JBCFロードシリーズ2020年間アワードが東京都内で執り行われ、各クラスタの総合優勝選手とチームが表彰された。表彰式終了後、先日発表された「ジャパンサイクルリーグ」について、JBCF理事長の安原氏に話を聞いた。




JBCF(一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟)が主催するJBCFロードシリーズ。新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けた今年は7月に「東日本ロードクラシック」で開幕し、10月に山口県で開催された「しゅうなんクリテリウム」をもって閉幕した。

各クラスタの年間総合優勝の表彰式となる「2020年年間アワード」は、本来ならサイクルモードのステージで行われるが、サイクルモードが中止となったことや、コロナ禍の情勢を踏まえ、東京都内の自転車文化センターで執り行われ、動画配信での公開となった。

表彰対象者は以下の通り。

Jプロツアー

個人総合優勝 レオネル・アレクサンダー・キンテロ・アートアーガ(マトリックスパワータグ )
個人総合2位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ )
個人総合3位 大前 翔(愛三工業レーシングチーム)
U23個人総合優勝 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
団体総合優勝 マトリックスパワータグ

2020年Jプロツアー個人総合優勝のレオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ、右)と、U23個人総合優勝の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)2020年Jプロツアー個人総合優勝のレオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ、右)と、U23個人総合優勝の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoru Kato
Jプロツアー個人総合2位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ )Jプロツアー個人総合2位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ ) photo:Satoru KatoJプロツアー個人総合3位 大前翔(愛三工業レーシングチーム)Jプロツアー個人総合3位 大前翔(愛三工業レーシングチーム) photo:Satoru Kato

Jプロツアー団体総合優勝 マトリックスパワータグ Jプロツアー団体総合優勝 マトリックスパワータグ photo:Satoru Kato
安原理事長と肘タッチをする大前翔(愛三工業レーシングチーム)安原理事長と肘タッチをする大前翔(愛三工業レーシングチーム) photo:Satoru Kato記念撮影前に袖の「力」の文字を見えるようにする記念撮影前に袖の「力」の文字を見えるようにする photo:Satoru Kato

Jフェミニンツアー

個人総合優勝 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)

Jエリートツアー

個人総合優勝 東 優仁(VC福岡(エリート)
団体総合優勝 ALL OUT reric
クリテリウム ランキング優勝 東 優仁(VC福岡(エリート)
マスターズランキング優勝 松井大悟(イナーメ信濃山形)

Jユースツアー

個人総合優勝 神村泰輝(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)

Jフェミニンツアー総合優勝 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)Jフェミニンツアー総合優勝 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) photo:Satoru KatoJエリートツアー総合優勝 東優仁(VC福岡エリート)Jエリートツアー総合優勝 東優仁(VC福岡エリート) photo:Satoru Kato

Jエリートツアー団体総合優勝 ALL OUT rericJエリートツアー団体総合優勝 ALL OUT reric photo:Satoru KatoJユースツアー個人総合優勝 神村泰輝(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)Jユースツアー個人総合優勝 神村泰輝(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ) photo:Satoru Kato

Jプロツアー総合優勝のキンテロをはじめ、残念ながら欠席となった選手も少なくなかったが、代わりにビデオメッセージが公開された(JBCFアワードの模様と、Jプロツアーオンラインミーティングはこの記事最下部のYouTubeリンクで)。

安原昌弘JBCF理事長安原昌弘JBCF理事長 photo:Satoru KatoJBCFの安原理事長は、「ひょっとしたら今年1年スポーツイベントが開催されないのではないかという状況の中で、JBCFが先陣を切ってレースを開催することで他のイベントのお手本にしていきたいという思いもあり、7月から開催に踏み切りました。新型コロナウィルス感染の報告もなく、無事終えることができたのは、ひとえに皆さんのおかげだと思っております」と、混迷のシーズンを振り返った。

また、宇都宮ブリッツェンの増田成幸が東京五輪代表に内定したことに触れ、「来年は原点回帰として、継続、拡大、向上を基本方針として、Jプロツアーが日本のトップカテゴリーとしてその価値を高め、五輪代表や世界選手権代表となる選手がJプロツアーで活躍した選手の中から輩出出来るように頑張っていきたい」と、今後の目標を語った。



まず、先日の「ジャパンサイクルリーグ(以下JCL)」の発表記事の中で、「Jプロツアーに代わる新リーグ」と表記したことについて、多くの方々に誤解を与えたことお詫び申し上げる。

来年はJプロツアーとJCLという2つのロードレースシリーズ戦が存在することになり、現状ではそれぞれが別々のレースを開催することになる。安原氏によれば、現在双方の主催者同士で調整を進めているという。JBCF理事長として、チーム監督として、安原氏はどのように考えているのか?

JBCF理事長として、調整に奔走しているという安原氏(写真右)JBCF理事長として、調整に奔走しているという安原氏(写真右) photo:Satoru Kato「なんとか一緒に出来ないかと思っている」

「やろうとしてることは素晴らしいと思う。マトリックスパワータグとしてJCLに誘われたし、いい話だから最初はちょっと考えた。でも、本格的なプロリーグとして何年か後には花を咲かせるかもしれないが、それまでの間選手はどうするのか?そうなるまで何年かかるのか?。2、3年かけてうまく行けば良いかもしれないが、選手にとっての2、3年は大きい。人生100年時代と言われるけれど、選手はそうじゃない」

アワード終了後、自転車メディアに囲まれた安原理事長は、JCLについて聞かれるとそう切り出した。

「JCLチェアマンの片山さんは、JBCF理事長をやってた昨年まで新リーグを立ち上げようとしていた。プロリーグが出来ること自体は大賛成。でも、競技者数が多いところならともかく、ただでさえ少ないところを割ってどうするのかと。サッカーのJリーグだって最初はマイナーだったとは言うけれど、それは野球に比べたらの話。競技者数が自転車の比じゃない。

国内ロードレースはどこに向かうのか国内ロードレースはどこに向かうのか photo:Satoru Kato他のマイナースポーツを見ても、世界で活躍したり、メダルを取ることで世間からクローズアップされる。まずはそれをしなければならない。増田(成幸)が強くなったのも、ウチのホセ(・ビセンテ・トリビオ)と切磋琢磨したからだと思うし、第2、第3の増田が出てきて欲しいと思っている。だからJBCFのレースは、もっとオープンにしたいと考えている」

その上で、「やるからには潰れないで欲しい」と安原氏は話す。

「別々にやるのなら交流戦をやりましょうと、それが先日のJCLの発表に盛り込まれた。俺としては、なんとか一緒に出来ないかと思っているし、今もってその方法を考えている」


text:Satoru Kato



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