ボーラ・ハンスグローエは1月29日、大手飲料メーカーであるレッドブルとのパートナーシップ締結を発表した。レッドブルは今年の1月初旬にボーラの運営会社の筆頭株主となったことが明らかとなり、正式発表が待たれていた。



レッドブルとのパートナーシップ締結を発表したボーラ・ハンスグローエ photo:CorVos

「レッドブルとの正式なパートナーシップ締結という本日の決断によって、我々は重要なハードルをクリアすることができた。この発表は(レッドブルとの)正式な手続きと具体的なコラボレーションを進めていく上で、我々が待っていた青信号だ」と公式リリースで語ったのは、ボーラ・ハンスグローエの代表を務めるラルフ・デンク氏だ。

今年の1月2日、オーストリアのレッドブル社がボーラ・ハンスグローエを運営するRDプロサイクリング及びRDべタイリゴンの株式を51%取得したことが明らかとなった。直後にチームはプレスリリースを通して「レッドブルとのパートナーシップを目指している」と認めたものの、「オーストリア連邦競争委員会の審査中のためこれ以上のコメントは差し控える」としていた。

レッドブルから個人スポンサーを受けているアントン・パルツァー(ドイツ) photo:BORA - hansgrohe

そしてこの度レッドブルとの正式なパートナーシップを発表したボーラ。デンク氏は「成功には基礎と準備が必要であることは、自転車界の人たちなら誰しも知っている。決意と考慮を持って(レッドブルとのコラボレーションを)進めていく。今後のパートナーシップにおける詳細については、シーズン中に明らかにしていく予定だ」と今回のプレスリリースを締めくくった。

レッドブルはプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)の獲得にも資金面で協力したと言われており、チームには個人スポンサーを受けるアントン・パルツァー(ドイツ)が在籍。またチームは「レッドブル・ジュニアブラザース」という若手発掘プログラムを行うなど、以前からの関係性は強い。

バックステッドがレッドブルアスリートの一員に

シクロクロスヨーロッパ選手権の女子U23を制したゾーイ・バックステッド(イギリス) photo:CorVos

そのレッドブルは今年の1月26日、キャニオン・スラムに所属するゾーイ・バックステッド(イギリス)との個人スポンサーシップを発表。バックステッドはレッドブルのロゴがあしらわれたヘルメットとレッドブルの缶が入った箱を手にした写真を自身のSNSに投稿。その箱には「レッドブルファミリーにようこそ」とレッドブルからのメッセージが入っていた。

バックステッドは昨年のヨーロッパ選手権女子U23個人タイムトライアルを制した19歳。いまだプロ(女子エリート)での勝利はないものの、2022年のロード世界選手権では女子ジュニアロードを2連覇(21、22年)、また個人TTも制して2冠を達成した。更にバックステッドはシクロクロスでも活躍しており、昨年の世界選手権女子U23では2位、昨年の11月に行われたヨーロッパ選手権ではU23の王者に輝くなど、若手の注目株だ。

今後は同じく競技を超えて活躍するワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)やトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)らと同じく、レッドブルのヘルメットを被りレースを走る。

text:Sotaro.Arakawa