2025年シーズンの開幕を前に、カレブ・ユアン(オーストラリア)のプロフィールがジェイコ・アルウラーの公式ウェブサイトから突如削除された。2025年末まで契約を結んでいたはずのユアンの去就に注目が集まっている。



去就が注目されるカレブ・ユアン(オーストラリア) photo:CorVos

2014年に当時のオリカ・グリーンエッジでプロデビューしたユアンは30歳。2015年ブエルタ・ア・エスパーニャでのステージ優勝を皮切りに勝利を重ね、ロット・スーダル時代の2019年と20年にはツール・ド・フランスで区間5勝をマーク。”ポケットロケット”の異名で世界屈指のスプリンターとしての地位を確立した。

2021年からの成績低迷を経て、2023年10月にジェイコ・アルウラーへの移籍を発表。2024年はジロ・デ・イタリアでの区間優勝こそを逃したものの、ブエルタ・ア・ブルゴスなどでシーズン3勝で復活の兆しを見せていた。

昨年10月のジャパンカップでは、ジェイコ監督のマシュー・ヘイマンが「2025年もユアンとフルーネウェーヘンがエーススプリンターを務める」と明言。しかし、12月のチームトレーニング合宿にユアンの姿はなく、昨年制覇したオーストラリアクリテリウム選手権と、ロード選手権にも出場しなかった。さらに例年参戦していたサントス・ツアー・ダウンアンダーのエントリーからも外れている。

昨年はシーズン3勝を飾ったカレブ・ユアン(オーストラリア) photo:CorVos

一部報道によると、引退したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の代役を欲していたXDSアスタナが、契約途中でのユアン獲得を目指したが交渉は不調に終わったという。

そして現在、最有力な移籍先として浮上しているのがイネオス・グレナディアーズだ。エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)の退団でスプリンター不在となった同チームは、現在27名の選手を抱える。この噂について、ツアー・ダウンアンダーの直前インタビューに応じたゲラント・トーマス(イギリス)は「チームにスプリンターは必要だし、もし本当なら素晴らしいことだと思う」としながらも、「ただし、僕も噂を聞いただけだ」と慎重な姿勢を示した。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos