ユンボ・ヴィスマへの移籍が発表されたキアン・アイデブルックス(ベルギー)に対し、ボーラ・ハンスグローエが「アイデブルックスは2024年12月31日まで我々と契約を結んでいる」とSNSに投稿した。同選手の代理人は「来年はユンボ所属となる」と伝えるなか、今後の動向が注目される。



ユンボ・ヴィスマへの移籍が発表されたキアン・アイデブルックス(ベルギー) photo:CorVos

来年よりヴィスマ・リースアバイクにチーム名を変更するユンボ・ヴィスマが、キアン・アイデブルックス(ベルギー)の獲得を発表したのは12月9日(日)のこと。チームは2024年1月から2027年末までの4年契約を結んだとプレスリリースを通して明らかにした。

しかしその発表から僅か1時間半後、アイデブルックスが所属するボーラ・ハンスグローエが「キアンはボーラ・ハンスグローエの選手であり、2024年も引き続きボーラ・ハンスグローエのメンバーである。我々は彼と2024年12月31日まで契約を結んでいる」という声明をSNSに投稿した。アイデブルックスはボーラが主張する通り2024年末までの契約を結んでおり、その契約途中でのユンボ移籍となっていた。

この事態を受け、アイデブルックスのマネージメント会社であるA&J ALL SPORTSは「キアン・アイデブルックスとボーラ・ハンスグローエ間の契約は2023年12月1日をもって終了の合意が得られている」というコメントを発表。また「キアンによる法的な手続きが開始されており、UCI(国際自転車競技連合)もこの契約終了を承知している。キアンは係争中である本件の結果に自信を持っており、現時点でこれ以上のコメントは控える。そしてもちろん、キアンは来シーズンからヴィスマ・リースアバイクで走ることとなる」とし、アイデブルックスもこのコメント画像を自らのインスタグラムのストーリーに投稿した。

アイデブルックスは2022年にボーラでプロデビューした20歳で、2022年のツール・ド・ラブニールでは区間2勝と共に総合優勝を飾った若手クライマーだ。プロでは未勝利ながら、今年はボルタ・ア・カタルーニャやツール・ド・ロマンディ、ツール・ド・スイスなどワールドツアーのステージレースを転戦。その全てで総合トップ10に入る実力を見せ、ブエルタ・ア・エスパーニャでグランツール初出場を果たした若手の注目株だ。

本件に関してUCI(国際自転車競技連合)による声明はいまだなく、今後の動向が注目される。

text:Sotaro.Arakawa