アイアンマン世界選手権で優勝を果たし、7時間以内にフルディスタンスのアイアンマンを完走したクリスティアン・ブルメンフェルト。これらのレースで彼が使用したカデックスのTRIフレームセットとホイールシステムがベールを脱いだ。



CADEX Tri FramesetとAero Disc WheelSystemCADEX Tri FramesetとAero Disc WheelSystem (c)カデックス
UCIルールに制限されないトライアスロン用自転車では、非常に多種多様な自転車が生み出されている。2022年の5月に開催されたアイアンマン世界選手権で優勝したクリスティアン・ブルメンフェルトが使用したカデックスのTRI FRAMEは、トップチューブレス、ダブルクラウンかつワイドスタンスのフロントフォークなど性能を突き詰めた造形で世界中の注目を集めた。

そしてブルメンフェルトは世界選手権の1ヶ月後に行われたPho3nix Sub7というイベントで、フルディスタンスのアイアンマンを7時間以内に完走するという大記録を打ち立てた。そのうちのバイクセクション180kmを3時間16分42秒(平均時速52.8km)で駆け抜けた。使用したのはもちろんカデックスのバイクとホイールだ。

ダブルクラウンかつ幅広のフロントフォークによってエアロダイナミクスと剛性を強化したダブルクラウンかつ幅広のフロントフォークによってエアロダイナミクスと剛性を強化した (c)カデックス
そんな快進撃を続けるブルメンフェルトが使用したバイクとホイールがついにベールを脱ぐ。CADEX TRI FRAMEと名付けられたバイクの先鋭的なフォルムは見て分かる通り。フレームの前方と後方を一つのシステムとして捉え、フォークのみならずリア三角もワイドスタンスとすることで、空気との接触面低減を狙っているという。

もちろん翼のようなフロントフォークによるエアロダイナミクスもパフォーマンスを向上させていることもポイントだ。フロントフォークは同時にベースバーとエクステンションのたわみを最小限に抑えているという。高い剛性を維持することでハンドリング性能も向上させた。

非常に調整幅の広いコックピット非常に調整幅の広いコックピット (c)カデックス
前方投影面積を低減させるリアバック前方投影面積を低減させるリアバック (c)カデックス
また、TRI FRAMEではベースバーやDHバーといった各部のポジション調整の幅が広く、有効シートチューブアングルまで変更可能だ。このフレームセットで導き出せるポジションは1000通り以上。どのようなライダーでも180kmを速く走り切るためのポジションを実現できそうだ。

日本国内での展開は2022年の秋頃に発表されるとのこと。上述のポイントの他にもストレージなど様々な要素も徹底的に開発されているため、国内展開の詳細について発表されるタイミングで、改めて情報をお届けする予定だ。

アイアンマン世界選手権を制覇したクリスティアン・ブルメンフェルトアイアンマン世界選手権を制覇したクリスティアン・ブルメンフェルト (c)カデックス
フレームセットと同時に発表されたカデックスのホイールを合わせて紹介しよう。カデックスはブランドがローンチされたタイミングで4本バトンホイールとディスクホイールを既に展開しており、今回紹介するのはその進化版のAERO 4-SPOKE DISCとAERO DISC-BRAKE WHEELSYSTEMだ。

一見したところでは前作と同じようなフォルムをしているが、風洞実験での徹底的なデータ解析を経た新作はカデックス史上最速のホイールへと進化を遂げているという。向かい風での空気抵抗削減はもちろん、ヨー角がついた風に対してもアドバンテージとなるように設計が施され、45km/hの走行状況を再現した風洞実験でも優れた空力性能が確認されたという。

CADEX Aero 4-Spoke WheelSystemCADEX Aero 4-Spoke WheelSystem (c)カデックス
ディスクブレーキ仕様と共にチューブレスに対応するフックレスリムが採用されたこともトピック。内幅が22.4mmというワイドな設定とされており、ワイドスタンスによる剛性が転がり抵抗を低減している。また、路面追従性の高いチューブレスタイヤを前提しているため、タイヤによる効率性や快適性、コントロール性の恩恵も受けられるはずだ。

また、リム横剛性を高めるために、18Kカーボンファイバーや、カーボン層の間に軽量強化フォームプレートを採用しているという。カデックスでは、ペダリングなどで荷重をかけた際のホイールの撓み量を計測して開発が行われており、軽量性と高い剛性を高いバランスで実現させているという。

CADEX Aero Diec-Brake WheelSystemCADEX Aero Diec-Brake WheelSystem (c)カデックス
新型では新設計のR3-C40というハブもポイントだ。軸部の高精度加工、内部構造の見直し、セラミックベアリングおよび40Tの面ラチェットフリーボディの採用といった様々なアプローチによって、強度や耐久性を維持したままペダリング時の摩擦抵抗を33%、惰力走行時の摩擦抵抗を31.5%低減。180kmを一気に走り切るトライアスロンにおいては、この進化は大きなアドバンテージとなるだろう。

AERO 4-SPOKE DISCはフロント用50mmとリア用65mmというようにリムハイトが分けられている。フロント用は重量880gで、価格は275,000円(税込)。リア用は重量1047gで、価格は319,000円(税込)。対応するコンポーネントはシマノ11速、スラムXDR、カンパニョーロN3Wだ。

左右非対称リムでエアロダイナミクスを高めたAERO DISC-BRAKE WHEELSYSTEMは、リア用のみで重量は1154g。対応するコンポーネントはシマノ11速、スラムXDR、カンパニョーロN3Wだ。価格は429,000円(税込)。

大記録を打ち立てたブルメンフェルトが駆るオリンピック覇者仕様のCADEX Tri Frame大記録を打ち立てたブルメンフェルトが駆るオリンピック覇者仕様のCADEX Tri Frame (c)カデックス


カデックス TRI FRAME
詳細は後日発表

カデックス 4-SPOKE DISC WHEELSYSTEM フロント
リム素材:Ultralight 18K Full Composite
リムタイプ:Hookless (Tubeless Ready)
チューブレス:CADEX Tubeless System
リムハイト:50mm
リム外幅:30mm
リム内幅:22.4mm
重量:880g (+/-5)※Shimano freehub
フロントハブ:CADEX R3-C40 aero hub, Centerlock
ベアリング:CADEX Ceramic Bearings
フロントアクスル:100x12 Thru Axle
価格:275,000円(税込)

カデックス 4-SPOKE DISC WHEELSYSTEM リア
リム素材:Ultralight 18K Full Composite
リムタイプ:Hookless (Tubeless Ready)
チューブレス:CADEX Tubeless System
リムハイト:65mm
リム外幅:32mm
リム内幅:22.4mm
重量:880g (+/-5)※Shimano freehub
リアハブ:CADEX R3-C40 aero hub, Ratchet Driver,Centerlock
対応カセット:Shimano 11 / SRAM XDR 12 / Campagnolo N3W
ベアリング:CADEX Ceramic Bearings
フロントアクスル:100x12 Thru Axle
価格:319,000円(税込)

カデックス AERO DISC-BRAKE WHEELSYSTEM

リム素材:Ultralight 18K Full Composite
リムタイプ:Hookless (Tubeless Ready)
チューブレス:CADEX Tubeless System
リム外幅:28.4mm
リム内幅:22.4mm
ハブ:CADEX R3-C40 aero hub, Ratchet Driver,Centerlock
対応カセット:Shimano 11 / SRAM XDR 12 / Campagnolo N3W
ベアリング:CADEX Ceramic Bearings
フロントアクスル:142x12 Thru Axle
重量:1,154g (+/-5)※Shimano freehub
価格:429,000円(税込)
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