男子レースと同日の4月10日、アルデンヌクラシックの前哨戦であるブラバンツ・ペイル女子が行われた。レースは残り7.9kmでエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)がフォレリングを引き離し、初優勝を飾った。



コリン・ラベッキ(アメリカ、EFエデュケーション・キャノンデール)ら4名が逃げたブラバンツ・ペイル女子 photo:CorVos

パリ〜ルーベを終えたUCIウィメンズワールドツアーは、男子と同じくアムステルゴールドレースとラ・フレーシュ・ワロンヌ、そしてリエージュ〜バストーニュ〜リエージュの「アルデンヌ3連戦」に向かう。4月10日(水)はその前哨戦であるブラバンツ・ペイル(UCI.Pro)が開催。そして今大会もSDワークス・プロタイムとリドル・トレックが激突した。

134.9kmのコース後半は短い急坂と石畳を含むコースを4周するレイアウトで、このアルデンヌクラシックの脚ならしに相応しいレースにはデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)やエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)が出場。また水谷壮宏監督が率いるコフィディス・ウィメンは、昨年の女子ジュニア世界王者で19歳のジュリー・ベゴ(フランス、コフィディス・ウィメン)をエースに据えた。

フォレリングのアタックに追従するロンゴボルギーニ photo:CorVos

今年ヴィスマ・リースアバイクから移籍したコリン・ラベッキ(アメリカ、EFエデュケーション・キャノンデール)を含む逃げグループは4名。最大で4分弱のリードを許したメイン集団から、残り65km地点でフォレリングが早くも仕掛ける。しかしこれは決め手に欠き、残り30km地点でフォレリングが再度アタック。それに唯一ロンゴボルギーニが追従した。

イタリア王者とオランダ王者の2人はすぐさま逃げ集団を捉え、先頭は6名に。そして残り距離が7.9km地点で今度はロンゴボルギーニが動いた。

10日前にロンド・ファン・フラーンデレンを制したロンゴボルギーニは、独走態勢に入るとフォレリングとの差を拡げていく。そして懸命に追いかけるフォレリングを振り切ったロンゴボルギーニが、そのままフィニッシュラインに到達した。

独走でフィニッシュしたエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) photo:CorVos

「ロンドと同じく、チームとして良い走りができた。デミ(フォレリング)はとても強く、良いレースをした。しかし今日は私の方が強く、明日は彼女の方が強いかもしれない」と相手を称えたロンゴボルギーニ。また今後については「この冬に立てた一番の目標はリエージュ。そこに向けてトレーニングに励んできた」と話した。

41秒遅れでフィニッシュしたフォレリングは2年連続の2位。「昨年も2位だったが、その後はアルデンヌクラシックで完全優勝を果たした。私の状態は上がってきているので、最低でも一つは勝ちたい」と悔しさと共に、意気込みを語っている。

プラバンツ・ベイル女子2024表彰台:2位フォレリング、1位ロンゴボルギーニ、3位マンリー photo:CorVos
プラバンツ・ベイル女子2024結果
1位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) 3:26:18
2位 デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) +0:41
3位 アレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) +1:06
4位 フェムケ・ヘリッツェ(オランダ、SDワークス・プロタイム)
5位 シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック)
6位 アムベル・クラーク(オランダ、FDJスエズ)
7位 エレオノラ・チアボッコ(イタリア、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)
8位 ジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)
9位 ヤラ・カステレイン(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)
10位 マーゴット・ファンパッテンベーク(ベルギー、フォルカーヴェッセルス・ウィメンズプロサイクリングチーム)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos