2024年はツールではなく、ジロ・デ・イタリアの出場が濃厚とされるワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)。「まだ正式ではない」と前置きをしながらも「ジロでは総合争いではなくステージ優勝を狙う」と出場を認め、一部報道されていた総合狙いを否定した。



来年のジロ出場を認めたワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

「まだ正式に認めるわけにはいかないが、ジロに行くことになるだろう。だが狙うのはステージ優勝。自分に限界があるとは思っていないが総合争いはしない。なぜなら出場する他のレース(クラシックレース)との互換性が悪いからね」とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)は、一部で報じられていたジロ・デ・イタリア出場を出演したポッドキャスト番組で認めた。

2019年から5年連続で出場するツール・ド・フランスではなく、ジロ出場となれば初めてのこと。しかし、総合エースとして臨むという噂についてファンアールトは「総合上位に入るために他を犠牲にするつもりはない。何度も高地合宿に赴き、体重を2kg減らして総合5位なんて割に合わないからね」と一蹴。あくまでもステージ優勝を狙うことを強調した。

今年のツールでも登りへの適正を示していたファンアールト photo:CorVos

2021年のツールでは「魔の山」と称される難関山岳モンヴァントゥーを2度登坂する山岳ステージで逃げ切り勝利を抑め、同大会の個人タイムトライアルでもステージ優勝を飾ったファンアールト。また今年のツールでも山岳でアシストする姿を見せたこともあり、総合エースとしてのジロ出場が噂されていた。

しかしファンアールトは「いま僕はシーズンを通して様々なレースを走り、それが自分には合っている。もし本当に総合優勝を狙うならば、いまよりも体重を減らさなければならない」とコメント。「(ジロ)大会初日(のテクニカルな登り)ならば対応できるので勝利を狙いに行く。僕にとって総合上位という結果は、ステージ優勝よりも魅力的には映らない」と語った。

ジロに出場するとなれば、既報通り春のクラシックからジロ、そして五輪を挟みブエルタ・ア・エスパーニャ初出場の可能性も高くなっていくる。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos