2024/09/09(月) - 13:58
3日間のツール・ド・ロマンディ女子レースをSDワークス・プロタイムが制圧。1級山岳で食い下がったロッタ・コペッキー(ベルギー)が総合優勝、区間1勝のデミ・フォレリング(オランダ)が総合2位に入った。
2024年9月6〜8日までの日程で開催された「ツール・ド・ロマンディ・フェミナン」は、今年で開催3回目を迎えたUCIウィメンズワールドツアー最終戦のステージレース。4月下旬の男子ツール・ド・ロマンディ(6日間)の半分となる3日間スケジュールだが、山頂フィニッシュも含まれる本格的な内容だ。毎年グランツールのリーダージャージを争うオールラウンダーが総合成績争いを繰り広げることで知られ、昨年はデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が総合優勝を果たしている。
今年もフォレリングは世界女王ロッタ・コペッキー(ベルギー)やニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド)といった屈強なメンバーを揃えて参戦。女子プロトンでSDワークスと対等に渡り合うリドル・トレックはクライマーのガイア・レアリーニ(イタリア)と元世界女王エリーザ・バルサモ(イタリア)という2枚看板をこのロマンディに揃えてきた。
9月6日(金)第1ステージ:ラ・グランド・ブローシュ〜ローザンヌ(133.8km)
レマン湖の北岸に位置する都市ローザンヌを目指す開幕ステージは、ヌーシャテル湖との間に横たわる山岳区間を超え、最後は緩斜面の登りフィニッシュ。SDワークスは逃げにメンバーを送り込み、終盤に吸収されてからはリードアウトトレインをコントロール。個人TTの五輪覇者グレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ)も引き戻され、残り400mでアタックしたコペッキーがそのままスプリントを開始した。
世界女王がまた一つ勝ち星を重ねるかと思われたが、その背後に滑り込んだバルサモが最終盤に抜き去り勝利。「最終盤が本当に厳しいコースだと分かっていたので、正直いってどういう展開になるか分からなかった。コペッキーがアタックした時は覚悟を決めてついていき、勝つことができた。待ち侘びていた勝利にやっと手が届いた」と、3月のクラシックレースから1度も勝てていなかったプロトン屈指のスプリンターが復活勝利をマークする形に。
9月7日(土)第2ステージ:シピ〜ヴェルコラン(101.9km)
そのバルサモが黄色いリーダージャージを着て臨んだ2日目は、標高1,319mのスキーリゾート地ヴェルコラン(1級山岳/登坂距離9.6km/平均勾配8.2%)にフィニッシュする難関ステージ。この日はSDワークスが圧倒的なチーム力で他チームを蹴散らした。
メイン集団をコントロールして逃げグループを捉え、そのまま突入した1級山岳ではコペッキーとフォレリング、フィッシャーブラックがハイペースを刻み、唯一食らいついたレアリーニは残り1.2km地点で起死回生のアタックを繰り出したものの失敗。カウンターで飛び出したコペッキーとフォレリングに引き離されてしまった。
チームメイト2人が練習のように争いながら頂上に到達。ハンドルを投げ込む全開スプリントでフォレリングが勝利した。「ヒルクライムはまだ私にとって未知の領域。長い登りのたびに自分自身のテストをしているけれど、今日はずっと良い感じで登れたという発見があった」と、敗れながらも総合首位に立ち、オールラウンダーとして台頭するコペッキーは話している。
9月8日(日)第3ステージ:モルジュ〜モルジュ(144.2km)
雨に濡れた最終第3ステージは激しいアタック合戦で逃げが決まらないまま進行。中盤に入ってフィッシャーブラックとリーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がモビスターやジェイコ・アルウラーが必死に追うメイン集団を21秒差で振り切った。スプリントに長けるマルクスが勝利し、メイン集団の頭で3位フィニッシュしたコペッキーが総合優勝。フォレリングは6秒遅れの2位、さらに逃げ切ったフィッシャーブラックが総合4位まで上げる、まさにSDワークス勢の独壇場で第3回ロマンディ・フェミナンが閉幕した。
「ステージ優勝を逃したことが残念かって?全然そんなことはなくって、デミが昨日チームのために優勝してくれたし、私自身も2位が2回と3位が1回。自分のコンディションの確認という当初の目標よりもずっと良い結果になったので満足している。ヨーロッパ選手権のトレーニングをこなして、3週間後にはチューリッヒで世界選手権。この良い感触のまま選手権に臨みたい」とコペッキーは話している。
2024年9月6〜8日までの日程で開催された「ツール・ド・ロマンディ・フェミナン」は、今年で開催3回目を迎えたUCIウィメンズワールドツアー最終戦のステージレース。4月下旬の男子ツール・ド・ロマンディ(6日間)の半分となる3日間スケジュールだが、山頂フィニッシュも含まれる本格的な内容だ。毎年グランツールのリーダージャージを争うオールラウンダーが総合成績争いを繰り広げることで知られ、昨年はデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が総合優勝を果たしている。
今年もフォレリングは世界女王ロッタ・コペッキー(ベルギー)やニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド)といった屈強なメンバーを揃えて参戦。女子プロトンでSDワークスと対等に渡り合うリドル・トレックはクライマーのガイア・レアリーニ(イタリア)と元世界女王エリーザ・バルサモ(イタリア)という2枚看板をこのロマンディに揃えてきた。
9月6日(金)第1ステージ:ラ・グランド・ブローシュ〜ローザンヌ(133.8km)
レマン湖の北岸に位置する都市ローザンヌを目指す開幕ステージは、ヌーシャテル湖との間に横たわる山岳区間を超え、最後は緩斜面の登りフィニッシュ。SDワークスは逃げにメンバーを送り込み、終盤に吸収されてからはリードアウトトレインをコントロール。個人TTの五輪覇者グレース・ブラウン(オーストラリア、FDJスエズ)も引き戻され、残り400mでアタックしたコペッキーがそのままスプリントを開始した。
世界女王がまた一つ勝ち星を重ねるかと思われたが、その背後に滑り込んだバルサモが最終盤に抜き去り勝利。「最終盤が本当に厳しいコースだと分かっていたので、正直いってどういう展開になるか分からなかった。コペッキーがアタックした時は覚悟を決めてついていき、勝つことができた。待ち侘びていた勝利にやっと手が届いた」と、3月のクラシックレースから1度も勝てていなかったプロトン屈指のスプリンターが復活勝利をマークする形に。
9月7日(土)第2ステージ:シピ〜ヴェルコラン(101.9km)
そのバルサモが黄色いリーダージャージを着て臨んだ2日目は、標高1,319mのスキーリゾート地ヴェルコラン(1級山岳/登坂距離9.6km/平均勾配8.2%)にフィニッシュする難関ステージ。この日はSDワークスが圧倒的なチーム力で他チームを蹴散らした。
メイン集団をコントロールして逃げグループを捉え、そのまま突入した1級山岳ではコペッキーとフォレリング、フィッシャーブラックがハイペースを刻み、唯一食らいついたレアリーニは残り1.2km地点で起死回生のアタックを繰り出したものの失敗。カウンターで飛び出したコペッキーとフォレリングに引き離されてしまった。
チームメイト2人が練習のように争いながら頂上に到達。ハンドルを投げ込む全開スプリントでフォレリングが勝利した。「ヒルクライムはまだ私にとって未知の領域。長い登りのたびに自分自身のテストをしているけれど、今日はずっと良い感じで登れたという発見があった」と、敗れながらも総合首位に立ち、オールラウンダーとして台頭するコペッキーは話している。
9月8日(日)第3ステージ:モルジュ〜モルジュ(144.2km)
雨に濡れた最終第3ステージは激しいアタック合戦で逃げが決まらないまま進行。中盤に入ってフィッシャーブラックとリーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がモビスターやジェイコ・アルウラーが必死に追うメイン集団を21秒差で振り切った。スプリントに長けるマルクスが勝利し、メイン集団の頭で3位フィニッシュしたコペッキーが総合優勝。フォレリングは6秒遅れの2位、さらに逃げ切ったフィッシャーブラックが総合4位まで上げる、まさにSDワークス勢の独壇場で第3回ロマンディ・フェミナンが閉幕した。
「ステージ優勝を逃したことが残念かって?全然そんなことはなくって、デミが昨日チームのために優勝してくれたし、私自身も2位が2回と3位が1回。自分のコンディションの確認という当初の目標よりもずっと良い結果になったので満足している。ヨーロッパ選手権のトレーニングをこなして、3週間後にはチューリッヒで世界選手権。この良い感触のまま選手権に臨みたい」とコペッキーは話している。
9月7日(土)第2ステージ:シピ〜ヴェルコラン(101.9km)結果
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | 2:50:17 | |
2位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | ||
3位 | ガイア・レアリーニ(イタリア、リドル・トレック) | +0:34 | |
4位 | マビ・ガルシア(スペイン、ジェイコ・アルウラー) | +0:49 | |
5位 | ジュリエット・ラブース(フランス、dsmフェルミニッヒ・ポストNL) | +0:54 |
9月8日(日)第3ステージ:モルジュ〜モルジュ(144.2km)結果
1位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | 3:38:44 |
2位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム) | |
3位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | +0:21 |
4位 | ノエミ・リュエッグ(スイス、スイスナショナルチーム) | |
5位 | カミラ・ガスパリーニ(イタリア、UAEチームADQ) |
9月6日(金)第1ステージ:ラ・グランド・ブローシュ〜ローザンヌ(133.8km)結果
1位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) | 3:29:15 |
2位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | |
3位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | |
4位 | ノエミ・リュエッグ(スイス、スイスナショナルチーム) | |
5位 | マビ・ガルシア(スペイン、ジェイコ・アルウラー) |
個人総合成績
1位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | 9:58:21 |
2位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:06 |
3位 | ガイア・レアリーニ(イタリア、リドル・トレック) | +0:46 |
4位 | ニアム・フィッシャーブラック(ニュージーランド、SDワークス・プロタイム) | +0:51 |
5位 | マビ・ガルシア(スペイン、ジェイコ・アルウラー) | +1:05 |
text:So Isobe
photo:Tour de Romandie
photo:Tour de Romandie
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