧のトゥールマレー峠でバトルを繰り広げたアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)とアンディ・シュレク(ルクセンブルク、サクソバンク) photo:Cor Vosそして、2007年大会でマリアビアンカ(新人賞ジャージ)を獲得して以来、ジロを離れているアンディ・シュレク(ルクセンブルク)を引き戻したいと願っている。可能ならば、2008年大会の覇者で、2度ツールを制しているアルベルト・コンタドール(スペイン)を出場させたい。

「選手たちがレースを作るのは間違いない。だが豪華な選手が出場するからと言って、レースが盛り上がると言う確証はない。むしろその逆かもしれない。有力選手が少ない方がレースがコントロールを失い、予想外の出来事が起こりやすい」。

リカルド・リッコ(イタリア、ヴァカンソレイユ)リカルド・リッコ(イタリア、ヴァカンソレイユ) photo:Riccardo Scanferla「出来ればシュレク兄弟が揃って出場してほしい。彼らとはずっとコンタクトを取っていて、チームのボスとも顔見知り。もしアンディが出場するなら、周到に準備して、朝3時まで飲み歩かないように忠告したい」。

「コンタドール?仮に彼が来年走るなら、ツールの準備レースとして出場してほしい。今年の7月から全くレースに出場していないので、レース勘を取り戻すためにジロは絶好の機会のはずだ。リカルド・リッコ?彼は順調にレースシーンに戻ってきていると思う。個人的には、彼は悪い人間じゃないと思っている。他の人間と違うだけだ。まだまだ多くのレースで結果を残せると思う。問題は、彼が心を入れ替えたのかどうかだ」。

ゾメニャン氏はジロを盛り上げるための策を練り続けている。レースの舞台は用意された。レースの成功は出場する選手たちの活躍に懸かっている。

text:Gregor Brown
translation:Kei Tsuji
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