新城幸也やワウト・プールスらベテランが退団したバーレーン・ヴィクトリアスが、2025年に臨む30名のロースターを確定させた。ロット・デスティニーからマティス・パースヘンス(オランダ)を獲得し、下部チームから5名が昇格するなど若返りを図った。



今年もジャパンカップにやってきたバーレーン・ヴィクトリアス photo:Makoto AYANO

2017年の創立メンバー最後の1人であった新城幸也が去ったバーレーン・ヴィクトリアス。10月30日(水)にチームは、マティス・パースヘンス(オランダ、ロット・デスティニー)とアフォンソ・エウラリオ(ポルトガル、ABTFベタオ・フェイレンセ)の獲得と、下部チームに所属する2名の昇格を発表。これにて2025年シーズンのロースター30名が揃った。

パースヘンスは2019年にワロニー・ブリュッセル(現ビンゴールWB)でプロデビューした28歳のパンチャー。逃げを得意とし、今年の3月のパリ〜ニースでも山岳ステージで逃げ集団に入った。「チームから信頼される価値ある選手であることを証明したい」とパースヘンスは語っている。

バーレーンの新エースとして期待されるレニー・マルティネス(フランス) photo:CorVos

マテイ・モホリッチ(スロベニア) photo:Yuichiro Hosoda
チームに数少ないスプリンターであるフィル・バウハウス(ドイツ) photo:CorVos


勝利数はコロナ禍だった2020年(9勝)を除き、初年度の2017年(11勝)に迫る13勝(ワールドツアー4勝)と成績が低迷したバーレーン。30勝した2021年を境に年々勝ち星を減らし続けており、昨年ジロ・デ・イタリアで区間2勝、ツール・ド・フランスで3勝、ブエルタ・ア・エスパーニャで1勝を飾ったチームは今年グランツール未勝利に終わった。

そんな立て直しを図るチームは、パースヘンスを除き新加入の8名全員がU23と選手の若返りを実施。その補強の中心になったのは21歳のクライマーであるレニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)で、今年5勝と共にツール初出場を決めた将来のエース候補だ。

来年のチームの中心はペリョ・ビルバオ(スペイン)やマテイ・モホリッチ(スロベニア)がステージレースで区間優勝を狙い、今年ジロでヤングライダー賞に輝いたアントニオ・ティベーリ(イタリア)がマルティネスと共に総合エースを担うことになるだろう。またフィル・バウハウス(ドイツ)のスプリントには新加入のヴラド・ファンメヘレン(ベルギー)とダニエル・スケール(イタリア)が、どれだけ最終局面で力となれるか。それが勝利量産のが鍵となる。
アルペシン・ドゥクーニンク2025年ロースター
ニキアス・アルント(ドイツ)
フィル・バウハウス(ドイツ)
ペリョ・ビルバオ(スペイン)
アルベルト・ブルットメッソ(イタリア)
サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア)
ニコロ・ブラッティ(イタリア)
ダミアーノ・カルーゾ(イタリア)
マテウジュ・ゴヴェカル(スロベニア)
カミル・グラデク(ポーランド)
ジャック・ヘイグ(オーストラリア)
ライナー・ケップリンガー(オーストリア)
フラン・ミホリェヴィッチ(クロアチア)
マテイ・モホリッチ(スロベニア)
アンドレア・パスクアロン(イタリア)
フィンレー・ピカリング(イギリス)
アントニオ・ティベーリ(イタリア)
トースタイン・トレーエン(ノルウェー)
セルジオ・トゥ(台湾)
フレッド・ライト(イギリス)
エドアルド・ザンバニーニ(イタリア)
ロバート・スタナード(オーストラリア)
新加入
レニー・マルティネス(フランス)←グルパマFDJ
マティス・パースヘンス(オランダ)←ロット・デスティニー
ヴラド・ファンメヘレン(ベルギー)←ディベロップメントチームDSMフィルメニッヒ・ポストNL
アフォンソ・エウラリオ(ポルトガル)←ABTFベタオ・フェイレンセ
ダニエル・スケール(イタリア)←CTFヴィクトリアス
オリバー・ストックウェル(イギリス)←CTFヴィクトリアス
ロマン・エルマコフ(ロシア)←CTFヴィクトリアス
マックス・ファンデルメーレン(オランダ)←CTFヴィクトリアス
ザック・エルゼン(スロベニア)←CTFヴィクトリアス
退団選手
新城幸也
ワウト・プールス(オランダ)→アスタナ・カザクスタン
ウーカシュ・ヴィシニオウスキ(ポーランド)
ヨハン・プリースパイタースン(デンマーク)→アルペシン・ドゥクーニンク
アフメド・マダン(バーレーン)
ドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア)
キャメロン・スコット(オーストラリア)
ヤシャ・ズッタリン(ドイツ)→ジェイコ・アルウラー
text:Sotaro.Arakawa