マキシム・ファンヒルス(ベルギー)がロット・デスティニーとの契約解除に向け、交渉中であることが明らかになった。同選手は2月のエシュボルン・フランクフルトでワールドツアー初勝利を飾った若手のエース格で、チームと2026年までの契約を結んでいる。



今年のエシュボルン・フランクフルトを制したマキシム・ファンヒルス(ベルギー) photo:CorVos

24歳のファンヒルスは、ロット・デスティニーの下部チームから2021年にトップチームに昇格。2022年ジャパンカップ5位入賞以降、着実に成績を重ね、2023年のツール・ド・フランスでは逃げからステージ2位に入る力を見せた。

今年は待望のワールドツアー初勝利となるエシュボルン・フランクフルトや、ラ・フレーシュ・ワロンヌでの3位入賞など、ロットの若きエースとして大きく飛躍。3月には2026年までの契約更新を発表したばかりだった。

しかしベルギーメディアはファンヒルスが現在、チームと契約解除に向けて交渉中だと報じた。同選手のマネージメント会社であるA&J ALL SPORTSは、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)やヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)など世界トップ選手を擁している。

ストラーデビアンケでは3位入賞を果たしたファンヒルス photo:CorVos

同社に所属するキアン・アイデブルックス(ベルギー)も昨年12月、契約を解除してレッドブル・ボーラ・ハンスグローエからヴィスマ・リースアバイクへ移籍。しかし直後にレッドブルが所有権を主張するなどトラブルがあった。

ファンヒルス移籍の成否は未確定だが、ベルギーの有望株をめぐる争奪戦は必至。一方のロット・デスティニーは2025年シーズンに向け、トーマス・デヘントの引退やヴィクトル・カンペナールツ(共にベルギー)の移籍、パスカル・エインコールン(オランダ)とフロリアン・フェルミールス(ベルギー)の離脱など、主力選手の相次ぐ離脱に直面している。

唯一の即戦力であるルーベン・トンプソン(ニュージーランド、グルパマFDJ)を除き、5名のネオプロが昇格するロット。しかしワールドチームへの昇降格争いではチームランキング9位と、2026年のワールドツアー昇格は濃厚だ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos