2010年8月2日、ツール・ド・ポローニュ(UCIプロツアー)第2ステージが行なわれ、アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)がスプリント勝利。シーズン通算15勝目を飾った。別府史之(レディオシャック)はこの日も集団前方でスプリントに絡み、ステージ20位に入っている。

ツール・ド・ポローニュ2010第2ステージ・コースプロフィールツール・ド・ポローニュ2010第2ステージ・コースプロフィール image:www.tourdepologne.plツール・ド・ポローニュ第2ステージは、ラバ・マゾビエツカからドンブロワグルニチャまでの240kmで行なわれた。今大会最長のコースは平坦基調で、終盤にかけて5.6kmの周回コースを3周する。

この日も地元ポーランド勢が果敢に逃げた。逃げグループを形成したのはバルトロミエイ・マティシアク(ポーランド、ポーランドBGZ)、マルチン・サパ(ポーランド、ランプレ)、トム・ストゥブ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)、ガブリエル・ラッシュ(ノルウェー、サーヴェロ・テストチーム)の4名。

今大会最長ステージということもあって、タイム差は最大11分まで拡大。レース後半にかけてリクイガスやチームHTC・コロンビア、サクソバンクがメイン集団のコントロールを開始すると、順調にそのタイム差は縮小した。

今大会最長ステージを走る別府史之(日本、レディオシャック)今大会最長ステージを走る別府史之(日本、レディオシャック) photo:Riccardo Scanferla

ゴールまで25kmを残してタイム差2分20秒に。やがて先頭ではポーランド人の2名、サパとマティシアクが飛び出し、諦めずにエスケープを続行。この日唯一のカテゴリー山岳を先頭で通過したサパは山岳賞トップに躍り出た。

スプリント勝利を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)スプリント勝利を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) photo:Riccardo Scanferla結局エスケープデュオは最終周回突入前に、カチューシャやヴァカンソレイユが牽引したメイン集団に吸収される。完全に主導権を握るチームが現れないまま最終周回を駆け抜けたメイン集団。混戦のスプリント勝負に持ち込まれた。

好位置でスプリントを開始したのはクリストファー・サットン(オーストラリア、チームスカイ)とグライペル。高速域から段違いの加速を見せたグライペルが先行し、アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)を振り切ってゴールに飛び込んだ。

ステージ優勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)ステージ優勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア) photo:Riccardo Scanferla落車の影響でで足止めを食らい、前日のステージで勝負に絡めなかったグライペル。大柄なカラダを振り回す力強いスプリントで圧勝した。

「この勝利には非常に満足している。今日のゴールは長い直線が続いたので自分向きだった。暑さで苦しんだ選手もいたはず。昨年同様調子が良いので、これからのステージでも勝利を狙いたい(レース公式サイト)」

リーダージャージに袖を通したアラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)リーダージャージに袖を通したアラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ) photo:Riccardo Scanferlaグライペルはこれがシーズン通算15勝目。ライバルたちを大きく引き離す断トツトップの成績だ。

前日の優勝者ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)が80位に沈んだため、ステージ2位でボーナスタイムを獲得したデーヴィスが総合首位に。ボーナスタイムの関係で、現在デーヴィス、グライペル、グアルニエーリの3名が同タイムで並んでいる。

リーダージャージに袖を通したデーヴィスは「今日の走りには満足している。長期に渡ってレースに出場していなかったし、最初の2日間は下り基調のフィニッシュでグライペル向きだったから、あまり結果を期待していなかった。これからも勝利を狙って行く。そしてこのジャージを出来る限り長く着ていたい。地元で行なわれるロード世界選手権に向けて、このツール・ド・ポローニュでコンディションを万全にしたい(レース公式サイト)」とコメント。ツール・ド・フランスを欠場したグライペルとデーヴィスの活躍が光っている。

フミはこの日もレディオシャック内トップとなるステージ20位でフィニッシュ。自身のTwitterに「今日もスプリントにトライしてみた。ラスト500mまで10番手くらいの良いポジションに付けてたけど、下り基調のゴールだったから60km/h以上出ていて、他のリアルスプリンターと使ってるギアの差が出てしまい、スプリントする前に脚が回り切ってアウト!しっかし最後の押し合いは危ない」と書き込んでいる。総合ではトップと10秒差の17位につけている。

レース内容と選手コメントはレース公式サイト、ならびにストリーミング映像より。


ツール・ド・ポローニュ2010第2ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)    6h02'52"
2位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)
3位 ワウテル・ウェイラント(ベルギー、クイックステップ)
4位 クリストファー・サットン(オーストラリア、チームスカイ)
5位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、ヴァカンソレイユ)
6位 ケニー・デハース(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
7位 ルーカスセバスティアン・アエド(アルゼンチン、サクソバンク)
8位 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、BMCレーシングチーム)
9位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、フランセーズデジュー)
10位 アンジェロ・フルラン(イタリア、ランプレ)
20位 別府史之(日本、レディオシャック)

個人総合成績
1位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)    10h08'14"
2位 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、リクイガス)
3位 アンドレ・グライペル(ドイツ、チームHTC・コロンビア)
4位 アイトール・ガルドス(スペイン、エウスカルテル)      +04"
5位 ブラジェイ・ヤニャチク(ポーランド、ポーランドBGZ)
6位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)    +05"
7位 バルトロミエイ・マティシアク(ポーランド、ポーランドBGZ)
8位 ラスロ・ボドロギ(フランス、カチューシャ)
9位 ワウテル・ウェイラント(ベルギー、クイックステップ)    +06"
10位 マルチン・サパ(ポーランド、ランプレ)
17位 別府史之(日本、レディオシャック)            +10"

ポイント賞
アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)

山岳賞
マルチン・サパ(ポーランド、ランプレ)

スプリント賞
ブラジェイ・ヤニャチク(ポーランド、ポーランドBGZ)

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla

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