ブエルタでログリッチを総合優勝に導いたロジャー・アドリア(スペイン、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がグランプリ・ド・ワロニーで優勝。ギルマイら同じく世界選手権を目指すライバルを退け、キャリアハイとなる勝利を手に入れた。



母国レースで勝利を狙うアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・デスティニー) photo:CorVos

9月18日(水)に行われたグランプリ・ド・ワロニー(UCI1.Pro)はその名の通り、ベルギーの南半分を占めるワロン地域を舞台にしたワンデーレース。7月に開催された5日間のツール・ド・ワロニーと同じく、丘陵地帯を舞台にラストは登坂距離3km/平均勾配4%の勾配を登るレイアウトだ。

202.39kmレースのスタート地点には、ブエルタ・ア・エスパーニャでマイヨプントス(ポイント賞)を獲得したカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)が並ぶ。またロード世界選手権に向かうビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)や、3年連続となるジャパンカップ出場が発表されたアクセル・ジングレ(フランス、コフィディス)の姿もあった。

グレブ・ブルセンスキー(カザフスタン、アスタナ・カザクスタン)を中心に6名が逃げグループを形成し、アルペシン・ドゥクーニンクやロット・デスティニーがメイン集団を先導する。残り31km地点で逃げは捉まり、ひと塊となったプロトンではアタックが勃発。フィニッシュまで14km地点でマッズ・ウルスシュミット(デンマーク、イスラエル・プレミアテック)が飛び出し、反応したゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ)と共に先頭に立った。

レース後半に飛び出したゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・ワンティ)ら2名 photo:CorVos

頂上にフィニッシュの待つ最後の登りに入るとツィマーマンはウルスシュミットを引き離す。プロトンはモビスターからロットにペースメイクが引き継がれ、フラムルージュ(残り1km)を過ぎてツィマーマンを飲み込む。そして勝負は人数の絞られた集団によるスプリントに持ち込まれた。

最終ストレートに突入直後、先んじて踏み始めたのはアレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター)。後続ではマッテオ・トレンティン(イタリア、チューダー・プロサイクリング)が落車するなか、スペイン王者アランブルの背後にロジャー・アドリア(スペイン、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がつく。

そしてタイミングを見計らったアドリアが飛び出し、横に並ぶアランブルを抜き勝利した。

スプリント勝利を飾ったロジャー・アドリア(スペイン、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

「一日を通して調子がよく、脚に力を感じていた。チームの皆がサポートと共に僕を信頼してくれた。その信頼が自信に変わり、良い位置からのスプリントに繋がった。勝つことができて本当に嬉しいよ」と、プロ2勝目を飾ったアドリアは語った。

アドリアはスペイン出身で今年エキポ・ケルンファルマから移籍してきた26歳。ロード世界選手権にはスプリントで争ったアランブルと共に、スペイン代表として出場予定だ。
グランプリ・ド・ワロニー2024結果
1位 ロジャー・アドリア(スペイン、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) 4:41:16
2位 アレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター)
3位 クレモン・シャンプッサン(フランス、アルケアB&Bホテルズ)
4位 ビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ)
5位 リック・プルイマース(オランダ、チューダー・プロサイクリング)
6位 ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ)
7位 クインテン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
8位 ジョセフ・ブラックモア(イギリス、イスラエル・プレミアテック)
9位 アクセル・ジングレ(フランス、コフィディス)
10位 ルイ・コスタ(ポルトガル、EFエデュケーション・イージーポスト)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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