JBCF(一般社団法人 日本実業団自転車競技連盟)は、2024年のJプロツアーに参戦するチームを発表。2023年から継続する14チームと、ジャパンサイクルリーグ(JCL)に参戦していた6チームを含む8チームが新たに加わり、計22チームとなることを明らかにした。これまでの経緯をあわせて振り返る。



22チームが参戦することになる2024年のJプロツアー(写真は2020年) photo:Satoru Kato

JBCFはプレスリリースと公式サイトにて、2024年のJプロツアーに参戦する22チームを発表した。今シーズン年間首位となったシマノレーシングをはじめとする14チームが継続。2022年から参戦していた台湾のブライトンレーシングの名前は残念ながら含まれていない。

2023総合優勝したシマノレーシング photo:Satoru Kato
2024年発足するヴェロリアン松山の発表会の模様 ©︎株式会社サイクルドリームプラス


新たに加わるチームは、愛媛県松山市を拠点に新たに発足する「ヴェロリアン松山」と、「Team Cyclers SNEL」の2チーム。さらにJCLに参戦していた6チームが「出戻り」する。

チーム一覧は以下の通り。
Jプロツアー2024 参戦チーム
シマノレーシング キナンレーシングチーム
チームブリヂストンサイクリング マトリックスパワータグ
愛三工業レーシングチーム 群馬グリフィンレーシングチーム
弱虫ペダルサイクリングチーム シエルブルー鹿屋
イナーメ信濃山形 アヴニールサイクリング山梨
備後しまなみeNShare ベルマーレレーシングチーム
稲城FIETS クラスアクト 京都産業大学
ヴェロリアン松山(新) さいたま那須サンブレーブ※
宇都宮ブリッツェン※ ヴィクトワール広島※
Team Cyclers SNEL(新) スパークルおおいたレーシングチーム※
レバンテフジ静岡※ VC福岡※
(新)2024年新規チーム ※2023年JCL参戦チーム

以下JBCFのプレスリリースより抜粋。

「この度、2024年の大きな飛躍に向け、8チームからの新たなJプロツアー加盟申請を承認いたしました。これにより、全22チーム、約200人の選手がJプロツアーの舞台に挑みます。選手たちの情熱と才能が、国内の多くのサイクルスポーツファンの皆様に新たな感動を届けることになると期待しています。

2024年Jプロツアーは約200名の大集団が戻ってくる(写真は2020年) photo:Satoru Kato

本連盟は、多くの地域密着型チームが本連盟への加盟登録を選択されたことを特に歓迎しております。この度の地域密着型チームの参加により、全国に広がるチームネットワークが構築され、より多くの地域で魅力的な競技開催が可能となるよう、全ての加盟登録チームおよび各地の関係者の皆様との連携を図って参ります。

本連盟は2024年を「連携と挑戦の年」と位置付け、JCF、加盟登録チーム、地域自転車競技連盟、本連盟の更なる連携を目指します。地域社会、企業、そして何よりもファンの皆様との関係を深め、国内ロードレースの発展を加速します」

2024年のJプロツアーは、2月24日に鹿児島県で開幕する。



国内ロードレース4シーズンぶりの事実上統合へ

2021年 華やかにスタートしたジャパンサイクルリーグだったが・・・ photo:Makoto.AYANO

JプロツアーとJCL、二分されることが決定的となった2020年末、JBCFの安原理事長は「腹が立たないわけではない」と、怒りを隠さなかった。その一方で「やるからには潰れないで欲しいし、なんとか一緒に出来ないかと思っている」とも述べていた(参照:東京都内で行われたJBCF年間表彰式 JCLについて安原理事長語る)。

2022年のシーズン前には一本化を目指す交渉が始められるとの発表があり、JプロツアーのマトリックスパワータグがJCLへ、JCLのキナンレーシングチームがJプロツアーのレースに参戦することが決まった。しかしその後は統合に向けての協議は進展がなく、交渉は打ち切られたという。2023年はキナンレーシングチームがJプロツアーとJCL双方に参戦する一方、マトリックスパワータグのJCL参戦は無く、JCLチームリストからも名前が消えていた。

現時点でJCL側からは何の発表もないが、JCLに参戦していた全てのチーム(JCLチーム右京はJCL参戦チームではない)がJプロツアーに復帰することで、2024年は4シーズンぶりに国内ロードレースのトップリーグが統合されると見て良いだろう。まずは今回の決定を歓迎したい。

text:Satoru Kato