大手飲料メーカーのレッドブルが、ボーラ・ハンスグローエの運営会社の株を51%取得したことが明らかになった。同社は現在ワウト・ファンアールトやトーマス・ピドコックなどオフロードで活躍する選手をスポンサードしており、今後はロードレースでの影響力拡大を狙う。



レッドブルの個人スポンサーを受けているアントン・パルツァー(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

オーストリア連邦競争委員会(公正取引委員会)は1月2日、同国のレッドブル社がボーラ・ハンスグローエを運営するRDプロサイクリング及びRDべタイリゴンの株式を51%取得したことを報告した。ボーラはその翌日にプレスリリースを発表し、その事実を認めた。

RDプロサイクリング及びRDべタイリゴンは、チーム代表であるラルフ・デンク氏が運営する会社。チームは「レッドブルはロードレースへの関与を拡大する計画として、ボーラ・ハンスグローエとのパートナーシップを目指している」とコメントし、「オーストリア連邦競争委員会の審査中のため、これ以上のコメントは差し控える」とした。

長らくレッドブルのスポンサードを受けているファンアールト photo:CorVos

ユンボ・ヴィスマ(今年からヴィスマ・リースアバイク)との契約が残っていたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)の獲得に、資金的な協力を行ったと言われるレッドブル。自転車競技ではこれまでオフロードに注力しており、共にマウンテンバイクとシクロクロスで活躍するトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と女子のカタブランカ・ヴァシュ(ハンガリー、SDワークス)の個人スポンサーを務め、またワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)もレッドブルのヘルメットを着用することで知られている。

更にボーラ所属でスキーマウンテニアリング(登山スキー)とマウンテンランニングから転身したアントン・パルツァー(ドイツ)の個人スポンサーであるレッドブル。ボーラとは以前から関係性は強く、「レッドブル・ジュニアブラザース」という若手発掘プログラムを行っている。

現在のところ今後のチーム名や運営状況など、詳しいことについては明らかになっていない。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos