マキシス CORMET(コーメット)マキシス CORMET(コーメット)

サイドにトレッドが入るが、センターはフラットになっているサイドにトレッドが入るが、センターはフラットになっている XENITH Pro Light(ゼニス プロライト)がヒルクライムに特化した決戦タイヤなら、このCOMRET(コーメット)はオールラウンドにロードレースシーンに対応する万能タイヤだ。

コーメットの最大の特徴は、最新のケーシングテクノロジー「one70」を採用したことにある。これは1インチ四方に170本のナイロン繊維を使用したケーシングで、軽量かつ滑らかな乗り心地に貢献するという。

また、パンク対策には2層の耐パンク材を用い、みすみすパンクするリスクを低減。メーカー発表で耐パンク性能は★★★(五つ星中)。それでいて重量は210gと軽量な部類に入り、シチュエーションを選ばないオールラウンドタイヤに仕上がっている。

それでは、実際に走行してのインプレッションをお届けしよう。ロードバイクでの山岳ツーリングを含む500kmほどを走行しての印象だ。







インプレッション

タイヤセンターがフラットになっているため転がり抵抗はかなり軽いタイヤセンターがフラットになっているため転がり抵抗はかなり軽い ロードレーシングタイヤとのメーカーの位置づけであるが、今回は登って下ってを繰り返す山岳ツーリングで主に使用した。登りでの軽さや、下りのコーナーリング性能など、厳しい状況での使用感を記したい。

まずタイヤを履かせる際に印象的なのは、タイヤゴムの質感だ。「もちっ」とした粘りがあり、いかにもグリップが良さそうなタイヤだと感じさせる。しかし一般的には、グリップ力を増すためにタイヤを柔らかくすると、その分転がり抵抗が大きくなることが難しい。

このコーメットでは、タイヤのデザインでそれを克服している。外観はシンプルと言ってもいいほどに簡潔で、サイド部に波打つようなトレッドが入るものの、センター部はフラットになっており、特徴という特徴はあまり上げられない。

しかし、このセンターフラットが転がり抵抗の軽減のキモとなっている。実際、走り出してみるとスイスイと違和感無く進むことに驚かされた。タイヤの素材自体はコシがあり、空気を高めに入れるとシャキッとして、もたつく感じは無い。

この走行感の軽快さは登り坂でも生かされ、スピードの落ちる勾配8%ほどの登りでも足回りの重さは感じなかった。

グリップに関しては、やはり性能は高い。乗り始めこそアタリが出ず、急激なコーナーリングでは滑る場面もあったが、一度アタリが出てからは、コーナーでぐっと粘ってくれる感覚に不満は無い。

下りのコーナーでバイクを倒し込むような乗り方をしても、ややタイヤがねじれるきらいはあるものの、しっかりと路面に食いついてグリップしてくれた。

絶妙なコンパウンドにより高いグリップ力が体感された絶妙なコンパウンドにより高いグリップ力が体感された 決してエアボリュームの高いタイヤではないが、そこはコンパウンドの工夫で高いグリップ力を確保しているといったところか。MTB用タイヤのバックボーンを持つマキシスならではの味付けということができるかもしれない。

耐パンク性能について。500km乗る間に一度だけパンクしてしまった。が、峠の簡易舗装路という条件であまりロードバイクでは馴染みのない状況であったので、これをカウントするのは酷というものだろうが、その状況は記しておこう。
始めはゆるやかに下っていたところ、タイヤに安定感があったので(インプレということもあり無理もしてみようという気になり)、すこしスピードを上げてラフに下ったところ、パンクの憂き目に遭ってしまった。

しかし繰り返しになるが、基本的にこのタイヤがそういった状況下を想定して作られていないため、これで耐パンク性能を判断するのは無為というもの。それ以外の舗装路走行では、500kmを走ってパンクは皆無だった。

他にも荒れたコンクリート路面を多く走ったが、パンクが気がかりになることはなかった。路面状況の良いであろうロードレースシーン、あるいはロードトレーニングなどではまったく問題は無いだろう。

外観はシンプルな印象のタイヤだが、オールラウンドに使えるコーメット。着実にロードバイクの足下を固めてくれる頼れるタイヤだ。

マキシス COMRET
サイズ:700x23c
カラー :ブラック
ビード :フォルダブル
ケーシング:170TPI
コンパウンド:62a
参考重量:210g(23c)
最高空気圧:130psi
価格:¥7,770 (税込み)


test&text:Yufta.OMATA