トーマスが14度目のラストツールへ　イネオスがメンバー発表し、全184名が出揃う

イネオス・グレナディアーズが現役ラストイヤーのゲラント・トーマス（イギリス）を含む、8名のツール・ド・フランス出場メンバーを発表。これにより全チーム184名の出場選手が出揃った。

---

ツール・ド・フランスに出場する23チームの中で、イネオス・グレナディアーズが出場メンバー発表のトリを飾った。選ばれたのは、これが現役最後のツール出場となるゲラント・トーマス（イギリス）を含む8名の選手たちだ。

テイメン・アレンスマン（オランダ）
トビアス・フォス（ノルウェー）
フィリッポ・ガンナ（イタリア）
アクセル・ローランス（フランス）
カルロス・ロドリゲス（スペイン）
コナー・スウィフト（イギリス）
ゲラント・トーマス（イギリス）
サムエル・ワトソン（イギリス）

総合エースを務めるのは、昨年2024年に総合7位、2023年に総合5位に入ったロドリゲス。マイヨブラン（ヤングライダー賞）の対象である24歳はツール・ド・ロマンディで総合6位、クリテリウム・デュ・ドーフィネでも総合9位と安定感を見せる一方、表彰台には届いていない。「7月のツールにベストコンディションで臨むことを目標にしてきた。ここまで準備はプラン通り進んでいる。世界トップと戦うレースは厳しいだろうが、僕らは全力で戦い、集団先頭で勝負したい」と意気込みを語った。

その総合エースの脇を固めるのはアレンスマンやローランス、そしてイギリス新王者ワトソンといった若手たち。特にワトソンは先日のイギリス選手権ロードを制し、5月のダンケルク4日間レース（UCI2.Pro）でも総合優勝した注目株。また2つの個人タイムトライアルでの活躍が期待されるガンナは、2022年以来、2度目のツール出場で初のステージ優勝を狙う。

そして2018年大会の総合優勝を含む、3度の総合表彰台に上がったトーマスは通算14回目のツールに臨む。「現役最後のツールが楽しみで、14度目なんて正直クレイジーに思う。最初に走った2007年、まさか今もまだ走っているなんて想像もしなかった。リールでの開幕からジェットコースターのようなイベントが待ち切れない。フランス中を巡る3週間の自転車旅行なんて最高だろう？」と語った。

なお、暫定メンバーには入っていたミハウ・クフィアトコフスキ（ポーランド）は選考外となった。今年3月のティレーノ〜アドリアティコ以降、膝の怪我によってレース復帰ができておらず、11度目の出場は叶わなかった。

これで第112回ツールに出場する23チーム、全184名の選手が揃った。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos