「ピーダスンが一度登りで遅れたと聞き、ロングスプリントに備えた」とマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)は勝因を語る。2位のピーダスンや山岳賞ジャージを獲得したピノなど、ジロ3日目を終えた選手たちの言葉を紹介します。



1位 マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)

終始レースをコントロールしたチームメイトらと勝利を喜ぶマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) photo:RCS Sport

嬉しさで言葉が出ない。不調に陥ったこの数ヶ月を乗り越え、勝利によりカムバックを果たすことができた。チームメイトは今日一日、僕の勝利のためにレースをコントロールしてくれた。この感動をどう言い表せばいいかの分からないよ。今年はまるでジェットコースターのように調子が乱高下したものの、ジロ3日目で早くも勝利することができた。

登りでピーダスンが遅れたと聞き、最後スプリントの脚が鈍ると思った。だから彼は早めに仕掛けると予想し、その背後を取ろうと考えたんだ。

調子が上がらないなかで臨んだジロでは楽しむことを最優先にしていた。仲間と共にレースができる喜びを噛み締めようとね。だがチームは今日、一丸となって僕を勝利へと導いてくれた。だからこの勝利を彼らに捧げたい。

2位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)

絶好のリードアウトを受けながらも2位に沈んだマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos

今日の作戦はレース序盤から主導権を握り、登りでスプリンターを振り落とすこと。その考えはジェイコ・アルウラーも同じで、彼らはマシューズのために登り速いペースを刻んだ。一日を通してレースを先導してくれたチームに感謝したい。チームは良い雰囲気に包まれており、勝利に向けて全力の走りを見せた。

最後の山岳で遅れてしまったものの、チームメイトのおかげで先頭集団に復帰することができた。濡れた路面であってもアマヌエル(ゲブレイグザビエル)やトムス(スクインシュ)、バウケ(モレマ)による牽引は素晴らしかった。しかし最後はスプリントを躊躇い、マシューズに遅れを取ってしまった。

だがその走りに勝利で応えることができず、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。しかしこれはあくまでも今大会最初のチャンス。次なる機会に向け、僕らは変わらず戦い続ける。

マリアローザ(総合1位)レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

危なげない走りでマリアローザを保持したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

―中間スプリントでボーナスタイムを取りに行ったのは、ジロでは数秒のアドバンテージですら重要だと思ったからか?

狙いに行ったのはその時集団の前方にいたから。雨で路面が濡れて危険な状態だったからね。スプリントをしたもののそこまで力を使うことはなかった。それに目の前にチャンスがあるのであれば掴みに行くのは自然なこと。最後は混沌とした展開になったが、比較的穏やかなレースで脚に刺激を入れることができた。

総合3位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

リスクを回避し、区間7位でフィニッシュしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

今日は怪我せずフィニッシュラインを通過することが最優先だった。もしチャンスがあれば勝利を掴みにいったのだが、混沌とした展開になったので危険回避に専念した。

マリアアッズーラ(山岳賞)ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)

マリアアッズーラに袖を通したティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) photo:CorVos

限られたジロでのレースで最大限の結果を得たかった。だから例年ではしないであろう動きをした。だが、明日以降また山岳ポイントを取りに行くかはわからない。その難易度は徐々に高くなっていくからね。

終盤の落車に巻き込まれたジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)

目の前で起こった落車に巻き込まれ、僕も落車してしまった。ただ幸運にも怪我はなく、周りにいたチームメイトのおかげで集団に復帰することができた。常に前向きな気持ちを忘れずに、明日以降のステージも頑張っていきたい。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos