アスタナ・カザクスタンは10月28日(月)、ファウスト・マスナダ(イタリア、スーダル・クイックステップ)の獲得を発表した。同選手は2021年のイル・ロンバルディアで2位に入ったクライマーで、ワールドツアーからの降格に瀕するチームの新戦力として期待される。



2年連続でジャパンカップに出場したファウスト・マスナダ(イタリア) photo:Yuichiro Hosoda

「数週間前に”君は来年アスタナ・カザクスタンへ移籍する”と言われても信じなかっただろう。この機会を与えられ、またリスペクトするチームの一員となることにワクワクしている。ここ2年は困難なシーズンとなり、この移籍は(選手生活を)一度リセットして新たな目標を掲げる完璧な機会となる」と、ファウスト・マスナダ(イタリア、スーダル・クイックステップ)は移籍についてそう語った。

マスナダは2017年にアンドローニ・シデルメク・ボッテキアでプロデビューした30歳のクライマー。2019年に母国最大のレースであるジロ・デ・イタリアで区間優勝を果たし、CCCを経て2020年途中からスーダルに移籍。所属した4年半の間、2021年のイル・ロンバルディアではタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)との一騎打ちスプリントに持ち込み、2位で表彰台に上がった。

2021年のイル・ロンバルディアで2位に入ったファウスト・マスナダ(イタリア) photo:CorVos

「2025年に向けてチームが築く計画は僕を奮い立たせ、早くその成功に貢献したい。チームの首脳陣やこの契約の実現に関わってくれた全ての人に感謝したい。新しいジャージでチームを代表することが楽しみだよ」。そうプレスリリースを締めくくったマスナダは今年、最大の目標であったジロを前にオーバートレーニング症候群により戦線離脱を余儀なくされた。本件についてはインタビュー記事で伝える予定だ。

アスタナのアレクサンドル・ヴィノクロフGMは「ファウストは経験豊富な選手で、ステージレースや山岳ステージ、ワンデークラシックで素晴らしい成績を残している。彼の可能性はこんなものではないと確信している。ここ最近のシーズンは困難に直面しているものの、我々のチームであれば彼の潜在能力を解放させ、高いレベルに戻すことができると信じている」とマスナダへの期待を語った。

今年のツールではマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の最多区間勝記録を更新したアスタナ・カザクスタンだが、プロチーム降格の危機に立たされている photo:CorVos

こちらも別記事にて詳しく伝える予定だが、来る2025年はワールドチームの昇格&降格争いの最終年。そのため2024年シーズンの終了時点で21位につけるアスタナはプロチームへの降格の危機に瀕している。

そんな中アスタナからはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)やミケル・モルコフ(デンマーク)などベテランが引退し、長年エースを務めたアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)がイスラエル・プレミアテックへ移籍。その代わりワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)やディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)などベテランクライマーを補強した。

また他にもセルヒオ・イギータ(コロンビア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)やクレモン・シャンプッサン(フランス、アルケアB&Bホテルズ)など即戦力を獲得。ワールドツアー残留に向け、活躍の計算できるマスナダら経験豊富な選手を集めている。

text:Sotaro.Arakawa
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