アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオは10月22日の記者会見で、2023年シーズンのチーム名が「アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ」になると発表した。同時に下部チームのコンチネンタルチーム昇格も明らかにしている。



ワンティがタイトルスポンサーに3年振りの復帰ワンティがタイトルスポンサーに3年振りの復帰 photo:CorVos
わずか9勝に終わった2021年から今季は24勝まで勝ち星を伸ばし、UCIポイントラインキングではクイックステップ・アルファヴィニルを上回る5位と躍進したアンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ。そのベルギー拠点のチームがこの度、サーカスをタイトルスポンサーに加え「アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ」に名称変更することを発表した。

サーカスはベルギー・リエージュの投資会社アーデントによるゲームブランド名で、主にオンラインカジノやスポーツくじを運営。サーカスはチームがワールドツアーに昇格する前年の2020年にタイトルスポンサーを務めており、これが3年振りの復帰となった。

ジロ・デ・イタリア第10ステージで勝利したビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)ジロ・デ・イタリア第10ステージで勝利したビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) photo:RCS Sport
不振に終わった2021年から1/3の選手を入れ替えたチームは今年、ビニヤム・ギルマイ(エリトリア)がジロ・デ・イタリアでアフリカ出身黒人選手初のグランツール区間勝者に輝き、同大会ではシーズン途中に加入した39歳のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア)が総合8位でフィニッシュ。またブエルタ・ア・エスパーニャではルイス・メインチェス(南アフリカ)が区間1勝を挙げるなど、目覚ましい活躍を見せた。

しかし、今季チーム最多の5勝を挙げたアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー)は母国チームであるウノエックス・プロサイクリングチームへ移籍。ジロ・デ・イタリアで区間勝利を挙げるなど31歳にしてキャリアハイの活躍を見せたヤン・ヒルト(チェコ)はクイックステップ・アルファヴィニル(来季スーダル・クイックステップ)と2年契約を結んだ。

今季限りでチームを離れるアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ)今季限りでチームを離れるアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ) photo:Makoto AYANO
そのためチームは元世界王者ルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)やマイク・テウニッセン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)、リリアン・カルメジャーヌ(フランス、AG2Rシトロエン)などの補強を実施。更に「アーデントグループ・サイクリングアカデミー」という下部組織をコンチネンタルチームに昇格させ、今季限りで引退するケヴィン・ファンメルゼン(ベルギー)を監督に据えるなど戦力の底上げに着手している。

チームのジャンフランソワ・ブルラールGMは「(リエージュを拠点とする)サーカスがチームに加わったことでワロン地域というルーツを忘れることなく国際的に成長していくことができる」とコメント。また、「シーズン24勝とUCIワールドランキング5位という結果はチームとして大きな前進だ。2022年に我々が達成した結果のように、サーカスを迎えたこの新たな一歩がさらなる国際的な地位向上に繋がると確信している」とプレスリリースで自信を語っている。

text:Sotaro.Arakawa

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