終盤に落車が連続したツール・ド・ポローニュ第4ステージ。集団スプリントでオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)がライバルたちを退け、5月のジロ・デ・イタリア以来となる勝利を手に入れた。



143名の選手たちがスタートを切る photo:CorVos

7日間で争われるツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)の第4ステージは、今大会の最長距離である195.3kmの平坦ステージ。前半に2つの登りが登場するものの、それ以降はフィニッシュ地点のプルドニクまで平坦路が続くため、大会最初の集団スプリントが予想された。

この日逃げを打ったのは山岳賞ジャージを着るミハウ・パルタ(ポーランド・ナショナルチーム)とシュモン・サイノク(ポーランド、Q36.5プロサイクリング)の2名。パルタは狙い通りこの日唯一の2級山岳をトップ通過し、山岳賞ランキングのリードを拡大。その後プロトンに戻った2名と入れ替わるように、21歳のカクパー・ギエリク(ポーランド・ナショナルチーム)が単独先頭に立った。

逃げを打ったシュモン・サイノク(ポーランド、Q36.5プロサイクリング)とミハウ・パルタ(ポーランド・ナショナルチーム)の2人 photo:CorVos

逃げを捉え、スプリントに備えるプロトンでは落車が連続して起こった photo:CorVos

そのギエリクも残り41km地点でメイン集団に捉えられ、2日目勝者のティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ)やフレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス)がアタックするシーンも。しかしいずれも決まらず、残り27km地点でキャメロン・ワーフ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)や4名を含む落車が発生する。また残り21kmではシルヴァン・ディリエ(スイス、アルペシン・ドゥクーニンク)ら10名が巻き込まれる落車が起こり、混沌とする雰囲気のなか予想通り集団スプリントが幕開けた。

集団先頭でトレインを並べ最終ストレートに入ったのはリドル・トレック。その最後尾につくマッズ・ピーダスン(デンマーク)がスプリント開始のタイミングを伺い、残り200mから踏み込む。ピッタリと背後についたオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)が残り100mでピーダスンに並び、フィニッシュラインの手前で抜き去った。

3年連続の勝利を飾ったオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

ポローニュで3年連続となるステージ優勝を飾ったコーイ。「ここで再び勝利することができてとても嬉しい。厳しかったステージを越え、今日が勝つチャンスだと分かっていた。最後は緊張したが、ラスト1kmから完璧な位置を取ることができた」と、5月のジロ・デ・イタリア第9ステージ以来となる勝利をコーイは喜んだ。

2位にはフィニッシュ直前で失速したピーダスンを抜き、サム・ベネット(アイルランド、デカトロンAG2Rラモンディアル)が2位。終盤の落車で足止めされたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)はチームメイトのアシストもあり無事トップと同タイムでフィニッシュ。総合リーダージャージを守っている。

翌日の第5ステージも平坦ステージのため、2日連続の集団スプリントが予想される。

表彰式で勝利を喜ぶオラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) photo:Tour de Pologne

ツール・ド・ポローニュ2024第4ステージ
1位 オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) 4:46:20
2位 サム・ベネット(アイルランド、デカトロンAG2Rラモンディアル)
3位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)
4位 ヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
5位 ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
6位 スタニスワフ・アニオコウスキ(ポーランド、コフィディス)
7位 ヘルベン・テイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ)
8位 アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チューダー・プロサイクリング)
9位 イェンセン・プロウライト(オーストリア、アルペシン・ドゥクーニンク)
10位 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)
個人総合成績
1位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) 12:51:08
2位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) +0:19
3位 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) +0:20
4位 ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ) +0:33
5位 マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) +0:37
6位 マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:44
7位 エドアルド・ザンバニーニ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
8位 ヤニス・ヴォワザール(スイス、チューダー・プロサイクリング) +0:49
9位 ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
10位 フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツ) +0:50
その他の特別賞
ポイント賞 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
山岳賞 ミハウ・パルタ(ポーランド・ナショナルチーム)
チーム総合成績 UAEチームエミレーツ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos