1級山岳にフィニッシュしたラ・ブエルタ・フェメニーナで、デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)が2.7kmの独走勝利。ファンデルブレッヘンらライバルたちを引き離し、連覇目指すフォレリングがマイヨロホを手に入れた。

マイヨロホで山岳ステージに臨むフェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム) photo:A.S.O.

ラ・ブエルタ フェメニーナ2025 第5ステージ コースプロフィール image:A.S.O. いよいよ第11回ラ・ブエルタ・フェメニーナ(UCIワールドツアー)は、マイヨロホを賭けた山岳バトルが幕を開けた。そのファーストラウンドはゴルマヨから平坦路を進み、1級山岳ラグナス・デ・ネイラにフィニッシュする120.4km。登坂距離6.7kmのこの山岳は、平均勾配8.7%と総合勢の調子を試すには十分な難易度だ。
この日はポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が足首の感染症のため不出場。そのため現在マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着用するマリアンヌ・フォス(オランダ)は、3年連続の獲得に向けて心強いチームメイトを失うことに。

3級山岳でプロトンの人数が絞られていく photo:A.S.O.
マイケ・ファンデルダイン(オランダ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)ら4名が逃げグループを形成し、それをリーダーチームであるSDワークス・プロタイムやリドル・トレックが追いかける。一時3分まで拡がったタイム差は、中間スプリントを前に2分を割り込む。そして残り43km地点でプロトンでは落車が発生し、巻き込まれた23歳のエスミー・ギールケンス(ベルギー、ロット・レディース)が敢えなくリタイアとなった。
逃げの4名が2級山岳に突入した時点で、プロトンとの差は1分14秒。するとジュリア・ボルグストローム(スウェーデン、AGインシュランス・スーダル)がアタックし、アリアナ・フィダンツァ(イタリア、ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ)が反応する。しかし2名は先頭で頂上に到達することはなく、ペースを上げるプロトンに飲み込まれた。
ひと塊となったプロトンでは、2級山岳の頂上まで残り2.5km地点でフェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が落車する。総合首位のヘリッツェはすぐさま再スタートを切ったものの、戦わずしてマイヨロホを失うことに。それを尻目に集団では早くもフランス王者のジュリエット・ラブース(FDJスエズ)がハイペースに持ち込んだ。

ラブースとムジックがハイペースで牽引 photo:CorVos
強力なクライマーであるマビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ)が遅れるサプライズの中、デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)は下りに備えてジャケットを着用。そして50名程度に絞られた集団は下りに入り、セドリーヌ・ケルバオル(フランス、EFオートリー・キャノンデール)とカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)が仕掛ける。しかしこれは決まらず、マライレ・メイエリング(オランダ、モビスター)とミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が立て続けに飛び出した。
メイエリングは集団に対し46秒のリードで1級山岳ラグナス・デ・ネイラに入る。エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ)の作るペースは残り4.8kmでまずブレーデウォルツを捉え、先頭がラブースに代わるとさらにスピードが上がる。そして残り3.6km地点でメイエリングを捉える頃に、先頭集団は6名に絞られた。

残り2.7km地点で単独先頭に立ったデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:A.S.O.
パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)のペースアップは長く続かず、残り2.9kmで遂にフォレリングが動く。それに昨年まで監督と選手の間柄だったファンデルブレッヘンは反応できず、食らいついた元チームメイトのマーレン・ロイサー(スイス、モビスター)も離される。そして2.7kmの独走を決めたフォレリングが、勝利と共にマイヨロホを手に入れた。

1級山岳を制したデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:CorVos

マイヨロホを着用したデミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) photo:CorVos
「本当に嬉しいし、チームとして見せた走りを誇りに思う。精神的に辛い時期もあったが、全力を尽くして勝つことができた」と、フォレリングは嬉し涙を流しながら語った。3月のストラーデビアンケで優勝したフォレリングだったが、その後勝利に絡みながらも勝ちきれないレースが続き、これが今季3勝目となった。
2位には24秒遅れでロイサーが入り、3位は56秒遅れのファンデルブレッヘン。総合順位もシャッフルされ、翌日の丘陵ステージを経て、最終日に1級山岳フィニッシュの山岳決戦が待っている。


この日はポーリーヌ・フェランプレヴォ(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)が足首の感染症のため不出場。そのため現在マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着用するマリアンヌ・フォス(オランダ)は、3年連続の獲得に向けて心強いチームメイトを失うことに。

