今季ワールドチームの選手たちと互角の勝負を見せたオールイス・アウラール(ベネズエラ、カハルラル・セグロスRGA)がモビスターに移籍する。同選手は2019年にマトリックスパワータグに所属し、2023年には中央アメリカ王者に輝いた27歳のクライマーだ。



念願のワールドツアー入りを決めたオールイス・アウラール(ベネゼエラ) photo:CorVos

2024年シーズンはここまで8勝、ワールドツアーではジロ・デ・イタリアの1勝のみと不振に陥るモビスター。その救世主としてチームは、2025年の新加入第一号としてオールイス・アウラールの移籍を発表した。チームがベネズエラ出身の選手を迎えるのは、2008年に所属したホセ・ルハノ以来2人目だ。

「正直、ワールドツアーで走る自分の姿を想像していなかった。最初はヨーロッパのプロトンを目指し、目の前の一歩を進むことだけに集中していた。最初の目標であったプロチームにたどり着くことができ、モビスターによる素晴らしいチャンスを得るため、何年にも渡りハードワークと献身を続けてきた。その道程は決して楽なものではなかった」と、アウラールはプレスリリースで自身のキャリアをそう振り返った。

アウラールは2019年をマトリックスパワータグで走った27歳。同年のツアー・オブ・ジャパンでは区間3位に4度入る活躍を見せ、直後のツール・ド・熊野で総合優勝に輝く。その活躍が認められ2020年にプロチームであるカハルラル・セグロスRGAへ移籍し、5年目のシーズンでワールドツアーへのチャンスを掴んだ。

2019年シーズンをマトリックスパワータグで過ごしたオールイス・アウラール(ベネゼエラ) photo:Satoru Kato

今年のアウラールはワールドツアーであるボルタ・ア・カタルーニャやイツリア・バスクカントリーで勝利に迫り、直近のトロフェオ・マッテオッティ(UCI1.1)ではアレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ)とアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザクスタン)をスプリントで下し、今季3勝目を飾った。

「2024年はここまで過去最高のシーズンとなっている。年々走りを大きく改善し続け、ワールドツアーという目標に向け今シーズンは安定したパフォーマンスと成績を残している。(ワールドツアーへの)思いがこれまで以上に努力する原動力となっている」と言うアウラール。「チームが必要とするならば、僕はどんな役割でもこなすつもりだ。だがこれまでの選手キャリアでやってきたように、これからも自分の目標は追い続けたい。そして良いオールラウンダー選手になりたい」と、加入後の目標を語った。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos