第109回ツール・ド・フランスが開幕。デンマークの首都コペンハーゲン市内を駆け巡る個人TTでイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)が勝利し、キャリア初のツールステージ優勝とマイヨジョーヌを掴み取った。



観客が詰めかけた平坦コースを走る観客が詰めかけた平坦コースを走る photo:Kei Tsuji
7月1日(金)第1ステージ コペンハーゲン〜コペンハーゲン 13.2km7月1日(金)第1ステージ コペンハーゲン〜コペンハーゲン 13.2km image:A.S.O.第1ステージ コペンハーゲン〜コペンハーゲン 13.2km第1ステージ コペンハーゲン〜コペンハーゲン 13.2km image:A.S.O.


北欧デンマーク、その首都コペンハーゲンで第109回ツール・ド・フランスが開幕。フランス国外でのグランデパール(開幕)は合計10回目で、コロナ禍によって1年、五輪やサッカー・ヨーロッパ選手権でもう1年延期となったデンマークは記念すべき10ヶ国目。首都に設定された13.2km特設コースを舞台に、2017年以来となる初日個人タイムトライアルが催された。

ランゲブロ橋やランゲルニエ埠頭の「人魚姫の像」、アマリエンボー宮殿などコペンハーゲンが誇る観光名所を通過し、コースディレクターが「完全なタイムトライアルスペシャリスト向け」と呼ぶコースは確かに平坦基調ではあるものの、減速を強いられる鋭角コーナーも含めてカーブが25ヶ所以上も存在する。さらに市街地特有の石畳区間やスリッピーな舗装区間も含まれる上、この日は折りからの雨によってコースが濡れ、普段以上に攻めれば攻めるほど落車リスクが高まる難コンディションに仕上がった。

鉛色の雲が広がるコペンハーゲンの空鉛色の雲が広がるコペンハーゲンの空 photo:Kei Tsuji
2度の落車に泣いたシュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーションファースト・イージーポスト)2度の落車に泣いたシュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーションファースト・イージーポスト) photo:Makoto AYANO序盤に好走したバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)序盤に好走したバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) photo:CorVos

13秒遅れのステージ5位に入ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)13秒遅れのステージ5位に入ったマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:Kei Tsuji
クリスティアン・プリュドム氏の旗振りによって第1走者ジェレミー・ルクロック(B&Bホテルズ・KTM)が出走し、第109回ツール・ド・フランスが動き出した。雨脚は強まったり弱まったり。前半スタートの後半スタートの選手も、ウェット加減に差はあれど、ほぼ平等に濡れた状態で「時間との戦い」に挑むこととなる。

スピードに長ける優勝候補勢がずらり揃った前半戦。その内の一人と目されていた8番手出走シュテファン・ビッセガー(スイス、EFエデュケーションファースト・イージーポスト)はコーナーを攻めすぎた結果2度の落車。オランダTT王者に輝いたばかりのバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)の暫定トップタイムを塗り替えたのはマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)だった。

持ち前の身のこなしを武器に、濡れたテクニカルコーナーをハイスピードで駆け抜けたファンデルプールはモレマを3秒56上回る15分30秒62(平均51.1km/h) で暫定首位に立つ。21番手出走の東京五輪個人TT金メダリストにしてマイヨジョーヌ候補筆頭のプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)もファンデルプールにこそ届かなかったものの、15分33秒17(平均50.9km/h)を叩き出し好調ぶりをアピールした。

ステージ8位と順調な滑り出しを見せたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)ステージ8位と順調な滑り出しを見せたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:Makoto AYANO
10秒届かずステージ4位に終わったフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)10秒届かずステージ4位に終わったフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ) photo:Kei Tsuji
ガンナに5秒差をつけたものの、ランパールトに5秒届かずステージ2位に終わったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)ガンナに5秒差をつけたものの、ランパールトに5秒届かずステージ2位に終わったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Kei Tsuji
マイヨジョーヌ争いのライバルたちを一蹴したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)マイヨジョーヌ争いのライバルたちを一蹴したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Kei Tsuji
マイヨジョーヌ獲得に意欲を燃やしていたシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)は10秒以上遅れたが、もう一人のTTスペシャリスト、世界王者フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)は後輪のスローパンクに見舞われながらも圧倒的パワーで押し切り、ファンデルプールの持ちタイムを2秒64更新(15分27秒98/平均51.2km/h)してみせる。

