イネオス・グレナディアーズがツール・ド・フランスに出場予定のエガン・ベルナル(コロンビア)との契約更新を発表。一時は退団も噂されていたベルナルは「選手として最も大事な数年間をこのチームで過ごしたい」と語っている。



昨年ジロ・デ・イタリアを制したエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ)昨年ジロ・デ・イタリアを制したエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ) (c)SiS
イネオス・グレナディアーズが1月10日に発表したプレスリリースによれば、ベルナルとの契約期間は2026年までの5年間。今月13日で25歳の誕生日を迎えるベルナルは、29歳までイギリスチームに在籍することとなる。

「チームやスタッフを誇りに思うし、この環境に満足している。だからこそ選手として最も大事な数年間をこのチームで走ると決めたんだ。目標とする最良の数年間をこのチームと共に味わいたい」とチームが公開したインタビュー動画でベルナルは語る。

2016年にアンドローニシデルメクでプロデビューしたベルナルは、2018年にチームスカイ(当時)に加入。当時話題となった長期契約(2023年までの5年契約)に続き、ベルナルにとって今回が2度目の5年契約となった。

一時はイスラエル・プレミアテックやモビスター、コフィディスへの移籍も噂されたベルナルだったが、「グレナディアーズの一員であることに誇りを持っている。レース会場に着くと手厚いサポート体制を実感するんだ。このチームは皆が1つの目標に向かって努力している。皆がこのスポーツを愛し、献身的かつチーム一丸となる精神で仕事をしているんだ」と、残留を決めた理由を話す。


昨年ジロ・デ・イタリアで総合優勝を手に入れたベルナルが今年目指すのは、ツール・ド・フランスへのカムバック。2020年より悩まされてきた背中の痛みが「全回復した」というベルナルは「またツールを走りたい。昨年はジロのためスキップしたので、随分長いことツールを走っていないような感覚があるんだ。だから今年はワクワクしているよ」とインタビューを締めくくった。

チームGMのロッド・エリングワース氏はベルナルについて「この4年間でエガンは目覚ましい成長を遂げた。また彼は驚異的な才能を繰り返し証明してきた。どんな困難な状況でも彼は自分を奮い立たせ、限界まで追い込み、何度も立ち向かう勇気を見せた」と評価。「グレナディアーズの一員としてこれ以上ない姿勢を示してきた。今年は激しい戦いが待ち受けているが、エガンとチーム全体が全力で戦い抜く準備は出来ている」と、ライバルひしめく今シーズンへの意気込みを語った。

text:Sotaro.Arakawa