2025/01/22(水) - 08:11
1月21日、南半球に位置するオーストラリアを舞台としたサントス・ツアー・ダウンアンダーが開幕。初日は集団スプリントに持ち込まれ、ファンポッペルの好リードアウトを受けたサム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が勝利した。

ワールドツアー開幕戦を迎えた留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos

サントス・ツアー・ダウンアンダー2025第1ステージ image:Santos Tour Down Under
男子UCIワールドツアーの第1戦であり、一足早いロードレースシーズンの訪れを告げるツアー・ダウンアンダーがいよいよ開幕。プロスペクトからガメラチャまで、大きな周回コースを2周する150.7kmコースは冷涼品種ワインのメッカであるアデレード・ヒルズを通過するものの、登坂は長くても2kmほどと華やかな集団スプリント向けレイアウトだ。
ボーナスタイムが懸けられた中間スプリントポイントを2箇所、カテゴリー2級の山岳ポイントを合計3箇所通過する獲得票高1,500mほどの開幕ステージには、昨年よりも鮮やかなジャージに身を包む留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)の姿も。スタートフラッグが振られると同時に逃げを狙うアタックが活性化し、直後に控える山岳ポイント「カンガルークリーク」で3名の逃げグループが形成された。

ツアー・ダウンアンダーが開幕。初日は平坦基調の150.7kmコースだ photo:CorVos

豪州ナショナルチームのザック・マリッジとファーガス・ブラウニングが逃げる photo:CorVos
豪州ナショナルチームのザック・マリッジとファーガス・ブラウニング、そしてバスティアン・トロンション(フランス、デカトロン・AG2Rラモンディアール)が逃げ、トロンションは41km地点の中間スプリントポイントでボーナスタイムを奪ったのちにメイン集団へ。こうして同じナショナルジャージを着るマリッジとブラウニングの2人逃げが始まった。
昨年のツアー・オブ・ジャパンに参戦し、総合6位、新人賞2位と活躍したマリッジは中間スプリントを、昨年までトリニティレーシングで活動したブラウニングは山岳ポイントを分け合う作戦で先行。初日故にリーダーチームがおらず、各チームが変わるがわる先頭交代を行うメイン集団が、じわりじわりと2人のタイム差を削り取りながら距離を減らしていった。
留目も牽引役を担ったメイン集団は、フィニッシュまで22kmというかなり余裕をもったタイミングで2人を飲み込んだ。スプリンターチームが横並びでペースを上げ、世界屈指のワイン産地の真っ只中をハイスピード巡行。豪州ロード王者に輝いたばかりのルーク・ダーブリッジ(ジェイコ・アルウラー)は残り4km地点まで牽引したものの、残り2.5km地点で発生した落車に巻き込まれてしまう。落車分断によって30〜40名程度に小さくなった集団が残り1kmアーチをくぐった。

「カンガルー飛び出し注意」 photo:CorVos

サム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
緩やかな登り勾配がついたフィニッシュ手前区間で猛烈な牽引を行ったのが、昨年大会で区間3勝を挙げ、今年のスプリント最有力候補であるサム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の最終発射台であるダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)だった。5番目の選手が中切れを起こす強烈なリードアウトから発射されたウェルスフォードが、余裕のロングスプリントで勝利した。
フィニッシュ手前で踏みやめるほどの圧倒的なスプリント勝利。チームメイトの好アシストを開幕勝利に繋げたウェルスフォードは「今日はプレッシャーを感じていたので、勝てて本当にホッとしたよ。ダニーがかなり早いタイミングで前に出てしまったけれど、素晴らしい働きでフィニッシュ前まで連れていってくれたんだ。どのチームもフレッシュだったのでコントロールがキツく、結果的にリードアウトが早くなった。チームは最初から最後まで完璧な働きをしてくれた。勝利できて本当に嬉しい」と、リーダージャージとポイント賞ジャージに袖を通したウェルスフォードは言う。

リーダージャージに袖を通したサム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
ウェルスフォードはオーストラリアのコンチネンタルチームを渡り歩き、2022年に26歳でワールドチームデビューを飾ったオーストラリア屈指のスプリンター。2024年から現チームに所属し、昨年のパリオリンピックでは男子チームパシュートでオーストラリアチームのメンバーとなり、銅メダル獲得に貢献。爆発力だけではなく最高速を維持する能力にも秀でたスプリンターだ。
最終局面で一気に追い上げたマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)が2位に入り、マシュー・ウォールス(イギリス、グルパマFDJ)が3位。ステージ後半で遅れたゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は3分半遅れでフィニッシュしている。
「第1ステージはスプリンターのコースであり、僕らはリーダー(ルーカス)を安全な位置でポジション取りをすることが絶対条件でした」と言うのは、中継カメラにもアシストぶりが映し出された留目。「途中ボーナスタイムを取りにトレインも組みましたがあんまり上手く行きませんでした。また残り3キロ地点での落車にベロキが巻き込まれたが、怪我なく全員で第2ステージも出走できます。あと5ステージ頑張ります!」と、シクロワイアードの取材に対してコメントを寄せている。


男子UCIワールドツアーの第1戦であり、一足早いロードレースシーズンの訪れを告げるツアー・ダウンアンダーがいよいよ開幕。プロスペクトからガメラチャまで、大きな周回コースを2周する150.7kmコースは冷涼品種ワインのメッカであるアデレード・ヒルズを通過するものの、登坂は長くても2kmほどと華やかな集団スプリント向けレイアウトだ。
ボーナスタイムが懸けられた中間スプリントポイントを2箇所、カテゴリー2級の山岳ポイントを合計3箇所通過する獲得票高1,500mほどの開幕ステージには、昨年よりも鮮やかなジャージに身を包む留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)の姿も。スタートフラッグが振られると同時に逃げを狙うアタックが活性化し、直後に控える山岳ポイント「カンガルークリーク」で3名の逃げグループが形成された。


豪州ナショナルチームのザック・マリッジとファーガス・ブラウニング、そしてバスティアン・トロンション(フランス、デカトロン・AG2Rラモンディアール)が逃げ、トロンションは41km地点の中間スプリントポイントでボーナスタイムを奪ったのちにメイン集団へ。こうして同じナショナルジャージを着るマリッジとブラウニングの2人逃げが始まった。
昨年のツアー・オブ・ジャパンに参戦し、総合6位、新人賞2位と活躍したマリッジは中間スプリントを、昨年までトリニティレーシングで活動したブラウニングは山岳ポイントを分け合う作戦で先行。初日故にリーダーチームがおらず、各チームが変わるがわる先頭交代を行うメイン集団が、じわりじわりと2人のタイム差を削り取りながら距離を減らしていった。
留目も牽引役を担ったメイン集団は、フィニッシュまで22kmというかなり余裕をもったタイミングで2人を飲み込んだ。スプリンターチームが横並びでペースを上げ、世界屈指のワイン産地の真っ只中をハイスピード巡行。豪州ロード王者に輝いたばかりのルーク・ダーブリッジ(ジェイコ・アルウラー)は残り4km地点まで牽引したものの、残り2.5km地点で発生した落車に巻き込まれてしまう。落車分断によって30〜40名程度に小さくなった集団が残り1kmアーチをくぐった。


緩やかな登り勾配がついたフィニッシュ手前区間で猛烈な牽引を行ったのが、昨年大会で区間3勝を挙げ、今年のスプリント最有力候補であるサム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)の最終発射台であるダニー・ファンポッペル(オランダ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)だった。5番目の選手が中切れを起こす強烈なリードアウトから発射されたウェルスフォードが、余裕のロングスプリントで勝利した。
フィニッシュ手前で踏みやめるほどの圧倒的なスプリント勝利。チームメイトの好アシストを開幕勝利に繋げたウェルスフォードは「今日はプレッシャーを感じていたので、勝てて本当にホッとしたよ。ダニーがかなり早いタイミングで前に出てしまったけれど、素晴らしい働きでフィニッシュ前まで連れていってくれたんだ。どのチームもフレッシュだったのでコントロールがキツく、結果的にリードアウトが早くなった。チームは最初から最後まで完璧な働きをしてくれた。勝利できて本当に嬉しい」と、リーダージャージとポイント賞ジャージに袖を通したウェルスフォードは言う。

ウェルスフォードはオーストラリアのコンチネンタルチームを渡り歩き、2022年に26歳でワールドチームデビューを飾ったオーストラリア屈指のスプリンター。2024年から現チームに所属し、昨年のパリオリンピックでは男子チームパシュートでオーストラリアチームのメンバーとなり、銅メダル獲得に貢献。爆発力だけではなく最高速を維持する能力にも秀でたスプリンターだ。
最終局面で一気に追い上げたマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)が2位に入り、マシュー・ウォールス(イギリス、グルパマFDJ)が3位。ステージ後半で遅れたゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は3分半遅れでフィニッシュしている。
「第1ステージはスプリンターのコースであり、僕らはリーダー(ルーカス)を安全な位置でポジション取りをすることが絶対条件でした」と言うのは、中継カメラにもアシストぶりが映し出された留目。「途中ボーナスタイムを取りにトレインも組みましたがあんまり上手く行きませんでした。また残り3キロ地点での落車にベロキが巻き込まれたが、怪我なく全員で第2ステージも出走できます。あと5ステージ頑張ります!」と、シクロワイアードの取材に対してコメントを寄せている。
サントス・ツアー・ダウンアンダー2025第1ステージ
1位 | サム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 3:26:38 |
2位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
3位 | マシュー・ウォールス(イギリス、グルパマFDJ) | |
4位 | ティムトーン・トイテンベルク(ドイツ、リドル・トレック) | |
5位 | ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
6位 | シモン・デヘールス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
7位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | |
8位 | ルイ・オリベイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツXRG) | |
9位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | ジャコポ・モスカ(イタリア、リドル・トレック) |
個人総合成績
1位 | サム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | 3:26:28 |
2位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
3位 | ザック・マリッジ(オーストラリア、オーストラリアナショナルチーム) | |
4位 | マシュー・ウォールス(イギリス、グルパマFDJ) | |
5位 | バスティアン・トロンション(フランス、デカトロン・AG2Rラモンディアール) | |
6位 | ファーガス・ブラウニング(オーストラリア、オーストラリアナショナルチーム) | |
7位 | ヨナタン・ナルバエス(エクアドル、UAEチームエミレーツXRG) | |
8位 | ティムトーン・トイテンベルク(ドイツ、リドル・トレック) | |
9位 | ベン・スウィフト(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | シモン・デヘールス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) |
その他の特別賞
ポイント賞 | サム・ウェルスフォード(オーストラリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) |
山岳賞 | ファーガス・ブラウニング(オーストラリア、オーストラリアナショナルチーム) |
ヤングライダー賞 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) |
チーム総合成績 | アルペシン・ドゥクーニンク |
text:So Isobe
photo:CorVos
photo:CorVos
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