しかし64番手出走ガンナ、65番手出走ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、66番手出走タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)とスター選手が連続スタートする中、中間計測ポイントを3秒遅れの5番手で通過したファンアールトがガンナにホットシートに座る暇を与えず5秒67上回る15分22秒31(平均51.5km/h)でフィニッシュ。続くポガチャルもファンアールトにこそ届かなかったものの2秒48遅れ(15分24秒79/平均51.4km/h)の暫定2位で終え総合ライバル勢を一蹴。その仕上がり具合が万全であることをアピールした。

中間計測タイムを更新したクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)はスリップ転倒で脱落。ファンアールトのステージ優勝が決まったかに思えたものの、番狂わせを演じたのが105番スタートのイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)だった。

猛烈な速さでトップタイムを更新したイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)猛烈な速さでトップタイムを更新したイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:Makoto AYANO
濡れたテクニカルコースを駆けるイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)濡れたテクニカルコースを駆けるイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:Makoto AYANO
「コーナーでは自分自身に"タイヤを信じて攻めるんだ。さもなくば数秒をロスしてしまう"と言い聞かせながら走った」と言うランパールトのフィニッシュタイムは、ファンアールトから4秒55速い驚きの15分17秒76(平均51.8km/h)。その後ランパールトを上回る選手は現れず、後続選手の走りを見守り続けた31歳の元ベルギー王者がキャリア初のツール・ド・フランスステージ優勝とマイヨジョーヌを手に入れた。

「全く信じられないよ。こんなことを予想していなかったし、何が起きたのか理解できない。10位に食い込めればいいと思っていたけれど、どうやってか世界トップ選手たちを打ち負かしてしまった。僕はベルギーの農家の息子。こんなことは一度も夢見たことすらなかった。感情が爆発している」と、涙ながらにランパールトは言う。

人生初のマイヨジョーヌに袖を通したイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)人生初のマイヨジョーヌに袖を通したイヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:Makoto AYANO
上々の滑り出しを見せたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)上々の滑り出しを見せたタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) photo:Makoto AYANO
パンチ力を武器に、強豪クラシックレーサーの一人に数えられるランパールト。これまで2度個人TTのベルギー選手権を制しているが、最高峰レースでの個人TT制覇は初。加減速の多いテクニカルレイアウトを味方につけ、屈強なTTスペシャリストを打ち破って2017年ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージに続くキャリア2度目のグランツールステージ優勝を挙げてみせた。

2位に甘んじたファンアールトは「勝ちにきたのでイヴが僕より速かったことにショックを受けた」と言いつつ、「自分の走りには満足している。レース中も良い感じだった。コーナーでは大きなリスクを背負わなかったけれど良いラインで走れた。上手くいったし、2位という結果がそれを証明していると思う」と満足げなコメントを残している。

クリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)は区間122位クリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック)は区間122位 photo:Makoto AYANO
総合成績争いの観点では、ステージ3位に食い込んだポガチャルが早くもライバル勢から一歩リードを奪い取ると共にマイヨブランを獲得。ユンボ勢はヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が15秒遅れの7位に入り、そこから1秒遅れでログリッチが8位。イネオス勢はアダム・イェーツ(イギリス)が23秒遅れの13位、ゲラント・トーマス(イギリス)が25秒遅れ18位、ダニエル・マルティネス(コロンビア)は44秒遅れの33位。開催国デンマーク勢最上位はマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)の6位だった。

ツール・ド・フランス2022第1ステージ結果
1位イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)15:17
2位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)+0:05
3位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)+0:07
4位フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)+0:10
5位マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)+0:13
6位マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)+0:15
7位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)
8位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)+0:16
9位バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)+0:17
10位ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)+0:20
13位アダム・イェーツ(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)+0:23
18位ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)+0:25
21位アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ)+0:31
33位ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)+0:44
37位ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)+0:45
46位ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)+0:49
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1位イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)15:17
2位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)+0:05
3位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)+0:07
4位フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)+0:10
5位マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)+0:13
6位マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)+0:15
7位ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)
8位プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)+0:16
9位バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)+0:17
10位ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・ヴィクトリアス)+0:20
マイヨヴェール(ポイント賞)
1位イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)15:17
2位ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)+0:05
3位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)+0:07
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
1位タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)15:24
2位トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)+0:17
3位フロリアン・フェルメルシュ(ベルギー、ロット・スーダル)+0:26
チーム総合成績
1位ユンボ・ヴィスマ46:27
2位イネオス・グレナディアーズ+0:21
3位トレック・セガフレード+0:37
text:So Isobe
photo:Makoto AYANO,CorVos
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