本日10月15日(日)、ジャパンカップロードレース本番の天候は雨。午後になれば晴れ間も出るとの予報だが、2017年以来となる冷雨のレースとなる。サバイバルレースに向けた有力選手たちの意気込みを、今シーズンの総括を含め紹介しよう。



アンドレア・ピッコロ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト)

昨年2位の優勝候補アンドレア・ピッコロ(イタリア) photo:Makoto AYANO

昨年大会で2位に入り、22歳ながらエースを託されるピッコロ。今年はワールドチームで初めてとなるフルシーズンを戦い、グランツール初出場となったブエルタ・ア・エスパーニャではマイヨロホ(総合リーダージャージ)を着用するなど堂々の走りを見せた。

―ブエルタはどうでしたか?

楽しかったよ。確かに3週間は長かったが、しっかりと回復できれば大丈夫だった。だが将来的にグランツールでエースを担うためには、全てにおいて成長しないとならないと感じた。今シーズンはブエルタの前にトレーナーを変え、練習の取り組み方を抜本的に変えたんだ。その成果がブエルタで良い形となり現れた。

昨年のジャパンカップで2位だったアンドレア・ピッコロ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Makoto AYANO

―ジャパンカップへの意気込みをお願いします。

レースの展開次第だが、サイモン(カー)と僕がエースを務めることになる。コンディションは良いし、精鋭集団に残れるように頑張るだけ。雨だろうが関係ない。どんな状況であろうと強い者が勝つのだからね。

ルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)

急遽来日が決まった元世界チャンピオン、ルイ・コスタ(ポルトガル) photo:Makoto AYANO

UAEチームエミレーツから移籍直後の今年1月、3年振りの勝利を挙げたコスタ。ブエルタでは自身10年振りとなるグランツール区間優勝を飾るなど、元世界王者の復活を印象付けた。37歳のコスタは今季限りでのアンテルマルシェ退団が決まっており、その移籍先についても聞いた。

―来年の移籍先が決まっているという報道がありました。それは本当ですか?

ああ。もちろん(移籍先を)言う事はできないが、ワールドツアーを走る良いチームだ。

―今年、復活とも呼べる良いシーズンになったと思います。その要因はなんだったのですか?

新しいチーム、バイク、環境など全てが変わったことによって新たなモチベーションが生まれたから。この世界ではモチベーションがもっとも大切なことだからね。それにこのチームでは勝利を狙う機会に恵まれたことも大きかった。

今年のブエルタでステージ優勝を飾ったルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) photo:CorVos

―緊急参戦となりましたが、ジャパンカップのコースを試走した印象は?

特にコース前半が厳しそうだし、天候が心配だ。日本に来る前、ポルトガルに3日間帰っていたんだ。その気温は32度。そこから肌寒い日本なので、そこへの適応が少し不安だね。でも僕に向いているコースだし、下りのアスファルトの状態も良さそうだった。

エディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)

土曜も日曜も活躍を期待したいエドワード・ダンバー(アイルランド) photo:Makoto AYANO

イネオス・グレナディアーズを離れ、念願の単独エースとしてジロ・デ・イタリアに出場したダンバー。総合7位と好成績を収めたものの、度重なる落車による怪我に悩まされシーズンでもあった。

―まだジャパンカップが残っていますが、今シーズンを総括してください。

全体的には良いシーズンと言える。序盤(2月)に骨折し、実戦を2ヶ月も離れなくてはいけなかった。その後徐々に調子を上げ、良い走りができたジロでも最後の3日間で体調を崩し、総合4位から7位に順位を落としてしまった。それでも概ね満足という結果だよ。

―来年はカレブ・ユアンのチーム復帰など、グランツールでは総合順位だけではなく更にスプリンターとの共存が必要となってくると思います。その体制に不満などはないですか?

全くない。山岳ステージなどでは平坦区間でスプリンターやそのアシストが僕を守ってくれ、平坦ステージでは僕が彼らについていく。良いチームで動けているよ。

―ジャパンカップのコースはあなたの脚質に合っていますか?

もちろんだ。レース当日に脚の調子さえ良ければ、自ずと良い結果がついてくるだろう。それに雨がレースの展開を大きく変えるだろう。ところで、なぜ2周増えたの?

―そこまでは…ちょっと分からないですね。

マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー)

昨年5位のマキシム・ファンヒルス(ベルギー)に期待がかかる photo:Makoto AYANO

ロット・デスティニーのエースは23歳のファンヒルス。勝利こそなかったものの、初出場した今年のツールで逃げから勝利に迫る(区間2位)などワールドツアーでシングルリザルトを連発。昨年大会は5位とチームも期待する若手の有望株だ。

今シーズンは好調を維持することができ、ツールでも良い走りができた。今年は食事を見直したことが大きな影響をもたらした。特に体重コントロールが容易になったことは大きな変化だった。また、登りでのトレーニングを増やしたものある。

―現在の体重は?(身長174cm)

いまは63kgだが、ツールでは61.8〜62kgでキレの良い走りができていた。だからいまは少し太りすぎている状態かな(笑)。

―シーズン後半から現在のコンディションはどうですか?

カナダの2連戦(GPケベック&GPモンレアル)では時差ボケで体調を崩したものの、その後レースで復調した。日本に来てからも9時間睡眠で時差ボケの対策はバッチリだ。

―ベルギー人なので雨という予報のあるレース(ジャパンカップ)も大丈夫そうですか?

慣れてはいるが濡れて汚れるのは嫌だよ(笑)。でも雨が降った今年のリエージュ~バストーニュ~リエージュでも良い走り(11位)ができたし、雨のレースも苦手ではない。だが晴れていた昨年も(古賀志の)下り坂はトリッキーだった。雨の影響でどうなるだろうね。

text:Sotaro.Arakawa