GPSデバイスのリーディングカンパニーであるガーミンが2021モデルの新製品を発表。新作のペダル型パワーメーター"RALLY"が登場した。ペダル型パワーメーター初となるSPD‐SLに対応する注目作だ。



春めく神田明神近くで行われたガーミン2021発表会春めく神田明神近くで行われたガーミン2021発表会
1989年にアメリカで創業したガーミン。30か国で16,000人以上の従業員を雇用するグローバル企業であり、自動車、航空、フィットネス、マリン、アウトドアという5つの分野へGPS機器および情報通信端末を展開するメーカーだ。

航空機や船舶、自動車といった厳しい水準を有するB2B領域で培った技術をコンシューマー分野にも応用することで実現した高い品質や信頼性がガーミンの強みであるという。事実、サイクリングだけでなくランニングやゴルフといったカテゴリーにおいてもトップシェアを獲得していることがその証ともいえるだろう。

主力となるサイクルコンピューター"EDGE"シリーズのラインアップには変更はなかった主力となるサイクルコンピューター"EDGE"シリーズのラインアップには変更はなかった
そんなガーミンのサイクリング向け製品の2021モデルが発表された。メインとなるサイクルコンピューターのEDGEシリーズについては、昨年同様トップモデルであるEDGE1030を頂点に、ミドルグレードのEDGE830&530、ベーシックモデルのEDGE130という4モデル展開を継続。

そのような中、 最も大きなトピックとなるのが、ガーミンが次世代パワーメーターと位置付ける新モデル"Rally"の発表だ。

SPD-SL対応の次世代のペダル型パワーメーター"Rally"

SPD‐SLに対応したガーミンの次世代パワーメーター"RALLY"SPD‐SLに対応したガーミンの次世代パワーメーター"RALLY"
昨今各ブランドが参入してきたペダル型パワーメーターという分野だが、その先鞭をつけたのが2013年に発売されたガーミンのVectorシリーズだった。ペダリングパワーをダイレクトに受けるペダル部を計測ポイントとする合理的な発想と、装着する自転車を選ぶことのない汎用性を武器に支持を受けてきたVectorシリーズは、ペダルポッドの内蔵やBluetooth対応など、2度のフルモデルチェンジを重ね時代に合わせて進化してきた。

今回、その後継機となる完全新作として登場したのが"Rally"だ。前作となるVector3からの最も大きな変更点がシマノ SPD-SLに対応したこと。手に入りやすく、耐久性にも優れた市場にあるペダル型パワーメーターが、全てルックKEOクリート対応モデルのみである現状に風穴を開ける存在となりそうだ。

前作よりも少し丸みを帯びたデザインに前作よりも少し丸みを帯びたデザインに
ペダル裏面にはブランドロゴが。ガーミンデバイスとの相性もばっちりだ。ペダル裏面にはブランドロゴが。ガーミンデバイスとの相性もばっちりだ。 ペダルアクスルにセンサーや通信ポッドが内蔵される。防水のためヘックスレンチは使用不可ペダルアクスルにセンサーや通信ポッドが内蔵される。防水のためヘックスレンチは使用不可


更に、前作でしばしば起きていた接続などのトラブルについても、バッテリーカバーの通電バネの強化によって通電性を大幅に改善し、動作の安定性を飛躍的に向上させたことも大きなポイントだ。さらに、バッテリーカバーの本体側のネジ部を樹脂からステンレスに変更、長期間の使用でも安心できる強度を実現している。

一方で、前作の大きな特徴であった±1.0%という高い計測精度やサイクリングダイナミクスの分析といった高度なデータ計測機能はそのまま。特にペダルのどこを踏んでいるのかを把握できるプラットフォームセンターオフセットはRallyならではの機能だ。

電池は変わらず交換式。LR44もしくはSR44を4つ、またはCR1/3Nを2つ使用し、最大120時間駆動する。バッテリーキャップが設計変更され安定性を飛躍的に向上させたという電池は変わらず交換式。LR44もしくはSR44を4つ、またはCR1/3Nを2つ使用し、最大120時間駆動する。バッテリーキャップが設計変更され安定性を飛躍的に向上させたという
ペダル後部にRALLYというモデル名が印字されるペダル後部にRALLYというモデル名が印字される パワーはもちろんのこと、左右バランスやペダルセンターオフセットといったデータをリアルタイムで確認可能パワーはもちろんのこと、左右バランスやペダルセンターオフセットといったデータをリアルタイムで確認可能


さらにペダルボディもスペアパーツとして購入可能となり、ユーザー自身が交換できるように。ペダル型パワーメーターの不安点である消耗や破損についてもケアされる体制が整えられたことは大きな前進だ。

SPD-SL対応モデルのRSシリーズ、ルックKEO対応モデルのRKシリーズ、そしてそれぞれ両側計測モデルの200と片側計測の100が用意され、4モデル展開となる。なお、SPDモデルの国内展開は未定。価格はRS,RKともに共通で両側計測の200シリーズが128,000円、片側計測の100シリーズが79,000円(共に税抜)となっている。

また、100→200へのアップグレードキットや、RS⇔RKのコンバージョンキットなども用意されているため、後から両側計測を行いたいという人や違うクリートを試してみたい、という方も追加投資を少なく抑えることが出来るのも嬉しいポイントだ。発売は4月1日を予定している。

ガーミン RALLY RS/RK
対応クリート:RS シマノSPD-SL、RK ルックKEO
測定精度:±1.0%
Qファクター:53mm、55mm
スタックハイト:12.2mm
対応電池:200シリーズ LR44/SR44(×4個)CR1/3N (x2)
     100シリーズ LR44/SR44(×2個)CR1/3N (x1)
稼働時間:最大120時間
耐荷重量:105kg
重量:RS200 320g、RS100 326g、RK200 326g、RK100 334g
付属品:クリート、クリート用ネジ、クリート用ワッシャー、クイックスタートマニュアル
価格:RS200/RK200     128,000円(税抜)
   RS100/RK100     79,000円(税抜)
   アップグレードキット 69,000円(税抜)
   交換用ペダルボディ 12,000円(税抜)
   クリート       3,000円(税抜)
   
タックスのダイレクトデリバリーを開始 ガーミンとのさらなるシナジーの強化も

今シーズンよりガーミンがタックスのダイレクトデリバリーを開始。NEOBIKEをはじめほぼ全てのラインアップを取りそろえる今シーズンよりガーミンがタックスのダイレクトデリバリーを開始。NEOBIKEをはじめほぼ全てのラインアップを取りそろえる
さらに、現在ガーミンの傘下にあるオランダのトレーナーブランドであるタックスとのシナジーを強化していくことが発表された。国内での取り扱いをガーミンジャパンに一本化すると同時に、ハードおよびソフトウェアでの連携を一層深めていくという。スマートバイクのNEO BIKEやハイエンドスマートトレーナーであるNEO 2Tを筆頭にFLUXシリーズを中心としたラインアップは変わらず、拡大するインドアトレーナー需要に応えていく。

EDGEシリーズとの相性の良さもタックスの強みとなる。トレーナー側からヘッドユニットへのデータ受け渡しだけでなく、EDGE側からトレーナーのコントロールやコースシミュレーションを行うことも可能。これらの連携がオフィシャルでサポートされているのは安心できるポイントと言えるだろう。

さらにタックス デスクトップアプリとガーミンコネクトの連動がスタートしたことも大きなポイントだ。ガーミンコネクトのアカウントでタックスデスクトップアプリにログインすることで連携可能になり、アクティビティログを共有することが可能となった。

新世代のペダル型パワーメーター"Rally"に加え、タックスとのシナジーを強化し始めたガーミン。真摯にトレーニングに取り組むサイクリストにとって、ガーミンの今年の動向は目が離せないものとなりそうだ。