ジロ初日に続く区間2勝目を挙げながらも、直後にコロナ陽性でリタイアしたレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)は「とても貴重な体験だった」と語った。2位のトーマスやログリッチなどジロ第1週目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



区間1位&マリアローザ レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

濡れた路面の上を走るレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

レース直後のインタビュー

ペーシングを失敗して序盤から飛ばしすぎてしまった。そのせいでコース後半は酷い走りだった。それでもチェゼーナ市街地のテクニカルな区間で脚を休ませることはでき、何とか最後まで脚がもってくれた。

前半は設定したペース通りに進んだものの、後半は向かい風や不調の影響で良い走りができなかった。最良のタイムトライアルではなかったものの、そんな中でも掴んだ区間2勝目は嬉しいよ。

マリアローザとライバルとのタイム差を保ったまま、第2週目に突入できることは嬉しい。もちろんイネオスには攻撃のプランがあると思うが、僕らのチームも強い。昨日、今日と良い状態ではなかったので、明日はしっかりと休みたい。いまは純粋にこの勝利を喜びたいよ。

レース後に新型コロナの陽性反応が出たレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:RCS Sport

新型コロナウイルス感染症が発覚後のコメント

このような形でレースを去ることになり、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。チームのプロトコルに従い新型コロナウイルスの検査をしたところ、不幸にも陽性反応が出てしまった。ここでの経験はとても貴重で、この後の2週間をとても楽しみにしていた。ジロに向けて僕のために尽力してくれたスタッフやチームメイトには、言い尽くせないほど感謝している。レースを離れても彼らには声援を送るよ。

区間2位&総合2位 ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

ゲイガンハートの中間計測タイムを次々と上回っていったゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

コンディションは徐々に上がってきているが、またもやジロでの勝利を逃した。2012年に2度、2017年の1度に続く、ジロのタイムトライアルで4度目の2位だ。理想的な結果ではないが、コンディションは上々だ。またチームとしては僕とテイオ(ゲイガンハート)の2人が上位につけているので、第2週目に良い流れをもたらしてくれるだろう。

区間4位 シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)

1時間近くホットシートに座り続けたシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) photo:CorVos

この気持ちをどう表せばいいんだ?この結果はまるで僕の人生そのもののようだよ。いつも目の前で勝利を逃してしまう。それに最終出走者に近づくにつれ濡れていた路面が乾いていった。それも競技の一部なのだが、勝利を逃し、いまはフラストレーションを感じているよ。

区間6位&総合3位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

トップから17秒遅れでフィニッシュしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

良いタイムトライアルとなった。僕はいつもスロースターターで、後半に向かってスピードが上がっていくタイプ。望んでいたとも言える、決して悪くない結果だ。レムコ(エヴェネプール)とイネオスの2人が僕よりも上の順位にいるが、その差は大きくない。第2週目から面白い戦いとなるだろう。楽しみだよ。

区間9位&総合5位 ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)

区間9位だったジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

全体的に良い走りができ、概ね満足している。コーナーは滑りやすかったが、感覚は良かった。コース後半のテクニカルな区間でのペーシングは難しかったものの、そこでの走りの方がよかった。休息日が楽しみだし、第2週目に向けて集中を高めていきたい。

マリアローザを失ったアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)

マリアローザを失ったアンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM) photo:CorVos

このピンクジャージを着て走る最後の日。全力を尽くためのモチベーションは高く、実際にフルガスで駆け抜けた。予想通りマリアローザは失ったものの、この5日間を良い形で締めくくることができた。明日はよく休み、あと2週間あるジロを楽しみたい。

コロナ陽性のため第7ステージで棄権したフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)

ジロを離れなければならずとても残念だ。いち早くレースに戻ることができるように努力する。チームの健闘を祈り、応援している。悲しい気持ちだが、これも人生だ。みんなとローマで祝福できることを楽しみにしているよ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos