世界最大規模として知られる自転車ブランドのジャイアントから、2025年の春夏ウェアをピックアップ。アスリートにぴったりなRace Day SS Jersey 、オールラウンドに活躍するInstinct SS Jersey、そしてRace Day Bib Shortsをインプレッション。

ジャイアント Race day SS Jersey
ジャイアントが2025年春夏コレクションとしてラインアップしているRace Day SS JerseyとInstinct SS Jersey。どちらもトレンドにフィットするようなシルエットとデザインを採用しており、開発に力が入れられていることがうかがえる。そんなジャイアントの最新ウェアをシクロワイアード編集部の高木がテストした。
ジャイアント Race day SS Jersey 製品詳細はこちら
モデル名からもアスリートがレースで着用することを想定したRace Day SS Jersey。その名を表す通り本格的なジャージに仕立てられており、袖を通した瞬間から無駄のない作り込みを感じられる一着だ。

大胆なメッシュによって優れた通気性を実現する
肩から脇にかけてのメッシュパネルが、日本の高温多湿な環境でも、メッシュから熱が逃げていることを実感でき、想像以上の快適さを提供してくれる。一般的なウェアだと熱がこもってしまうこともあるが、大胆なメッシュのおかげでテストでは気持ちよく過ごせた。しかし、地肌が透けて見えるほど繊維の密度が薄いため、日焼け止めは必須。
胴回りは生地の密度は高めで、メッシュ生地と比べてしまうと、もう少しだけ風が抜けてくれれば、というのが正直な感想だ。ただこの生地は弾力性に富んでいて、体にピタリとフィットするために柔軟に伸びつつ、ルーズにならない適度な復元力で体を包み込んでくれる。心地よいタイトフィットのおかげで、空気抵抗になるウェアのバタつきを抑えられており、レースやシリアスなライド用と考えると納得の設計だ。

低めの襟は快適性向上に貢献する 
幅広いバンドとグリッパーによってホールド性を高めている
また、胴回りの生地は水を吸い上げる力が高く、暑く感じるときはボトルの水をかけると体を効果的にクーリングができそうだ。さらに吸汗性能と通気性を兼ね備えたベースレイヤーと組み合わせることで、Race Day SS Jerseyの快適性、フィット性全てを引き出せると感じる。特に目の粗い網状のベースレイヤーであれば、より快適に着用できるはずだ。
他にも襟が低く設計されているのも好印象だ。高い襟による圧迫感もなく、首回りが涼しく感じられるので、快適性向上に貢献している。さらに裾のバンドが幅広かつ内側にグリッパーが備えられていることで、腹圧をかけた時でも裾部分が体に圧迫感を与えず、ズレることがないのも非常に快適だ。

袖と脇部分にメッシュを採用している
ジャイアント Instinct SS Jersey 製品詳細はこちら
Instinct SS Jerseyは一見すると普通のジャージに見える。しかし、実際に着用してみると想像を超える良さがある一着だった。

ジャイアント Race day SS Jersey
特に採用されている生地が秀逸で、仕様が異なる胴回りと袖どちらも快適さに秀でている。手に持った瞬間から軽やかな風合いと柔軟性、そして光が透ける微細なパンチング加工による通気性が期待でき、走り出すとその良さが確信に変わる。
汗をかいてもジャージがすぐに吸収し、乾燥するため、サラッとした着心地が維持される。汗がウェアに残るような不快感は一切なく、 ベースレイヤーなしでも快適に過ごせるだろう。また網状のメッシュよりは密度が高く、UVカット機能もあるため、日焼けによる疲労も軽減してくれる。これから始まる梅雨時期から夏にかけてを乗り越えられるだろう。

光が透ける生地が採用されている 
ジャイアントロゴのグリッパーが備えられている
フィット感に関してはRace Dayのようなタイトめではなく、リラックスして着られるような仕立てだ。とはいえルーズなフィット感ではなく、体のラインに沿うようなカッティングはRace Dayと同じような印象。生地による違いが明確にあり、優しく包み込むような着心地となっている。
レースやハードなトレーニングでも快適に過ごせる性能と、肩の力を抜いたカフェライドでも気軽に着用できるフィット性を備えたInstinct SS Jersey。長時間のライドでも常に快適に過ごせるため、ロングライドであればInstinctをおすすめする。一方で、3〜4時間のレースを集中する場合はタイトなレースウェアでも良さそうだ。

常に快適なハイパフォーマンスウェアのInstinct SS Jersey
ジャイアントのロゴもワンポイントで小さく、ジャイアントオーナー以外でも着こなしやすいのも好印象。オーシャントワイライトブルーとソーラーフレアオレンジというカラーも程よく落ち着いており、普段使いにはピッタリだ。
ジャイアント Race Day Bib Shorts 製品詳細はこちら

ジャイアント Race Day Bib Shorts
Race Dayシリーズのビブショーツはトップスとロゴが統一されており、セットでの相性はかなり高い。全体としてはホールド力に優れているため、ライド中パッドや生地がズレてしまうこともなく、常に安定したパフォーマンスと快適性を提供してくれる。
このホールド力は幅広い肩紐が大きく貢献。レッグ部分の生地を引っ張り上げる感覚は強めだが、面で肌に触れているため圧迫感が小さめ。長時間着用し続けても全く違和感を覚えず、素晴らしいビブショーツだと感じる。またレッグ部分の裾も自然にホールドしてくれるため、常に快適だ。
レッグ部分の伸縮性が非常に優れており、ペダリング時に生地が突っ張ることなく動きに追従してくれる。着用感としては締め付けは強くなく、程よく太ももを覆うような印象で、気持ちよく着続けられるビブショーツだ。

ハイウエスト仕様のため、ジャージの隙間からお腹が見えにくい 
幅広のバンドによって快適なホールド性を確保している

裾部分にもジャイアントロゴのグリッパーが備えられる 
薄めながらサポート力がしっかりしているパッド
ハイウエストな仕立ても好印象で、休憩中に腹部が見えてしまう心配も少ない。そして、腹部をしっかりと守ってくれるため、ダウンヒル中の汗冷えで体調を崩しにくい。お腹が冷えやすい方にはハイウエストタイプのビブショーツがおすすめだ。
パッドはやや薄めの印象。坐骨が乗る部分のクッションはサポート力に優れており、長時間のライドでパッドが沈み込んでしまい、痛みが発生することはなかった。しっかりと腰を据える乗り方であれば快適に過ごせそうだ。パッドの厚みによってサドルハイトが変わらないのも嬉しい。
上質であり、手を伸ばしやすい価格設定

優れたクオリティと手を伸ばしやすい価格のジャイアントウェア
今回テストしたジャイアントのウェアはどれも想像を上回るクオリティを実現していた。それでいて価格が、Race Day SS Jerseyが16,500円、Instinct SS Jerseyが15,400円、Race Day Bib Shortsが20,900円という設定。どのウェアも3割程度高い価格設定でも違和感がないほどの品質を実現している。
TCRやPROPELのようなバイク、ヘルメット、シューズでも同様の高コストパフォーマンスを実現しているジャイアントらしい、ウェアの展開と言えるだろう。これから始まる本格的なサマーシーズンに向けてジャイアントのウェアも選択肢に入れても良さそうだ。
ジャイアント Race Day SS Jersey
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL
価格:16,500円(税込)
ジャイアント Instinct SS Jersey
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL
価格:15,400円(税込)
ジャイアント Race Day Bib Shorts
サイズ:XS、S、M、L、XL
価格:20,900円(税込)
Impression : Michinari Takagi

ジャイアントが2025年春夏コレクションとしてラインアップしているRace Day SS JerseyとInstinct SS Jersey。どちらもトレンドにフィットするようなシルエットとデザインを採用しており、開発に力が入れられていることがうかがえる。そんなジャイアントの最新ウェアをシクロワイアード編集部の高木がテストした。
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モデル名からもアスリートがレースで着用することを想定したRace Day SS Jersey。その名を表す通り本格的なジャージに仕立てられており、袖を通した瞬間から無駄のない作り込みを感じられる一着だ。

肩から脇にかけてのメッシュパネルが、日本の高温多湿な環境でも、メッシュから熱が逃げていることを実感でき、想像以上の快適さを提供してくれる。一般的なウェアだと熱がこもってしまうこともあるが、大胆なメッシュのおかげでテストでは気持ちよく過ごせた。しかし、地肌が透けて見えるほど繊維の密度が薄いため、日焼け止めは必須。
胴回りは生地の密度は高めで、メッシュ生地と比べてしまうと、もう少しだけ風が抜けてくれれば、というのが正直な感想だ。ただこの生地は弾力性に富んでいて、体にピタリとフィットするために柔軟に伸びつつ、ルーズにならない適度な復元力で体を包み込んでくれる。心地よいタイトフィットのおかげで、空気抵抗になるウェアのバタつきを抑えられており、レースやシリアスなライド用と考えると納得の設計だ。


また、胴回りの生地は水を吸い上げる力が高く、暑く感じるときはボトルの水をかけると体を効果的にクーリングができそうだ。さらに吸汗性能と通気性を兼ね備えたベースレイヤーと組み合わせることで、Race Day SS Jerseyの快適性、フィット性全てを引き出せると感じる。特に目の粗い網状のベースレイヤーであれば、より快適に着用できるはずだ。
他にも襟が低く設計されているのも好印象だ。高い襟による圧迫感もなく、首回りが涼しく感じられるので、快適性向上に貢献している。さらに裾のバンドが幅広かつ内側にグリッパーが備えられていることで、腹圧をかけた時でも裾部分が体に圧迫感を与えず、ズレることがないのも非常に快適だ。

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Instinct SS Jerseyは一見すると普通のジャージに見える。しかし、実際に着用してみると想像を超える良さがある一着だった。

特に採用されている生地が秀逸で、仕様が異なる胴回りと袖どちらも快適さに秀でている。手に持った瞬間から軽やかな風合いと柔軟性、そして光が透ける微細なパンチング加工による通気性が期待でき、走り出すとその良さが確信に変わる。
汗をかいてもジャージがすぐに吸収し、乾燥するため、サラッとした着心地が維持される。汗がウェアに残るような不快感は一切なく、 ベースレイヤーなしでも快適に過ごせるだろう。また網状のメッシュよりは密度が高く、UVカット機能もあるため、日焼けによる疲労も軽減してくれる。これから始まる梅雨時期から夏にかけてを乗り越えられるだろう。


フィット感に関してはRace Dayのようなタイトめではなく、リラックスして着られるような仕立てだ。とはいえルーズなフィット感ではなく、体のラインに沿うようなカッティングはRace Dayと同じような印象。生地による違いが明確にあり、優しく包み込むような着心地となっている。
レースやハードなトレーニングでも快適に過ごせる性能と、肩の力を抜いたカフェライドでも気軽に着用できるフィット性を備えたInstinct SS Jersey。長時間のライドでも常に快適に過ごせるため、ロングライドであればInstinctをおすすめする。一方で、3〜4時間のレースを集中する場合はタイトなレースウェアでも良さそうだ。

ジャイアントのロゴもワンポイントで小さく、ジャイアントオーナー以外でも着こなしやすいのも好印象。オーシャントワイライトブルーとソーラーフレアオレンジというカラーも程よく落ち着いており、普段使いにはピッタリだ。
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Race Dayシリーズのビブショーツはトップスとロゴが統一されており、セットでの相性はかなり高い。全体としてはホールド力に優れているため、ライド中パッドや生地がズレてしまうこともなく、常に安定したパフォーマンスと快適性を提供してくれる。
このホールド力は幅広い肩紐が大きく貢献。レッグ部分の生地を引っ張り上げる感覚は強めだが、面で肌に触れているため圧迫感が小さめ。長時間着用し続けても全く違和感を覚えず、素晴らしいビブショーツだと感じる。またレッグ部分の裾も自然にホールドしてくれるため、常に快適だ。
レッグ部分の伸縮性が非常に優れており、ペダリング時に生地が突っ張ることなく動きに追従してくれる。着用感としては締め付けは強くなく、程よく太ももを覆うような印象で、気持ちよく着続けられるビブショーツだ。




ハイウエストな仕立ても好印象で、休憩中に腹部が見えてしまう心配も少ない。そして、腹部をしっかりと守ってくれるため、ダウンヒル中の汗冷えで体調を崩しにくい。お腹が冷えやすい方にはハイウエストタイプのビブショーツがおすすめだ。
パッドはやや薄めの印象。坐骨が乗る部分のクッションはサポート力に優れており、長時間のライドでパッドが沈み込んでしまい、痛みが発生することはなかった。しっかりと腰を据える乗り方であれば快適に過ごせそうだ。パッドの厚みによってサドルハイトが変わらないのも嬉しい。
上質であり、手を伸ばしやすい価格設定

今回テストしたジャイアントのウェアはどれも想像を上回るクオリティを実現していた。それでいて価格が、Race Day SS Jerseyが16,500円、Instinct SS Jerseyが15,400円、Race Day Bib Shortsが20,900円という設定。どのウェアも3割程度高い価格設定でも違和感がないほどの品質を実現している。
TCRやPROPELのようなバイク、ヘルメット、シューズでも同様の高コストパフォーマンスを実現しているジャイアントらしい、ウェアの展開と言えるだろう。これから始まる本格的なサマーシーズンに向けてジャイアントのウェアも選択肢に入れても良さそうだ。
ジャイアント Race Day SS Jersey
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL
価格:16,500円(税込)
ジャイアント Instinct SS Jersey
サイズ:XS、S、M、L、XL、XXL
価格:15,400円(税込)
ジャイアント Race Day Bib Shorts
サイズ:XS、S、M、L、XL
価格:20,900円(税込)
Impression : Michinari Takagi
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