今年ツアー・オブ・ジャパンに参戦したセント・パイランが解散を発表した。トリニティレーシングもロード活動を終了したため、これでイギリス籍のコンチネンタルチームが消滅した。



ツアー・オブ・ジャパン第4ステージで優勝したジョシュア・ラドマン(セント・パイラン) photo:Satoru Kato

チームは声明で「タフなシーズンを終え、メディア露出の減少がスポンサー獲得に影響を与えた」とその理由を説明。2025年の活動を見送ることを決定した。

2018年にイギリスのコーンウォール地方で立ち上げられたセント・パイランは、「UCIプロチームへの昇格とツール・ド・フランスへの出場」を目標に掲げてきた。今シーズンは、ジャック・ルーキングレイ(イギリス)がEFエデュケーション・イージーポストでプロデビューを果たし、ツアー・オブ・ジャパン第4ステージではジョシュア・ラドマン(オーストラリア)が逃げ切り勝利を飾るなど、いくつか明るい話題もあった。

約2週間前にトリニティレーシングもロードでの活動終了を発表したことで、イギリス籍のコンチネンタルチームは消滅。イギリスは2004年以来となる空白期間を迎えることとなり、イギリス籍のプロチームは存在しないため、ワールドツアーを走るイネオス・グレナディアーズのみがUCI認証チームとなった。現在、34人のイギリス国籍の選手がワールドチームに所属しているものの、イギリス自転車界は苦境に立たされている。

突然のチーム解散となったセント・パイラン photo:Satoru Kato

過去にアルペシン・フェニックスで走ったアレクサンダー・リチャードソン(イギリス)ら3名は引退を発表しているものの、多くの選手の所属先はいまだ決まっていない。

セント・パイランはプレスリリースに、「2024年は不運や厳しい現実に直面した。これがスタッフ全員にとって難しく、しかし正しい決断であることを信じている」と綴り、また「だが、我々はイギリスで独立したUCIコンチネンタルチームの運営に挑戦した誇りを示した」と締めくくった。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Satoru Kato