全日本選手権トラック3日目は、5種目で新たなチャンピオンが決まった。男子オムニアムでは、兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が優勝。鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス)が、女子スクラッチとマディソンで優勝した。また、パラサイクリングの500mタイムトライアルでは、東京パラリンピック金メダリストの杉浦佳子が大会新記録で優勝した。



250m板張りバンクの伊豆ベロドローム250m板張りバンクの伊豆ベロドローム
女子スクラッチ 鈴木奈央が優勝

観客席最前列はスタート待ちの選手が目の前観客席最前列はスタート待ちの選手が目の前 女子スクラッチ 岩元杏奈(日本体育大学)を先頭に最終周回へ女子スクラッチ 岩元杏奈(日本体育大学)を先頭に最終周回へ

鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス)が優勝鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス)が優勝
女子スクラッチ 表彰式女子スクラッチ 表彰式 女子スクラッチには7名が出場。終盤に石上夢乃(鹿屋体育大学)が単独で飛び出すも決定打とならず、スプリント勝負を制した鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス)が優勝した。

2位には内野艶和(チーム楽天Kドリームス)が入ったものの、走路妨害で4位に降格となったため、中村妃智(JPF)が2位となった。





女子マディソン チーム楽天Kドリームスが優勝

女子マディソン チーム楽天Kドリームスと日本体育大学が同時に交代女子マディソン チーム楽天Kドリームスと日本体育大学が同時に交代
女子マディソン優勝 チーム楽天Kドリームス(鈴木奈央(左)、内野艶和)女子マディソン優勝 チーム楽天Kドリームス(鈴木奈央(左)、内野艶和) 女子マディソン 表彰式女子マディソン 表彰式

女子のマディソンは、鈴木奈央と内野艶和のチーム楽天Kドリームスがレースを主導。走路妨害で降格になる場面がありながらも、5回の1位通過で計40pを獲得。中村妃智と古山稀絵の日本体育大学が喰い下がったものの、14pの差をつけた。鈴木はこの種目の優勝で四冠達成。最終日のポイントレースで五冠を目指す。



ケイリン 男子は小原佑太 女子は小林優香が優勝

男子ケイリン 小原佑太(ドリームシーカーレーシングチーム)が抜け出てフィニッシュ男子ケイリン 小原佑太(ドリームシーカーレーシングチーム)が抜け出てフィニッシュ 男子ケイリン 表彰式男子ケイリン 表彰式

女子ケイリン 小林優香(チーム楽天Kドリームス)が優勝女子ケイリン 小林優香(チーム楽天Kドリームス)が優勝 女子ケイリン 表彰式女子ケイリン 表彰式

男子ケイリンは予選から勝ち上がった6名による決勝が行われ、小原佑太(ドリームシーカーレーシングチーム)が優勝した。女子は小林優香(チーム楽天Kドリームス)が、最終周回に先行して逃げ切り勝ちを決めた。



男子オムニアム 兒島直樹が今村駿介に競り勝つ

男子オムニアム 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)がスクラッチ首位男子オムニアム 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)がスクラッチ首位 男子オムニアム・テンポレース チームブリヂストンサイクリングの3名が先行男子オムニアム・テンポレース チームブリヂストンサイクリングの3名が先行

男子オムニアム・エリミネイション 残り5名の場面で、総合首位の兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が除外される男子オムニアム・エリミネイション 残り5名の場面で、総合首位の兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が除外される
男子オムニアムは初日に行われた予選を勝ち上がった20名による決勝が行われた。

スクラッチを兒島直樹、テンポレースを橋本英也、エリミネイションを今村駿介と、チームブリヂストンサイクリングが各種目で1位を取り、今村112p、兒島108p、橋本106pとして最終種目のポイントレースを迎える。

男子オムニアム・ポイントレース レース中盤、単独先行する兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)男子オムニアム・ポイントレース レース中盤、単独先行する兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)
男子オムニアム・ポイントレース 逃げる兒島直樹を今村駿介自ら追走男子オムニアム・ポイントレース 逃げる兒島直樹を今村駿介自ら追走 男子オムニアム・ポイントレース 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)がメイン集団最後尾を捉える男子オムニアム・ポイントレース 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)がメイン集団最後尾を捉える

