今年、自身初のツール・ド・フランスで総合5位に食い込んだカルロス・ロドリゲス(スペイン)が、所属するイネオス・グレナディアーズと契約更新を行った。スペインの期待を背負う22歳は、2027年まで現チームで走ることとなる。



ツールデビューの今年、ステージ優勝と総合5位を獲得したカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

「グレナディアーズに加入した2020年以降、カルロスは素晴らしいタレント性とポテンシャルを秘めていることを証明し続けてきました。彼の揺るぎないレース精神、そしてプロ意識はチーム内で信頼され、世界中のライダーとファンから賞賛を集めています。チームとカルロスの旅がこれからも続き、彼のキャリアの目標をサポートしていけることに興奮しています」と、イネオス・グレナディアーズはカルロス・ロドリゲス(スペイン)との契約更新についてプレスリリースに綴っている。

ロドリゲスは2001年2月2日生まれの若干22歳。グランツールデビューとなったブエルタ・ア・エスパーニャでは終盤に激しく落車しつつ総合7位に入り、今年はストラーデ・ビアンケで落車骨折という悪い滑り出しとなったものの、キャリア初のツール・ド・フランスでは総合5位。第14ステージでは登坂勝負を繰り広げるヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)とタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)に食らいついてステージ優勝を挙げるなど、スペイン期待のオールラウンダーとして存在感を高めてきた。

一方でワンデーレースにも強く、昨年のスペイン選手権では優勝。イル・ロンバルディアでは2年連続トップ10入りを果たすなど勝負勘も持ち合わせていることが分かる。

昨年はスペイン王者に。ワンデーレースでの勝負強さも持ち合わせる photo:VueltaBurgos

ロドリゲスの新契約は2027年までの4年間。キャリア中最も脂が乗る大切なシーズンを、かつて照準を合わせたグランツールで無敵を誇り、復権を目指すイギリスチームと共に過ごすこととなる。

「このチームを加入した時から家族のように感じている。僕をケアしてくれる人たちに囲まれ、歓迎され、僕の価値を高めてくれていることを感じる。ここ数年は僕自身プロ選手としてだけではなく、一人の人間として成長を目指してきた。

僕が目標にするのはコンスタントに良い結果を残し、プロトン最高レベルの選手たちに対して地位を向上させ続けること。だからこそ、イネオスは僕にとって成長を続け、素晴らしい結果を達成するのに最適な場所だと考えている。

僕は子供の頃からずっとツール・ド・フランスに出たいと思っていた。テレビでレースを見てチームスカイに憧れ、いつか自分もこのチームの一員になれるかもしれないと願っていたんだ。だからこそ今年ツールに出場したのは特別だった。そんな夢の舞台を、夢だったチームと一緒に過ごすことができた。どれほど素晴らしい体験だったかは、なかなか言葉にできないことさ」と、ロドリゲスは契約更新に際して言葉を残している。

text:So.Isobe