UCI(国際自転車競技連合)は近年のジェンダー平等への推進活動が認められ、企業・団体の男女平等を支援する組織「EDGE(エッジ)」からスポーツ団体としては初となるEDGE Move認証を得たと発表した。



2017年よりUCI会長を務めるダヴィ・ラパルティアン氏2017年よりUCI会長を務めるダヴィ・ラパルティアン氏 photo:CorVos
UCIは1月20日にプレスリリースを発表し、「EDGEが定めるグローバルスタンダードを達成するため、UCIの方針や慣習、給与など重要な面の改善が成果として(ジェンダー平等のモデルとして)紹介できるレベルに達した」というコメントと共に、ジェンダー平等を推進する組織に与えられるEDGE Move認証を獲得した明らかにした。

EDGEとは企業や団体のジェンダー平等を推進すべく2009年にスイス・ジュネーブで設立された組織。UCIは2019年にEDGE Assessという組織の多様性や公平性、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)などを評価される審査の対象となっていた。

UCIは2018年にまとめた「アジェンダ2022」に記した女性選手の活動環境を改善する「コード・オブ・コンダクト(行動規範)」の発表や、UCI各委員会への女性就任、2024年パリ五輪の出場選手の同数化などジェンダー平等にむけた取り組みを行ってきた。そしてそれら施策がEDGEに評価され、今回のEDGE Move認証を受けることになった。

UCIが環境改善を進める女子自転車界UCIが環境改善を進める女子自転車界 photo:CorVos
2018年にUCI初の女性事務局長に就任したアミナ・ラナヤ事務局長は、今回の認証について「女性事務局長として2019年にスポーツ連盟として初めてEDGEの認証を得られたことはとても誇らしい出来事だった。そして次の段階であるEDGE Moveに認定されたことにより、我々のジェンダー平等が組織の一部として推進されていることを証明した。このために協力してくれた全てのスタッフに感謝したい」とリリースの中で喜びを語った。

また、EDGEの創設者であるアニエラ・アングレサン氏は「UCIと共にジェンダー平等推進を加速させることができ大変嬉しく思っている」とコメント。スポーツ組織として初となる認証について「UCIにはスポーツ界で長年重要な役割を担ってきた歴史があり、他の連盟もそれに続くであろうジェンダー平等をリードしていることは称賛に値する」と評価の理由を説明した。

text:Sotaro.Arakawa