男子ジロと時を同じく、2025年ジロ・デ・イタリア・ウィメンのコース全貌が明らかになった。ベルガモから東に向かい、その後南下してイモラサーキットを目指す8日間。山頂フィニッシュを3つ含む全ステージを紹介する。



総合優勝者に授与されるジロ・デ・イタリア・ウィメンのトロフィー image:RCS Sport

男子ツール・ド・フランスの開幕翌日である7月6日にスタートする、2025年のジロ・デ・イタリア・ウィメン。出発地点はイタリア北西部に位置するロンバルディア州ベルガモに決定した。そこからイタリア北部を東に向かい、アドリア海に面したイタリア本土の東側を南下。モンテ・ネローネで最終山岳決戦を行ったのち、エミリア=ロマーニャ州イーモラでエンディングを迎える。8日間の総距離は939.6km、総獲得標高差は14,000mだ。

ステージカテゴリー内訳
平坦ステージ:1
丘陵ステージ:4(山頂フィニッシュ1)
山岳ステージ:2(山頂フィニッシュ2)
個人タイムトライアル:1



13.6kmの個人TTで幕開け

1月13日に行われたジロ・デ・イタリア・ウィメンのコースプレゼンテーション image:RCS Sport

ベルガモで行われる初日は13.6kmと比較的短い距離の個人タイムトライアル。コーナーが多いためテクニカルだが、TTスペシャリストか総合勢がマリアローザを手にすることになりそうだ。第2ステージは99kmの丘陵ステージ。しかしフィニッシュラインは3級山岳の頂上に引かれているため、登坂力のあるクライマーかパンチャーが有利となるか。

3日目のスプリンター向きな平坦ステージを挟み、4日目には大会1つ目となる山岳ステージが設定された。選手たちは1級山岳のピアネッツェ(ヴァルドッビアーデネ)の頂上を目指す。そして5日目は一転、大都市ミラノを出発する丘一つない平坦ステージだ。

第4ステージ コースプロフィール image:RCS Sport

ベッラーリア・イジェーア・マリーナをスタートする6日目は、前半にサンマリノ共和国を通過する。その後は3級および4級、またカテゴリーのつかない丘を越えながらフィニッシュ地点であるテッレ・ロヴェレスケを目指す。

山岳最終決戦の場はモンテ・ネローネ

第7ステージ コースプロフィール image:RCS Sport

今大会のクイーンステージとなるのが、7日目の山岳ステージだ。峡谷が作り出す風光明媚な景色のフェルミニャーノを出発後、起伏の激しい丘陵地帯を休むことなく進む。そして最後に待ち受けるは、標高1,395mのモンテ・ネローネ。ここでマリアローザを着用していた選手が、総合優勝を大きく引き寄せることとなる。

大会最終日(第8ステージ)はフォルリをスタートして、28.3kmコースを3周半する138km。その道中には8つの低難易度の丘が設定されているため、最終日であるもののマリアローザ着用者も油断できない。

そしてフィニッシュ地点と表彰式が行われるのは、F1でお馴染みのイモラ・サーキット(正式名称:アウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ)。新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年に急遽スイスから変更となったロード世界選手権の舞台でもある。

第8ステージ コースプロフィール image:RCS Sport

コース発表会に臨んだ前回覇者のエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、UAEチームADQ)は、地元イタリアでの連覇へ意欲を見せた。「ジロ制覇が今季の目標の一つ。コースは私の脚質に合っている」と手応えを示し、最終ステージの舞台となるイモラについて「2020年のロード世界選手権で銅メダルを獲得した思い出の地。あの頃よりもアスリートとして大きく成長したので、今回は更に良い結果を得たい」と決意を語った。
ジロ・デ・イタリア・ウィメン2025ステージリスト
ステージ 日時 スタート〜フィニッシュ 距離
第1ステージ 7月6日(日) ベルガモ〜ベルガモ 13.6km(個人TT)
第2ステージ 7月7日(月) クルゾーネ〜アプリーカ 99km(丘陵/山頂フィニッシュ)
第3ステージ 7月8日(火) ヴェッツァ・ドーリオ〜トレント 124km(丘陵)
第4ステージ 7月9日(水) カステッロ・テジーノ〜ピアネッツェ(ヴァルドッビアーデネ) 156km(山岳/山頂フィニッシュ)
第5ステージ 7月10日(木) ミラノ〜モンセーリチェ 108km(平坦)
第6ステージ 7月11日(金) ベッラーリア・イジェーア・マリーナ〜テッレ・ロヴェレスケ(オルチャーノ・ディ・ペーザロ) 144km(丘陵)
第7ステージ 7月12日(土) フェルミニャーノ〜モンテ・ネローネ 157km(山岳/山頂フィニッシュ)
第8ステージ 7月13日(日) フォルリ〜イモラ 138km(丘陵)
text:Sotaro.Arakawa