自転車での日本縦断記録へとチャレンジした落合佑介が、136時間30分(5日16時間30分)という記録を達成。現ギネス記録である6日13時間28分から大幅なタイム更新を果たした。現在ギネスブックへの申請作業中となり、認められれば新レコードとなる見通しだ。



記録を大幅に更新した落合佑介記録を大幅に更新した落合佑介 (c)RANDONNEUR PLUS PROJECT
ブルベの最高峰とされるパリ~ブレスト~パリ(PBP)の2019年大会において、48時間28分でフィニッシュしアジア人最高位の座を獲得。1,200kmの間、睡眠をとらずに走り続けるという余人に真似出来ないスタイルで日本のランドヌールの間で一目置かれる存在が、落合佑介だ。

現在落合氏は世界一過酷な耐久レースともいわれているRAAM(Race Across America)への参戦、3位以内でのゴールを目標に掲げて活動しているが、その前のチャレンジの一つとして、日本縦断ギネス記録の更新へと挑むこととなった。

現在日本縦断ギネス記録を保持しているのは、ツール・ド・おきなわで6度頂点に立った「最強ホビーレーサー」として知られる高岡亮寛。鹿児島県の佐多岬から北海道の宗谷岬まで、約2,600kmを6日13時間28分で走り切り、ギネスブックに登録されている。

驚異的なペースで距離を伸ばしていく落合驚異的なペースで距離を伸ばしていく落合 (c)RANDONNEUR PLUS PROJECT
落合はこの記録を更新すべく、10月15日の午前1時に佐多岬をスタート。同日午後8時30分に関門海峡を横断し、本州へ上陸。24時間経過時点で534kmを走破し、以降兵庫県の加東市で雨除けも兼ねた1時間の仮眠をとるまで約43時間ノンストップで走り続けた。

以降も、48時間経過時点で1,006km、72時間経過時点で1,436kmと現ギネス記録を大幅に上回るペースで距離を重ねていく。そして5日目となる19日の4時30分に青森港に到着。5時20分のフェリーに搭乗し、同日9時に北海道へと上陸した。

滋賀のマッキサイクルのスチールフレームを駆った滋賀のマッキサイクルのスチールフレームを駆った (c)RANDONNEUR PLUS PROJECT
北海道上陸後、しばらくは穏やかな天気の中を走っていたが5日目の昼過ぎには低気温の中での土砂降りに。サポートカーでレインウェアに着替えて冷雨の中を北上していく。120時間が経過し、6日目へと突入するころには残り269km地点へ到達。順当に行けば大幅な記録更新が確実な状況となる。

猛烈な向かい風が立ちふさがり、突然の土砂降りに一時低体温に襲われるものの、ペースを保ち続けた落合は日が落ちきった20日の17時30分、佐多岬をスタートしてから136時間30分で日本最北端の宗谷岬へと到着。高岡の現ギネス記録を20時間58分上回る驚異的な記録を樹立した。この記録はギネスへ申請され、認定されれば新たな記録となる。

日が落ちきった20日の17時30分、佐多岬をスタートしてから136時間30分で日本最北端の宗谷岬へと到着日が落ちきった20日の17時30分、佐多岬をスタートしてから136時間30分で日本最北端の宗谷岬へと到着 (c)RANDONNEUR PLUS PROJECT
前人未踏の記録を達成した落合。「まず、今回のチャレンジに関して非常に沢山の方からお祝いのメッセージを頂き、そして、殆ど毎日悪天候にも関わらず、沿道で声援を送って下さったことを大変嬉しく思っています。私自身一人では勇気がなかったチャレンジを仲間やスポンサーの皆様の支えで開催出来たことは、感謝しきれません。私のチャレンジはここからで、アメリカ横断5000kmのRAAMで日本人男性初の表彰台を目標にしております。今後とも当プロジェクトRPP(Randonneur Plus Project)を宜しくお願い致します」と、既に次なる挑戦へと照準を定めているようだ。

今回の日本縦断記録への挑戦は、令和3年8月豪雨災害のチャリティー企画でもあり、その企画の締めくくりとなるパネルディスカッションが開催される。10月30日 20:00~YouTubeLiveにて収録映像を公開するとのことだ。出演者は高岡亮寛氏(現:日本縦断ギネス記録保持者)、落合佑介氏(令和3年10月挑戦者・申請作業中)、桑野雅利氏(令和3年8月挑戦者)、森脇裕氏(令和元年4月挑戦者)。