雨で濡れた路面とタイトコーナーが選手たちを苦しめたクロ・レース4日目。スプリント勝負をアクセル・ローランス(フランス、B&Bホテルズ KTM)が制し、惜しくも敗れたジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が総合首位を守った。



ビオグラード・ナ・モルで大会4日目がスタートビオグラード・ナ・モルで大会4日目がスタート photo:CorVos
クロアチアのアドリア海沿岸地域を舞台とするクロ・レース(UCI2.1)の第4ステージ。総距離219kmのコースには2つの3級山岳が登場し、フィニッシュラインが設定されたクリクヴェニカ市街地には狭くタイトなコーナーが連続する。

地元クロアチアのコンチネンタルチームを中心とした6名が逃げを作り、それをリーダーチームのバーレーン・ヴィクトリアスが追う展開でレースは進行した。最大3分あったタイム差は一気に縮小し、残り2kmで逃げグループはプロトンに飲み込まれた。

レース序盤からメイン集団をコントロールしたバーレーン・ヴィクトリアスレース序盤からメイン集団をコントロールしたバーレーン・ヴィクトリアス photo:CorVos
残り2km地点で逃げグループがプロトンに吸収された残り2km地点で逃げグループがプロトンに吸収された photo:CorVos
濡れた路面のタイトコーナーをこなすヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)濡れた路面のタイトコーナーをこなすヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:CRO Race
クリクヴェニカに到着したプロトン先頭では、今大会アシストに徹するゲラント・トーマス(イギリス)らイネオス・グレナディアーズが牽引。その後ろには大会初日、2日目と2連勝でリーダージャージを着るジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)や前日勝者ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が追従し、3級山岳(距離1km/平均8%)では若手メンバーで構成されたチームDSMがペースを上げた。

絞られた集団はクリクヴェニカの市街地に入るとマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)が先頭へ。ウェットな最終コーナーを先頭でクリアしたモホリッチがスプリントを開始。ブランドン・リベラ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)や3勝目を狙うミランらが懸命に踏み込むスプリント争いで、モホリッチの背後から飛び出したアクセル・ローランス(フランス、B&Bホテルズ KTM)が勝利した。

強豪選手を抑え勝利したアクセル・ローランス(フランス、B&Bホテルズ KTM)強豪選手を抑え勝利したアクセル・ローランス(フランス、B&Bホテルズ KTM) photo:CorVos
シャンパンでプロ初勝利を祝うアクセル・ローランス(フランス、B&Bホテルズ KTM)シャンパンでプロ初勝利を祝うアクセル・ローランス(フランス、B&Bホテルズ KTM) photo:CRO Race
「雨でスリッピーなコーナーが続く、トリッキーな最終盤だった。そんな中でもモホリッチの背後につくことができた。だから自分に『僕は彼よりもスプリント力に優れている』と言い聞かせ、プロ初勝利を挙げることができた。素晴らしい結果だ」とローランスは喜んだ。

ローランスは昨年プロデビューを果たした21歳のクライマー。今年は何度も表彰台に上がる活躍を見せていながらも勝利を逃し、シーズン終盤でようやくのプロ初勝利を飾った。総合首位は区間2位と好調を維持するミランがキープ。モホリッチは3位へ、ローランスは5位に総合順位を上げている。
クロ・レース2022第4ステージ結果
1位 アクセル・ローランス(フランス、B&Bホテルズ KTM) 5:04:31
2位 ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
3位 マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)
4位 ブランドン・リベラ(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)
5位 アレックス・ハイメ(スペイン、エキポ・ケルンファルマ)
個人総合成績
1位 ジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) 17:52:11
2位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) +0:10
3位 マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:14
4位 オスカル・オンレー(イギリス、チームDSM)
5位 アクセル・ローランス(フランス、B&Bホテルズ KTM) +0:19
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos