モナコ在住のトップ選手たちが集い開催されたバイキング・モナコクリテリウムで、今年現役を引退したフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)が優勝した。世界選手権やモニュメントなど輝かしい成績を残したジルベールが、21年に及ぶ現役生活にピリオドを打った。



モナコのエルキュール港を舞台に行われたバイキング・モナコクリテリウムモナコのエルキュール港を舞台に行われたバイキング・モナコクリテリウム photo:Beking Monaco
今年で第2回目を迎えたバイキング・モナコクリテリウムは、その名の通りフランス地中海沿岸にある小国モナコで行われるチャリティレース。同国に居を構えるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)やペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)、カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)など多くのトップ選手が会場となったエルキュール港に姿を見せた。

子どもたちやアマチュアレーサーによる様々なレースが行われた後、大会を締めくくるメインレースがスタート。1.35kmコースを40周する総距離54kmのレースで優勝したのは、終盤にポガチャルとマイケル・マシューズ(オーストラリア、バイクエクスチェンジ・ジェイコ)を振り切ったフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)だった。

優勝は今大会のアンバサダーを務めるフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)優勝は今大会のアンバサダーを務めるフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル) photo:Beking Monaco
優勝したジルベールと共にマシューズやポガチャルが表彰台に上がった優勝したジルベールと共にマシューズやポガチャルが表彰台に上がった photo:Beking Monacoファンライドにはリハビリ中であるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)の姿もファンライドにはリハビリ中であるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)の姿も photo:Beking Monaco

10月9日のパリ〜トゥールで現役ラストとなる公式レースを終えた後、ファンの前で最後のジャージ姿を披露したジルベール。「スピードの速いチャンピオンばかりのチャリティレースで優勝することができ、選手キャリアを締めくくる最高の形となった。13年間暮らしたモナコでプロ生活を終えることができて本当に嬉しいよ」と、自らがアンバサダーを務める大会での勝利をそう喜んだ。

ジルベールは2002年にフランセーズデジュ(現グルパマFDJ)でプロデビューした40歳。プロトンを代表するクラシックレーサーとして5大モニュメントのうち4つ(ロンド・ファン・フラーンデレン、パリ〜ルーベ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、イル・ロンバルディア)を制覇し、更に2012年ロード世界選手権では得意とする距離の短い急坂でアタックし、見事アルカンシエルに袖を通した。

21年の現役生活を終えたフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル)21年の現役生活を終えたフィリップ・ジルベール(ベルギー、ロット・スーダル) photo:Beking Monaco
昨年より自身のYoutubeチャンネルを通して情報発信するなど、レース外の活動にも精力的に取り組んでいるジルベール。チャリティに加え自転車競技の普及という意味合いが大きい同レースについて「僕の夢は10〜15年後にここに戻ってきた時に、コース上に何千というファンが詰めかけている光景を見ることだ。大会アンバサダーとしての目標はこの素晴らしい競技の普及。今日走った子どもたちが15年後にプロになっていれば、この取り組みも成功と言えるだろう」と締めくくった。

text:Sotaro.Arakawa

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