後半、「何度もアタックを試みてようやく決まった」と言う兒島が単独先行し、残り20周でラップに成功。今村に逆転されかけてた流れを大きく変え、首位と奪回する。終盤に今村がアタックするも、兒島がチェックして逃げを許さず。ポイントが倍になるフィニッシュを今村が首位となって10p加算したが、ラップによる+20pを逆転するには足りず、兒島の優勝が決まった。

終わってみればチームブリヂストンサイクリングが表彰台のみならず、6位までを独占する結果となった。

男子オムニアム 表彰式男子オムニアム 表彰式



パラサイクリング 杉浦佳子が大会新で優勝

パラサイクリング500mTT 優勝 杉浦佳子(VC福岡エリート/WC3)パラサイクリング500mTT 優勝 杉浦佳子(VC福岡エリート/WC3) パラサイクリング500mタイムトライアル 表彰式パラサイクリング500mタイムトライアル 表彰式

パラサイクリング1kmタイムトライアル 優勝川本翔大(大和産業/MC2)パラサイクリング1kmタイムトライアル 優勝川本翔大(大和産業/MC2) パラサイクリング1kmタイムトライアル 表彰式パラサイクリング1kmタイムトライアル 表彰式

パラサイクリングの500mタイムトライアルには、パラリンピック金メダリストの杉浦佳子(VC福岡エリート)が出場し、大会新記録で優勝した。また、1kmタイムトライアルでは川本翔大が大会新記録で優勝した。



この大会を最後に引退する中村妃智(JPF)この大会を最後に引退する中村妃智(JPF) 引退セレモニーで上野みなみ(写真左)から花束を受け取って涙ぐむ中村妃智引退セレモニーで上野みなみ(写真左)から花束を受け取って涙ぐむ中村妃智

この全日本選手権を最後に引退する中村妃智(JPF)の引退セレモニーが催された。中村は日本体育大学在学中からナショナルチームのメンバーとして活躍。梶原悠未とのペアで東京五輪のマディソン出場を果たした。引退後は後進の指導・育成に取り組みたいと言う中村。「自分が育てた選手が五輪に出場するようになれば嬉しい」と、今後の抱負を語った。
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全日本選手権トラック3日目 結果
女子スクラッチ 結果
1位 鈴木奈央(チーム楽天Kドリームス) 13分45秒71
2位 中村妃智(JPF)
3位 岩元杏奈(日本体育大学)
女子マディソン 結果
1位 チーム楽天Kドリームス(鈴木、内野) 40p
2位 日本体育大学(中村、古山) 26p
3位 日本学生選抜(岩元、石田) 24p
ケイリン 結果
男子 女子
1位 小原佑太(ドリームシーカーレーシングチーム) 小林優香(チーム楽天Kドリームス)
2位 中野慎詞(ドリームシーカーレーシングチーム) 梅川風子(チーム楽天Kドリームス)
3位 村田祐樹(富山県自転車競技連盟) 久米 詩(JPCA)
女子マディソン 結果
1位 チーム楽天Kドリームス(鈴木、内野) 40p
2位 日本体育大学(中村、古山) 26p
3位 日本学生選抜(岩元、石田) 24p
男子オムニアム 結果
Sc Te El Po
1位 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) 40 36 32 46 154
2位 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) 34 38 40 29 141
3位 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) 28 40 38 12 118
4位 河野翔輝(チームブリヂストンサイクリング) 38 30 28 10 106
5位 近谷 涼(チームブリヂストンサイクリング) 32 32 36 5 105
6位 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング) 18 34 26 14 92
パラサイクリング 結果(タイムは係数タイム)
500mタイムトライアル
1位 杉浦佳子(VC福岡エリート/ WC3) 40秒218(大会新)
2位 藤井美穂(楽天ソシオビジネス/ WC2) 41秒205
1kmタイムトライアル
1位 川本翔大(大和産業/MC2) 1分4秒254(大会新)
2位 藤田征樹(藤建設/MC3) 1分8秒036(大会新)
3位 沼野康仁(usp lab.VC SPLENDOR) 1分24秒654

text&photo:Satoru Kato


全日本選手権トラック 3日目