今年ツール・ド・フランス・ファムを制したキャニオン・スラムが、セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJスエズ)の獲得を発表した。同選手はツール・ファムで区間優勝したこともある元国内王者で、プロ通算18勝のクライマーだ。



総合リーダージャージを着て最終日に臨むセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ) photo:CorVos

「2025年からキャニオン・スラムの一員になることを楽しみにしている。チームの負けを恐れず積極的なレースをする姿勢が好きで、私のスタイルともマッチする。それはまさに私が目指している選手のタイプだから」と、セシリーウトラップ・ルドヴィグはキャニオン・スラムのプレスリリースでそう語った。契約期間は2026年までの2年間。

女子プロトンの中でも表情豊かで人気の高いルドヴィグは、デンマーク出身の29歳。2020年よりFDJスエズで走り、急坂と得意とするクライマーとしてここまでプロ18勝を飾ってきた。なかでもルドヴィグの名を一躍知らしめたのは、デンマーク王者ジャージを着て臨んだ2022年ツール・ド・フランス・ファムの第3ステージ。マリアンヌ・フォス(オランダ、当時ユンボ・ヴィスマ)を登りスプリントで退け、キャリアハイとなる勝利を掴んだ。

2022年のツール・ファムで勝利を飾ったセシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク) photo:CorVos

今シーズンはツアー・ダウンアンダーで区間1勝し、順調な滑り出しを見せたルドヴィグだったが、2月のオムロープ・ヘットニュースブラットで落車して仙骨を骨折。7月のジロ・デ・イタリア・ウィメンの第4ステージで区間3位に入ったものの、それ以外勝負に絡むことはできなかった。

「2024年は厳しいシーズンとなり、多くの落車や体調不良に悩まされた。それらを乗り越えかつての調子を取り戻したい。そうすれば常にダイナミックなレースをするチームと共に、目標を達成できるだろう」とルドヴィグは意気込みを語った。

キャニオン・スラムは総合エースの1人であるエリーズ・シャベイ(スイス)が来年FDJスエズへ移籍。しかし今年ツール・ファムで総合優勝したカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド)はチームと2026年までの契約を結んでいるため、主要レースでルドヴィグとのコンビネーションが注目される。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos