6月25日(土)に開催されるはずだったロード全日本選手権の女子エリート+U23レースが開催見送りとなった。JCF(日本自転車競技連盟)は順延後の開催について、現在検討中だが見通しは立っていないと記している。



レース見送りとなったのは、6月23日から6月26日までの4日間開催となるロード全日本選手権「第90回全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース」の3日目に予定されていた女子エリートと女子U23の混走ロードレース「個人ロードレース WE(女子エリート)+WU23(女子23歳未満)」。

JCFによれば、実施見送りとなった経緯は以下の通り。

今年6月10日、女子エリートレースにエントリーしていたA選手が大会特別規則の「チームカーは競技に随行できない」を取り消しを求める要請を行ったものの、JCFは2021年から道幅が狭く見通しの悪い広島森林公園コースでのチームカー走行を認めておらず、A選手の要請を却下。これを受けて同日、A選手は公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(JSAA)にて緊急仲裁を申し立てし、同18日にJSAAは申し立てを認め、JCFに対し当該特別規則変更を制定する決定を取り消すという内容の仲裁判断を下した。

これを受けてJCFは当該特別規則を削除したものの、35名29チームがエントリーしていた女子レースで「すでに走行が予定されている10台あまりの審判・競技運営車両に加えて、最大29台のチームカーが同時にコース上を走行する状態は、選手と車両の接触事故、車両同士の接触事故のあるいはこれらの複合的な多重事故など、重大な危険の発生が予想(かっこ内はJCFのプレスリリースを引用)」され、レースの安全性を著しく損なうとしてレースの開催自体を不適切と判断。「選手・観客・関係者の安全を第一に優先するために、JCFは上記仲裁判断に関係するレースの開催を見送ることを決定いたしました」と記している。

現在のところ該当する女子エリート+U23ロードレース以外は開催に関して変更なし。6月20日発行の実施要項からは当該特別規則が削除されているが、JCFは新たにコミュニケ4を発行し、他のカテゴリーにおいて「安全上の観点からチームカーは競技に随行できない」と記している。

レース開催まで4日に迫ったタイミングで下された判断。この判断が覆るのか、それともこのまま開催見送りとなるか、状況は混迷を極めている。

日本自転車競技連盟による経緯説明
公益財団法人日本スポーツ仲裁機構の仲裁結果

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