マイケ・ファンデルダイン(オランダ、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)ら4名が逃げグループを形成し、それをリーダーチームであるSDワークス・プロタイムやリドル・トレックが追いかける。一時3分まで拡がったタイム差は、中間スプリントを前に2分を割り込む。そして残り43km地点でプロトンでは落車が発生し、巻き込まれた23歳のエスミー・ギールケンス(ベルギー、ロット・レディース)が敢えなくリタイアとなった。
逃げの4名が2級山岳に突入した時点で、プロトンとの差は1分14秒。するとジュリア・ボルグストローム(スウェーデン、AGインシュランス・スーダル)がアタックし、アリアナ・フィダンツァ(イタリア、ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ)が反応する。しかし2名は先頭で頂上に到達することはなく、ペースを上げるプロトンに飲み込まれた。
ひと塊となったプロトンでは、2級山岳の頂上まで残り2.5km地点でフェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が落車する。総合首位のヘリッツェはすぐさま再スタートを切ったものの、戦わずしてマイヨロホを失うことに。それを尻目に集団では早くもフランス王者のジュリエット・ラブース(FDJスエズ)がハイペースに持ち込んだ。

強力なクライマーであるマビ・ガルシア(スペイン、リブ・アルウラー・ジェイコ)が遅れるサプライズの中、デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ)は下りに備えてジャケットを着用。そして50名程度に絞られた集団は下りに入り、セドリーヌ・ケルバオル(フランス、EFオートリー・キャノンデール)とカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム・ゾンダクリプト)が仕掛ける。しかしこれは決まらず、マライレ・メイエリング(オランダ、モビスター)とミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス・プロタイム)が立て続けに飛び出した。
メイエリングは集団に対し46秒のリードで1級山岳ラグナス・デ・ネイラに入る。エヴィータ・ムジック(フランス、FDJスエズ)の作るペースは残り4.8kmでまずブレーデウォルツを捉え、先頭がラブースに代わるとさらにスピードが上がる。そして残り3.6km地点でメイエリングを捉える頃に、先頭集団は6名に絞られた。

パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)のペースアップは長く続かず、残り2.9kmで遂にフォレリングが動く。それに昨年まで監督と選手の間柄だったファンデルブレッヘンは反応できず、食らいついた元チームメイトのマーレン・ロイサー(スイス、モビスター)も離される。そして2.7kmの独走を決めたフォレリングが、勝利と共にマイヨロホを手に入れた。


「本当に嬉しいし、チームとして見せた走りを誇りに思う。精神的に辛い時期もあったが、全力を尽くして勝つことができた」と、フォレリングは嬉し涙を流しながら語った。3月のストラーデビアンケで優勝したフォレリングだったが、その後勝利に絡みながらも勝ちきれないレースが続き、これが今季3勝目となった。
2位には24秒遅れでロイサーが入り、3位は56秒遅れのファンデルブレッヘン。総合順位もシャッフルされ、翌日の丘陵ステージを経て、最終日に1級山岳フィニッシュの山岳決戦が待っている。
ラ・ブエルタ フェメニーナ2025 第5ステージ
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) | 3:19:57 |
2位 | マーレン・ロイサー(スイス、モビスター) | +0:24 |
3位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:56 |
4位 | パウリーナ・ローイヤッカース(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:10 |
5位 | ウソア・オストラサ(スペイン、ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ) | +1:20 |
6位 | セドリーヌ・ケルバオル(フランス、EFオートリー・キャノンデール) | +1:23 |
7位 | マリオン・ビュネル(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:27 |
8位 | ジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ) | +1:51 |
9位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、リドル・トレック) | +1:53 |
10位 | ヴァレンティナ・カヴァラー(オーストリア、アルケアB&Bホテルズ・ウィメン) | +2:01 |
個人総合成績
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) | 12:17:59 |
2位 | アンナ・ファンデルブレッヘン(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:45 |
3位 | マーレン・ロイサー(スイス、モビスター) | +0:46 |
4位 | セドリーヌ・ケルバオル(フランス、EFオートリー・キャノ+0:ンデール) | +1:49 |
5位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、リドル・トレック) | +2:05 |
6位 | ジュリエット・ラブース(フランス、FDJスエズ) | +2:09 |
7位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、リドル・トレック) | +2:19 |
8位 | ウソア・オストラサ(スペイン、ラボラルクチャ・フンダシオンエウスカディ) | +2:26 |
9位 | モニカ・トリンカコロネル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | +2:35 |
10位 | ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +2:57 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) |
山岳賞 | デミ・フォレリング(オランダ、FDJスエズ) |
チーム総合成績 | FDJスエズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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