ワフーの定番サイクルコンピューターの一つELEMNT ROAMがモデルチェンジを果たしている。新機能のクライムはタイムアタックやペース配分に貢献し、アップデートされたハードウェアによって押しやすくなったボタンが魅力の第2世代を紹介しよう。スマホアプリからルートシェアできる新機能も魅力だ。



ワフー ELEMNT ROAM V2ワフー ELEMNT ROAM V2
アウトドアからインドア、自転車からランニング、水泳までを繋ぐエコシステムを構築するフィットネス機器ブランドのワフー。サイクルスポーツを中心に様々なアクティビティを楽しむ人の行動を一気通貫で記録することで、パフォーマンスの向上、それに必要なトレーニングの管理が効率的に行える環境を整えているブランドだ。

構築されたエコシステムだけではなく、デバイス単体でも確かな機能を搭載し充実したユーザー体験を提供してくれる。その一つがサイクルコンピューターシリーズ"ELEMNT(エレメント)"で、BOLTとROAMという2種類のモデルを展開している。基本的な機能などは共通しているが、シリアスに重量やエアロダイナミクスを考慮する方のためのBOLT、ディスプレイ表示や電池の保ちを重視する人のためのROAMというように、それぞれでハードウェアを作り変えている。

今回紹介するのはROAM。今秋にモデルチェンジを果たし、第2世代となったROAMの魅力を掘り下げる。

ELEMNT ROAM V2(左)のボタンは盛りあがり、第一世代(右)からアップデートされているELEMNT ROAM V2(左)のボタンは盛りあがり、第一世代(右)からアップデートされている
新型のハードウェアはほぼほぼ第1世代と変化がなく、パッと見ただけではどちらが新型か区別がつかない。基本設計は堅持したまま、大きく変化したのはディスプレイ面に備えられた3つの物理ボタンだ。第1世代では窪んだボタンだったが、第2世代では盛りあがっており、ボタンをプッシュしやすくなっている。

押し心地もブラッシュアップされており、前作の心許なさと比較すると、ボタンがしっかり作られており押し込んでも壊れにくい印象だ。クリック感は小さめだが、確実にボタンを押しているフィードバックは指に伝わるため、手袋をしていても不必要な力で押し込んでしまうこともない。ボディサイドのボタンもクリック感が強くなっているように感じられ、ライダーとサイコンのコンタクトポイントが改善されているのは好感が高い。

BOLTと同じようにエアロダイナミクスに配慮されている形状だBOLTと同じようにエアロダイナミクスに配慮されている形状だ
電源ボタンの配置なども微妙に変化している電源ボタンの配置なども微妙に変化している
ROAMのディスプレイは日光下でも画面が反射せず、内容を常に読み取れる特徴は誰にとってもアドバンテージとなる。画面が大きく、表示内容が把握しやすいROAMこそ、このディスプレイの仕様は輝いている。そんなディスプレイが64色仕様とされたこともハードウェアの主要な変更点だ。

より細かく色味が変化されているということだが、実際に使ってみても色数が増えたことの変化は鮮烈なものではなく、最初から色数が増えたことが当たり前かのように馴染む。ROAMの表示はオフホワイトのベースに、必要なところだけ色が差し込まれて際立つようになっているため、色がついているところとのコントラストのバランスが整えられているため、ディスプレイを眺めた時の違和感がないのは好感を持てる。

ルートナビは青色の矢印で道のりを表示してくれるルートナビは青色の矢印で道のりを表示してくれる
キューシートでも道順を知らせてくれるキューシートでも道順を知らせてくれる
ROAMのディスプレイが活かされるのは、ナビゲーションシステムを活用している時。地図上の矢印やポップアップでの道順誘導はもちろん、ROAM第2世代から導入されたSUMMIT SEGMENT機能でより一層カラー表示と大きな画面表示に有り難みを感じる。

SUMMIT SEGMENTとはナビゲーションルート上に存在する登り坂をワフーのシステムが独自に検出する機能だ。システムに認定された登り坂はヒルクライムとして、一覧ページにリストアップされ、その登りに差し掛かると「クライム!」というポップアップとともに特別なページが出現する。このページには、斜度ごとに色分けされた登りのプロフィールが表示されており、その登りの難易度をグラフィックで把握できるようになっている。

クライム機能は頂上までのタイム計測やプロフィールを表示してくれるクライム機能は頂上までのタイム計測やプロフィールを表示してくれる
登り区間に突入したら「クライム!」というポップアップで知らせてくれる登り区間に突入したら「クライム!」というポップアップで知らせてくれる 検出されたヒルクライムがリストアップされている検出されたヒルクライムがリストアップされている


SUMMIT SEGMENTで検出される登り坂は「距離500m、平均勾配3%」を満たすものだけ。システムで判定されているため、今回のテストでは「あれ?もう登り始まってるよな?」など人間の感覚とのズレは多からずあるようだ。使っていくうちにワフーの基準に馴染んでいくので、最初はあくまでも目安と思うのが吉。

トレンドとなっているこの機能はグラフィックだけではなく、頂上までの残り獲得標高と到着予想タイムも教えてくれるため、ヒルクライムを最後まで頑張れる要素が満載。ギア選択やペース配分にも役立てられるので、タイムを狙っている方はもちろん、ロングライドで最後まで体力を残したい方はぜひ使ってもらいたい。

ELEMNTアプリのルートのシェア機能によってライドの幅は広がるはずだELEMNTアプリのルートのシェア機能によってライドの幅は広がるはずだ
また、ROAM第2世代のローンチと同時にスマホアプリも更新されており、ルートシェア機能が追加された。この機能はELEMNTアプリ上に保存されているルートデータを時限公開できる機能で、公開されたデータはナビゲーションのスタート地点から2km以内にいるELEMNTアプリ使用者が確認し、自身のELEMNTに転送することが可能。

公開時間は1時間もしくはその日のうちという2択という緩やかな限定となっており、常にオープンにならないのも嬉しいところ。仲間内で走る時などで活躍してくれる機能であり、ライドの可能性を広げてくれる魅力的な機能だ。ワフーユーザーはぜひ一度使ってみてもらいたい。

ルートを公開する
ルート選択からマイルートを公開することができるルート選択からマイルートを公開することができる ELEMNTアプリ内に用意されているルートであれば公開可能だELEMNTアプリ内に用意されているルートであれば公開可能だ 1時間と1日の時限公開となるため、ある程度ルートを使える人が限られる1時間と1日の時限公開となるため、ある程度ルートを使える人が限られる



公開されているルートを利用する
ルート選択から「公開ルート」を選択しようルート選択から「公開ルート」を選択しよう 公開されているルートを一覧できる公開されているルートを一覧できる ルートを選択したら、通常通りのステップを踏むルートを選択したら、通常通りのステップを踏む




ワフー ELEMNT ROAM
重量:3.3 oz
画面解像度:240 x 400
サイズ:17.3 cm x 12.3 cm x 6.9 cm
ディスプレイ:64 colors
画面サイズ:2.7 in. // 68.58 mm
バッテリータイプ:Lithium Ion
バッテリーライフ:17 hours
充電ポート:USB Type-C
防水性:IPX7
価格:58,500円(税込)

text:Gakuto Fujiwara

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