梅雨の時期も力強く自転車に乗る方にぴったりなSKSのフェンダー”RACEBLADE PRO XL”。ライダーや自転車を水飛沫から守ることはもちろん、ロードバイクのルックスを崩さない洗練されたデザイン、簡単な取り付け方法、走行中にズレない安心感を備えたマッドガードを紹介しよう。



SKS RACEBLADE PRO XL(フロント)

SKS RACEBLADE PRO XL(リア)

今年もサイクリストの天敵、梅雨の季節がやってきた。この数年通勤で片道20kmのライドを楽しむ?シクロワイアード編集部の藤原にとっては鬱々しい時期だ。雨の合間を縫って自転車に跨ってみるはいいものの、濡れた路面を転がるタイヤは容赦なく水飛沫と土を跳ね上げ、自転車と体に容赦なく汚れを叩きつける。気持ちが良いものではない。

個人的には雨の中のライドは嫌いではないのだが、ライド後の後処理がとても苦手。帰宅後に自転車を拭き上げ、チェーンが錆びないように気をつける。そして、びしょびしょの状態で家に上がれば廊下は十中八九濡れており、拭く作業が待っている。着用していた衣服に砂が付着していれば、予洗いしてから洗濯機を回す。これをさっさとシャワーを浴びたい気持ちを抑え、十数分は作業を行う。必要な行程を説明するだけでも、これだけの文字数を要する。

そんなことを考えていたらSKSのロードバイク用フェンダーを借りる機会が転がりこんできて、早速どしゃ降りの雨が去った後の十分に路面が濡れた日にテストを行った。そして、初フェンダーの試用を経て見えたのは光だった。

フラップが水飛沫を抑えていることがわかる

フェンダーを装着して走行すれば、シューズ、ソックス、ボトムスに水がほとんどかからない。そして、リアも簡易フェンダーを圧倒するプロテクション性でボトムス、背中、バックパックもドライな状態をキープ。これだけでも雨上がりに自転車を走るライダーにとっては非常にアドバンテージだ。

今回のテストではライド途中にあえてフェンダーを外してみて、その効果の真偽を確かめてみた。フェンダーレスの状態では瞬く間にシューズに水は染み込み、脛、太ももは完全にびしょびしょ。

フラップが水飛沫を効果的にカットしてくれる

雨の日に活躍してくれるSKSのRACEBLADE PRO XL

雨が降っていない状況かつ短時間での結果であることを考えると、フェンダーがプロテクトしてきた水量は多く、その勢いも強かったということだろう。靴が濡れる=チェーンやボトムブラケットにも同様の水飛沫、砂の跳ね上げがかかっているということ。チェーンオイルと砂が混じるとパーツへのダメージが高くなるため、チェーンの消耗を考慮する方はぜひフェンダーを導入しておきたい。

さらにフェンダーを装着することで、自転車に付着する汚れを最小限に抑えられることが大きな魅力。サドルレールなど汚れを落としにくい部分が汚れにくいというだけで、フェンダーを導入する価値はあり。

装着はラバーバンドで行う(余った部分はハサミでカット可能)

マウント部分はエアロチューブにも対応している

今回試したRACEBLADE PRO XLは、ラバーバンドで固定するタイプのフェンダーかつ、マウント部分がエアロチューブに適した形状となっている。作業は非常に簡単に行えるため、必要に応じてフェンダーの着脱が可能。

セッティングについては六角レンチを使いステーの角度と長さを調節する。ロードバイクの洗練されたルックスを崩さないためには、フェンダーとタイヤの距離を近づけたいため、細かく取り付け位置を決めるのもありだ。工具なしだからこそ、気軽にポジション変更を行えるのは嬉しい。

フロントのクリアランスはチェックしたほうが良さそうだ

取り付ける際に気をつけたいのはフロントフェンダーとダウンチューブの距離。近年のエアロロードは空気抵抗を低減するためにフロントタイヤとダウンチューブの距離を近づける傾向にあるため、装備が難しい車体が存在する可能性もある。今回はスペシャライズドのAethosに装着したのだが、エアロではないもののクリアランスはギリギリだった。可能であれば装着前に確認したほうが良さそう。

クリアランスがシビアな場合ハンドルを大きく切った時につま先と当たることもある。もしフェンダーがズレてしまっても工具無しで再調整できるので、少しだけ調整するだけでリカバリー可能だ。フェンダー部分が樹脂製のため、つま先に当たってしまっても変形する心配も少ない。

ローバイクのルックスに馴染むSKS RACEBLADE PRO XL

またRACEBLADE PROはヨーロッパの石畳での走行も考慮した設計が行われているため、今回のテストで荒れた場所を走行してもフェンダー自体がズレることはなかった。その信頼性と泥よけとしての機能は、どのようなシチュエーションでも走行するアグレッシブなライダーの味方となってくれる。

今回テストしたRACEBLADR PROはXLサイズで、25〜32Cまでに対応するモデル。実測30mのタイヤでちょうど良いのもスペック通りのため、現在の主力となっているロードタイヤであれば、このモデルで最適。ノーマルサイズは25Cまでなので、リムブレーキのバイクに乗っている方などにおすすめだ。

ロードバイクにぴったりなSKS RACEBLADE PRO XL



SKS RACEBLADE PRO XL
対応サイズ:700C(25~32Cまで)
フロントフェンダー全長:565mm
リアフェンダー全長:730mm
重量:365g
カラー:ブラック、ブラックマット
価格:10,560円(税込)

SKS RACEBLADE PRO
対応サイズ:700C(25Cまで)
フロントフェンダー全長:519mm
リアフェンダー全長:680mm
重量:355g
カラー:ブラック、ブラックマット
価格:10,560円(税込)

text:Gakuto Fujiwara

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